インターネットで集客につながる情報発信をする際の条件として、「質と量のどちらが大事?」という議論がいつも行われます。圧倒的に重要なのは質ですが、質の定義は「ターゲットの求める情報を伝えられている状態」であり、文章の滑らかさやキャッチコピーの秀逸さではありません。また、ある程度の質を実現するには、ターゲットを意識したトライアンドエラーの量も必要です。
集客のために情報発信するなら圧倒的に質が大事
今日は読者の方から、「インターネットで集客するためには情報発信がかかせない時代になったのは理解できます。ただし、自分のリソースは限られています。情報発信する時に大事なのは量と質どちらでしょうか?“どちらも”という選択は無しでお答えください。」という質問をいただきましたので、解答したいと思います。
結論から言うと、中小零細企業が集客のために情報発信するならば、圧倒的に質を意識して情報発信することを選択すべきだと思っています。
量よりも質です。
じゃあ、「質」って何だ?ということについて考えてみましょう。
質の良い情報発信の定義「ターゲットの求める情報を伝えられている状態」
たとえば、私が5万円の腕時計を購入したとしましょう。
他人はこの判断にどんな評価を下すかというと、「良い買い物をしたね」という人もいれば、「なんで時計に5万円もかけるの?」という人もいるわけです。
要は、同じモノ、同じコンテンツであっても、受け取り手によって感じ方、受け取り方は全く変わるということを前提として抑えておく必要があります。
これが100万円するロレックスの腕時計であったとしても、「なんでそんな無駄遣いしたの?」「時計にそんな価値はない」という人が必ずいます。
予算が1万円までと考えている人にロレックスの価値を訴えても、全く意味がないわけです。
インターネットで発信する情報の質も同じで、幾らプロに頼んで、格好良いデザインを頼んでも、なめらかなキャッチコピーや文章を考えてもらっても、受け取る相手を意識していないと何一つ意味がないのです。
自分が誰に向かって情報発信しているかを意識しているかいないかで、同じ情報であっても、質は「良いもの」にも、「悪いもの」にも変わってしまうのです。
ですから私は、質の良い情報発信について、「一体誰に向かって情報を発信しているのか自分が理解し、そのターゲットが求めている情報を発信できている状態」だと理解しています。
これがわかっていなければ、どれだけ自分が質の高い情報を発信していると思っていても、沢山の情報を発信したとしても、集客の効率がとても悪くなってしまいます。
量もこなさず成果につながる質を手に入れるのは困難
ただ、これはちゃぶ台返しのような話なのですが、「量が質に変わる」ということがあります。
「質より量が重要」と言っているのではありません。「量が質に変わる」タイミングがあるという話です。
たとえば、YouTubeで500万人以上のチャンネル登録者がいるヒカキンさんを例にあげてみましょう。
彼の場合は、ほぼ毎日、自分のチャンネルに動画をアップしてきました。
彼のファンが彼の動画を毎日見たいと思っているからです。
なぜ、この状態が出来上がったかというと、彼が毎日YouTubeチャンネルに「自分のファンが楽しいと感じてくれるであろう」、質の高さを意識した動画アップを継続したからです。
この取組をはじめた最初の頃、2012年くらいの時にアップした動画と、2017年の今現在の動画を比較してみてください。
編集の質や一本あたりの動画にかける予算は5年で飛躍的に向上しましたが、質を高める、ファンを楽しませるための継続的な努力を行うことで、最初は素人品質だった動画が、今やテレビと何も変わらないレベルにアップしています。
これは、彼が最初から、「YouTubeを見るキッズ達」をターゲットとして、ターゲットにとって質の高い情報を届けることを意識し、情報発信のトライアンドエラーを繰り返したことによって実現した質への転嫁です。
ここ最近の彼は、毎日動画をアップすることが無くなりましたが、ターゲットが何を求めているのかを把握しているので、一度の動画アップで、より影響力の大きい、収益につながる情報発信ができています。
同じように、情報発信を始めた最初の段階では、ターゲット設定を必ず行い、その人達に「どんな情報が刺さるだろう」とトライアンドエラーを検証するため、ある程度のリソースを割く必要があります。
強引にでもアクセスデータを集め、「ターゲットが何を求めているのか」を詳細に解析し、より情報の質を高めていかねばなりません。
そういった意味では、最初の質問に対しては、「質が圧倒的に大事。ただし、ターゲットを意識した情報発信を繰り返していない、つまり量もこなしてないうちは質に変化など起こらない」というのが正確な解答かなと思います。