どんなに結果を出している経営者の方でも、印鑑を適当に押している人、訂正のマナーを知らない人を見ると、「この人は契約とか軽んじているのかな?」と思われる可能性があります。そこで本稿は、ご存じの方も多いかもしれませんが、美しい所作できれいな印影の印鑑を押す手順と正しい訂正印の押し方をおさらいします。
印鑑を適当に押印する人は見てすぐにわかる
相手と机を挟んで押印する時に、その所作を見て、「この人はきちんと印鑑を押す時のマナーも知っているんだな」と思う人はすぐにわかります。
一方で、どんなに結果を出している経営者の方でも、印鑑を適当に押している人、訂正のマナーを知らない人を見ると、「この人は契約を軽んじているのかな?」と思われる可能性があります。
そこで今回は、正しい印鑑の押し方と訂正印の押し方をお伝えできればと思っております。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、おさらいの意味も含めてご確認いただければと思います。
美しい所作できれいな印影の印鑑を押す手順
印鑑が上手に押せない!という方がたまにいらっしゃいますが、印鑑の押し方にはコツがあります。
それは、
- 1)朱肉の付け方
- 2)印鑑の押し方
この2つです。
印鑑を押印する時、きれいに印影が映るためには、以下3つの手順を踏まえていきます。
- 1)朱肉を付ける場合は、人差し指と中指の付け根辺りに印鑑のお尻部分を添えて持つ
- 2)印面全体に朱肉が付くよう、朱肉の中心だけではなく、周りへも位置を変えながら、ポンポンと軽くタッチする感じで 朱肉をなじませる
- 朱肉を付けたときの持ち方のまま、書面に印面を当てた後、印鑑を持っている手の甲の上に反対側の手の平を当て、印面の中心から外周に向かって「の」の字を描くように、強過ぎず適度な力で重心を移動させて押印する
1)のポイントは、朱肉に印面を強く押し付け過ぎないことです。朱肉が付き過ぎて印影がにじんでしまうからです。
2)では、ポンポンと朱肉をなじませるのがポイントです。
また、3)について、私が両手を添えるのは、ズレず、全体的にきれいな印影を出すことができることもですが、その様子は印鑑を大切に慎重に押していると、周りの方や契約の相手方にも理解されるからです。
「の」の字を描くように重心を移動させて押印すると、綺麗に印影が映るでしょう。
丸印だけではなく角印も同じ方法で、きれいに押すことができます。
特に、年季の入った会社の印鑑などでは、丸い印鑑の外側部分(縁の部分)が擦り減っていて、きちんと「の」の字を描かないと印影がきれいに出せないことがあったりします。
きれいに印影が出せないということは、印鑑に歴史ありということですし、ある意味、しっかりと大切に使われて来たという証かも知れませんが、これは押し方のコツを知っていればカバーできる部分です。
また、マットを書類の下に置いて押印するのですが、あまり柔らかいマットは避けてください。
書面が凹んだり印影がにじんだりする原因となるからです。
正しい訂正印の押し方〜訂正は慎重に行うべき
次に、訂正方法についても見ていきましょう。重要な書面であればあるほど、その訂正方法は慎重でなければなりません。
- 1)間違っている部分を二重線で消す
- 2)その直近部分に正しい内容を書き入れる
- 3)修正内容が見えるように注意しながら近くに訂正印を押印する
上記3つの手順で訂正を行います。
この際に、二重線で消して書き入れることは同じですが、訂正する行の欄外に「何字削除何字加入」などと修正した字数を記載し、そこに訂正印を押す方法もあります。
また、訂正印を押印する時は、必ずその書面に押した印鑑を使用してください。
以上、きれいで美しい所作により印鑑を押印する方法と、訂正印の正しい押印方法でした。