安部総理もヤジ 日教組はなぜ叩かれやすいの?

政治

 安倍総理が名指しでヤジを飛ばした日教組に再び注目が集まっている。日教組(にっきょうそ)とは、27万人の教職員が所属する日本最大の教員の労働組合連合体であり、戦前の教育に対する反省として平和教育を行うこと、教職員の待遇改善を目的として出来た組織である。昔ほど影響力がなくなっているため、組織の効率化が必要となりそうだ。

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安倍総理が名指しでヤジる団体「日教組」

 2月19日に行われた衆議院予算委員会において、安部総理が西川元農相の献金問題を民主党議員から追求された際に「日教組はどうなんだ!」とヤジったことが大きな問題となった。

 その後、民主党が日教組からの献金をもらっていないこと、日教組が補助金を受け取っていないことがわかり、安部総理は発言を撤回し謝罪せざるを得なくなった。

 日本の代表である安倍総理が名指しでヤジを飛ばすほどの日教組、どのような団体なのかを改めて振り返ろう。

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日教組はなぜ批判の目にさらされてきたか?

 日教組(にっきょうそ)とは、27万人の教職員が所属する日本最大の教員の労働組合連合体であり、日本教職員組合の略である。

 一般企業の労働組合同様に、教職員の待遇改善・地位の向上、教職員定数の改善をはじめとする教育条件の整備などを主な目的として活動している。
 
 ではなぜ日教組はよく叩かれるのだろうか。一般的に認識されている3つの理由をご紹介しよう。

1)歴史的に政府と対立してきた

 1945年の日教組設立から間もない1950年に朝鮮戦争が勃発し、GHQは国家警察予備隊(現・自衛隊)の創設を指令、日本は「反共の砦」と位置づけられていた。政府もこれに呼応し、「日の丸」「君が代」「道徳教育」復活など、戦後教育の見直しや再軍備を図る中、日教組は、文部省の方針に対立する運動を開始した。その後も日章旗(日の丸)の掲揚と、「君が代」の斉唱を拒否した過去があるなど、国家の公務員が属する教職員組合としては唯一政府に反発する方針を取ってきたユニークさがある。

2)ゆとり教育の導入

 1996年~2007年ごろまで続いた「学校5日制度」「総合的な学習の時間」などを推進するゆとり教育、これを1970年台より推奨し文部省へ働きかけたのは日教組である。同制度は約10年であえなく終了したが、日教組は現在でもゆとり教育を推進するニュアンスの発言を続けている。ただし時どきの政府もこれに呼応してきた。中曽根内閣や小渕内閣の時代にゆとり教育は進展を迎えたが、これらは自民党の内閣である。

3)色濃い政治への参加

 日教組出身の議員が政治へ参加したり、選挙へ立候補することがしばしばあるため、それらの議員が日教組の思想を色濃く残す演説を行う。また日教組も組織内候補として日本民主教育政治連盟(日政連)に所属する議員を推薦して、国会に送り込む。衆議院議員の横路孝弘氏、参議院議員の輿石東氏が日政連を支持母体としているのは有名である。

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団体としての力は衰えて既に斜陽化

 日教組の本来の理念は「戦前の政府に管理された教育」への猛烈な反省から生まれたものであり、平和・民主教育によって、二度と子どもたちを戦争へ向かわせないという志から始まったものである。

 とはいえ、戦後70年が経過し1990年台からは日教組も政府とも協調路線を取るようになり、日教組自体に加入する人の数も昨年は25.3%と、過去最低を更新しており、37年連続で加入率は低下している。

 「現場」の教員の意見を代弁し集約化する組織へと変化が求められる。

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