商品やサービスをブランドとして認知してもらうためには、まず覚えやすいネーミングを付ける必要があります。顧客は「見た目」、「読み方」、「意味」の3つの構成要素でネーミングを覚えます。この3つの要素をどのような観点から見てネーミングすれば良いか解説いたします。また、アウトプットしたネーミングをチェックする8つのポイントをご紹介します。
ブランドとネーミングは切っても切り離せない
スーパーマーケットや百貨店であなたの商品が売り出されていたとしましょう。
消費者がポップを見る時間は一体どれくらいだと思われますか?
実は、お客様があなたの商品について宣伝文句が一生懸命書かれたポップを見るのは、せいぜい1秒程度で、一度に認識できる文字もたった6文字程度です。
このような環境下でも顧客にブランドとして認知してもらうためには、覚えてもらいやすいネーミングを付ける必要があります。
顧客がネーミングを覚える場合、
- 見た目
- 読み方
- 意味
の3つの要素でネーミングを記憶します。
そうすると、この3つの要素から覚えやすいネーミングを採用することが次に検討すべき事項となります。
どのような観点からネーミングを考えていけば良いのか、一つずつ見ていきましょう。
覚えやすいネーミングを構成する3つの要素
1つ目の観点:「見た目」からネーミングを考える
まず、「見た目」です。
「見た目」とは、人の五感のうち視覚から把握される要素であり、ネーミングを文字として記述したときに目に入る態様のことです。
例えば、次の2つのネーミングを比較してみてください。
どちらが記憶に残るでしょうか。
- ・athlete
- ・アスリート
両方とも「アスリート」と読みますが、英語表記をうまく読めない人、書けない人もいそうです。
読めない人、書けない人は、この英語表記のネーミングを記憶することは難しくなります。
確かに英語は格好良いかもしれませんが、ターゲットとする顧客層によっては、日本語表記を選んだほうが得策の場合もあります。
自社が対象とする顧客が誰でも読みやすい、書きやすい表記を採用しましょう。
2つ目の観点:「読み方」からネーミングを考える
次に、「読み方」です。
「読み方」とは、人の五感のうち聴覚から把握される要素であり、ネーミングを読み上げたときに耳から入る態様のことです。
例えば、次の2つのネーミングを比較してみてください。
どちらが記憶に残るでしょうか。
- CORTO MALTESE
- ジョージア
前者は「コルトマルテックス」と読むのですが、カタカナ表記でも舌を噛んでしまいそうです。
ネーミングの候補が決まったら自社内で何度も読んでみて、発音しやすい、聞きやすいネーミングを採用しましょう。
3つ目の観点:「意味」からネーミングを考える
次に、「意味」です。
人は、言葉を意味と対応づけて記憶します。
ネーミングも言葉の一つですから、そのネーミングのもつ意味と対応づけて記憶されます。
これも上記同様に、「意味」の観点から、分かりやすい意味をもつネーミングを採用しましょう。
意味の場合は、他の2つの要素とは違って特別な要素です。
他と区別できる意味、その言葉に対し1つしかない意味、もっといえば他にはないオリジナルの意味をもつネーミングを採用することを検討したいところです。
覚えやすいネーミング8つのチェックポイント
以上をまとめると、3つの要素からみた覚えやすいネーミングのポイントは、次の8つになります。
御社でアウトプットしたネーミングについて、覚えやすいものとなっているかチェックするのに役立つでしょう。
- 1)読みやすいこと
- 2)書きやすいこと
- 3)発音しやすいこと
- 4)聞きやすいこと
- 5)分かりやすい意味であること
- 6)他と区別できる意味であること
- 7)その言葉に対し1つしかない意味であること
- 8)他にはないオリジナルの意味であること
ポイントが多くて大変な気がしてきますよね。
確かに、すべてを兼ね揃えるのはなかなか難しいものです。まずは、どれか一つでも「○○しやすい」を確保できればよし、という気持ちで取り組んでみてください。
それだけでも、ネーミングの覚えやすさが大きく変わるでしょう。