近年、ビッグデータの活用により、ECサービスにおいて「レコメンド」とパーソナルデータの活用が進んでいます。アパレルECサイト向けサイズレコメンドエンジン「unisize」は、消費者に身体情報のパーソナルデータを提供してもらうことで、自動的にお勧めのサイズをレコメンドしてくれる優れたサービスを運営しています。その詳細をご紹介します。
ECサービスでレコメンドとパーソナルデータの活用が進む
ECにおけるビッグデータ活用として、古くて新しいサービス「レコメンド」とパーソナルデータの活用が進んでいます。
ECにおいて新規購入やアップセル(一点あたりの購入単価・利益率を高めること)、クロスセル(一人あたりの購入点数を増やすことで購入金額をあげること)に「レコメンド」機能は有効ですが、より顧客ニーズにマッチしたお勧めには、ユーザーからのパーソナルデータ提供が不可欠です。
しかし、とかくユーザーはパーソナルデータの提供には抵抗を感じるもので、如何に気持ちよくデータを提供してもらうか、事業者としては悩ましいところです。
そんな中、「これは、いいかも!」と目に留まったレコメンドサービスがありましたので、ぜひご紹介したいと思います。
最近リリースされた、アパレルECサイト向けサイズレコメンドエンジン「unisize」の新機能です。
衣服のサイズ悩みをパーソナルデータの提出で解消する「unisize」
試着することができない洋服のネット購入では、サイズ選びが一つのネックです。
そこで、ネット購入の際、より身体に合ったサイズを推奨してくれるサービスはありがたいものですね。
しかし、それでも購入時に毎回、自身の身体情報を入力するのは面倒です。
そこで、さらに一歩進めて、過去に買ったことがあるショップであれば、購入履歴から自動的にお勧めのサイズをレコメンドしてくれるのが、「unisize」の機能です。
「unisize」では今回新機能として、購入履歴を用いることで、閲覧しているアイテムと過去に買った洋服の着丈や身幅の長さに、何cm差があるのかも提示してくれるサービスを発表しました。
着た時のサイズ感が具体的にイメージできて、便利で親切なサービスだと思いませんか?
こんなレコメンドサービスであれば、喜んで消費者は自身の身体情報や購入履歴情報を提供してくれそうです。
パーソナルデータ提供にはサービスの魅力が不可欠
パーソナルデータ提供に対しては、ユーザーが合理的な判断ができるよう、「このデータを提供すれば、こんな嬉しいサービスが受けられる」という、アウトプットとしてのサービス利用イメージとベネフィットが明瞭であることが求められます。
ネット通販の購買履歴などの情報を一括管理する「情報銀行」構想や、買物レシートの電子化を通じた購買履歴データ利活用に関する実験など、政府もパーソナルデータの利活用を後押ししています。
もちろん、情報セキュリティが確保されていることは大前提となります。
ただ、個人に対するデータ提供のインセンティブが、ポイントがもらえるという経済的なメリットだけでは、なんだか、個人情報を換金しているようで抵抗を感じます。
事業者がデータを活用して個人に提供するサービスそのものの魅力が、データ活用推進の「鍵」になるのだと思います。