保険料改訂の4月までに知ってオトク!値上がりする保険・しない保険

節約

 昨年導入された「マイナス金利」を要因として、4月から一部保険商品で保険料の値上がりが観測されています。ただし、保険料の改訂で影響を受ける商品は一部です。影響を受ける保険と受けない保険をしっかり把握し、急いで不要な保険に入らぬよう注意が必要です。本稿では、保険料の改訂がおきるものと、おきないものを明確に提示致します。

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各保険会社の生命保険料が4月から上がる?!

 昨年末頃から、一斉にこんなニュースが飛び交うようになりました。

 「4月から保険料が上がるので、今のうちに入っておいた方が良い。」といった営業を受けた方もいるかもしれません。

 同じ保険に入るなら、保険料は安いほうが良いのは当然です。しかし慌てて加入する必要はあるのでしょうか。

 まずは、この保険料改訂の背景を確認し、契約者はどうすれば良いのか、まとめてみました。

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保険料が上がる要因となる「マイナス金利」

 まず私たちが支払っている保険料は、そもそもどのように算定されているのでしょう。

①予定死亡率

 過去の統計から、年齢別・男女別の死亡率を算定します。

②予定利率

 保険会社も金融機関であり、運用会社です。顧客から預った資金を運用し、利益を得ます。

③予定事業費率

 保険会社を運営するに当たって、人件費や事業所の維持費などは必ず発生します。

 保険料はこの3つの数字から算出されます。生命保険会社が儲けを出すためには、①と③を下げ、②を上げる必要があります。

 なるべく健康な契約者を選んで加入してもらえれば①は下がりますし、事業を効率化し人件費などを抑えることで③も下がります。

 そして、保険会社が持つ資産(保険料)を効率良く運用し、高い利回りを維持できれば②予定利率は上がるのですが、これが今、全社的に下がっていることで、現在の保険料水準を維持できず、「保険料が上がる」ことに繋がるのです。

 その理由は、昨年導入された「マイナス金利」です。

 このマイナス金利政策の影響で、日本国債の利率は大幅に下がりました。

 日本国内生命保険会社の主な運用先となっているのがこの国債のため、運用益が悪化。予定利率の引き下げとなるわけです。

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保険契約者は保険料アップにどう対応すべき?

 今回の保険料改訂で、全ての保険商品で保険料が上がるわけではありません。

 どんな保険に影響があるのか押さえておきましょう。

貯蓄性の高い保険

 個人年金保険や学資保険、終身保険など貯蓄性の高い保険は、4月以降保険料が上がる、商品の販売そのものを中止する、など大きく影響を受けます。

 もし以前から検討していたのであれば、これらの保険は2、3月までに加入したほうが良いと言えます。

 また法人契約の長期定期保険なども、4月以降保険料が上がります。将来の退職金積み立てや、決算対策で保険を利用する場合は、同じく保険料改訂前に検討したほうが良さそうです。

掛け捨ての保険

 定期保険や入院保険、ガン保険などの掛け捨ての保険は、基本変わりません。

 保険会社としては貯蓄性の保険が売りづらくなるわけですから、これら掛け捨ての保険で儲けを出すしかありません。むしろ今後は独自性の高い、ユニークな保険商品の開発が予想されます。

 介護系の商品などのニーズはどんどん高まっていくはずです。

 保険会社には予定利率の低下に負けず、さらに魅力的は保険の開発を期待したいところです。

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保険料の改訂で影響を受ける商品はごく一部

 ここで注意したいのは、貯蓄性と掛け捨てが混在した保険の見直し。

 「新しい魅力的な保障を付けましょう」と提案を受けて保険を見直したところ、せっかく利率が高かった時期の終身保険部分まで替えられてしまった、という事例をたまに見かけます。

 複雑で分かりづらい商品の場合は、きちんと説明を求めてメリットデメリットをはっきり理解したうえで加入・見直しをしてほしいと思います。

 保険料の改訂で影響を受ける商品は一部です。

 また4月以降に高くなるからといって、急いで不要な保険に入る必要はありませんし、「貯蓄性が高いうちに」と身の丈に合わない額の積み立てを開始したものの、環境が変わって払えなくなり早期解約してしまう、といったことでは本末転倒です。

 いずれにしてもライフプランに合った保険選びは必須。中長期的な視野を持って、保険加入を検討したいですね。

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赤井雅

株式会社アセットリンクマネジメンツ
取締役 赤井 雅

1977年生まれ
福島県福島市出身
中央大学商学部卒

〇個人・法人向けファイナンシャルプランニング、リスクマネジメント
〇生命保険・損害保険代理業
〇各種専門家と連携した相続対策
〇住宅ローン取次代理業

こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の赤井です。
国内ではなかなか認知度の低いFPという仕事ですが、欧米では「不動産」「保険」「運用」などの大きなお金が動くときにFPに相談するのは当たり前。

「不動産業者」「保険業者」「証券業者/銀行」などのプロに負けないノンプロを育てる、を理念に掲げて活動しています。

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