プレミアムフライデーが企業にもたらす3つのメリットとデメリット

時事

 2017年2月24日(金)からプレミアムフライデーが始まります。政府が掲げた内需の喚起と働き方改革という2つの目的が果たされるか、大きな注目が集まっています。では、もしも企業がプレミアムフライデーを導入することを検討するなら、どのようなメリットとデメリットが生じるのでしょうか?それぞれを比較し現状を冷静に把握してみましょう。

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ついに来週から始まるプレミアムフライデー

 2017年2月24日からついに政府の定めたプレミアムフライデー制度が始まります。

 毎月の最終金曜日には仕事を15時に終わらせて帰り余暇を楽しむことを推奨する制度です。

 先週は、どのような背景で出来た制度なのか?どんなことが行われるのか?について、「プレミアムフライデー導入の背景とその概要、今月末に行なわれるイベントは?」という記事でご紹介しました。

 本稿では、プレミアムフライデーが導入されることにより生じる、メリットとデメリットをお伝えしたいと思います。

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プレミアムフライデーを導入する3つのメリット

メリット1)消費の拡大に対する期待

 余暇が1ヶ月で半日増えることにより、外食や買い物、旅行を楽しむ時間が増えることが考えられます。

 日本のプレミアムフライデーは毎月最後の金曜日に行われますが、アメリカのブラックフライデー(11月の第4木曜日の感謝祭の翌日(第4金曜日)から一年で最大の大セールが行われます。)では、大安売りにたくさんの買い物客が殺到し、小売店は非常に込み合います。

 このブラックフライデーは、アメリカの小売店が1年で最も多くの売り上げをする日とも言われています。

 日本のプレミアムフライデーは、アメリカのブラックフライデーのように消費者の購買意欲を大きく刺激できるのか、イベント内容が気になりますね。

 経団連に加盟する多くの企業が参加するとしたら、かなりの数のイベントが実施されそうですから、楽しむ内容に関しても選択肢が増えて良いですね。

メリット2)業務の効率化を図るチャンスが生まれる

 休暇が半日長くなれば、それぞれの企業で、これまでよりも仕事を早く終わらせるために、不要な会議をなくしたり、業務の効率化を考えたりすることが予測できます。

 一般的な会社だと繁忙期とされる月末にプレミアムフライデーが行われるのですから、プレミアムフライデーの当日だけではなく、普段から効率的な業務を心がけて就業しておかないとなりません。

メリット3)多様な働き方を導入するきっかけとなる

 これまでの日本には長時間労働を是とする風潮もありましたが、昨今はこれを是正する風潮へ変化を見せつつあります。

 月末のプレミアムフライデーを意識して、普段から業務の効率性を考えるようになると、必然的に効率的な業務をするようになり、働きすぎに対する意識が変わり働き方が変化していくことが期待できます。

 フレックス制度を採用する企業が増える可能性もあるでしょう。

 また、労働時間を短縮することにより、余暇を求める優秀な人材を確保するチャンスも掴める可能性が高まります。

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プレミアムフライデーを導入する3つのデメリット

デメリット1)全業種で一斉に早帰りはできない

 たとえば、流通業界、外食業界、旅行業界などがイベントを実施するという案が出ていることを前提に考えると、これらの業種の人はプレミアムフライデーだからと言って、午後3時に終業するわけにはいかなくなります。

 個人が娯楽を楽しんだり、サービスを消費したりするためにはその提供者が必要です。

 ですから、サービスの提供者となる側にいる人たちは早く帰ることができません。

 これらの業種の人達は労働時間が短縮されるどころか、逆にプレミアムフライデーに業務が増えて、残業する可能性も出てきてしまい、デスマーチフライデーと化す場合もあります。

 また、医療や介護の現場に勤めているならば、プレミアムフライデーだからといって、持ち場を離れて帰宅することはできないでしょう。

 今回発表されたプレミアムフライデーの対象となる地域と業種によると、日本全国のすべての地域、およびすべての業種が対象とされています。

 しかし、これらの業種で仕事をする人たちのように、プレミアムフライデーだからと言って、職業上の理由から早上がりできない人への対策をどのようにするのか検討が必要です。

デメリット2)時給で働く人への補償はどうするの?

 安倍政権の「働き方改革」では、同一賃金同一労働を実現することも重要な課題政策とされています。

 これは「同一の仕事(職種)に従事する労働者には、同一水準の賃金が支払われるべきだ」という概念ですが、実際には今も時給で働く人はかなりの数に上り、これらの人の労働環境改善は前途多難を極めます。

 プレミアムフライデーで早い時間に仕事を終えた場合、時給で働く人はどうなるのでしょうか。

 つまり、労働基準法の会社都合による休業時の休業補償の対象になるのかならないのか?今後の発表を待ちたいと思います。

 企業の側から見れば、休業補償による支出が増えるか否かの影響に注目する必要があります。

デメリット3)月末の金曜日は多忙で非現実的

 会社にもよりますが、一般的に月末の金曜日は諸々の締め日になっていることが多く、ただでさえ忙しい営業日です。

 その忙しい日に、どれだけの人が早く終業できるのか、大いに疑問が残ります。

 総務省統計局の平成27年労働力調査年報によると、月末に業務に忙しく追われている人が多くいることが分かりますので、プレミアムフライデーを月末に行うことに対して、業務が終わらないことなどを理由に賛同できない人も多いとも考えられます。

 また、プレミアムフライデーを導入すると、普段の定時よりもさらに早く終業する必要がありますが、実際にはまだまだ残業が多い企業が多数派であり、実現するのはなかなか難しいという声も聞こえてきます。

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プレミアムフライデーで働き方なんて変わる?

 結論から言うと、プレミアムフライデーの制度が導入されたからといって、働き方が変わる人はごく一部しか出ないと考えられます。

  • 内需を喚起する
  • 働き方改革を推進する

 この両者を一挙両得とするのは不可能であり、どちらかを先に優先して実現すべきだ、という意見も根強くあります。

 経営者の皆様にとってみれば、日曜祝祭日も関係なく精力的に仕事へ励む方も多いでしょうし、なかなか現実感がわかない場合が多いのでは?

 しばらく経過を見た時に、メリットとデメリットのどちらが強く出ているか、再度比較したいと思います。

Photo credit: Instituto Cervantes de Tokio via Visual Hunt / CC BY-SA

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株式会社iCARE

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【住所】 東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー32F
【アクセス】 各線渋谷駅から徒歩5分
【お問い合わせ】
 株式会社ライトアップ 松岡 matsuoka@writeup.co.jp
 株式会社iCARE 片岡 k.kataoka@icare.jpn.com
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iCAREでは企業様向けに「carely(ケアリー)」という健康創出プラットフォームサービスを提供し、従業員のメンタル・フィジカル双方の効果的なケアを通して従業員の健全な「心と身体」を創り、活気あふれる企業へと躍進させる健康経営を実現いたします。

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