新規の顧客を獲得するには、必ずイニシャルコストがかかります。もし、新規顧客を獲得したならば、私達は彼らから親しみが持てて、信頼できる人間とならねばなりません。人間関係においては、相手が親しみを持てる人であり、信頼できるほど、長期的な関係を築こうとする、ザイアンツの法則が働くからです。対面式の道の駅が流行している理由もここにヒントを見いだせます。
新規顧客の開拓にはイニシャルコストがかかる
新規のお客様を集めるには、
- リアルなお店ならば新聞の折込みチラシ
- ネットならばリストを集めてのメルマガ発行
これらの手法を使うのが一般的です。
しかし、どちらの集客方法にも必ずコストが発生します。
チラシの場合は、チラシの制作・印刷費、折込み料が掛かりますし、メルマガの場合には、リスト集めに費用が掛かります。
もちろん、やり方によって大きく変わってきますが、一人のお客様を獲得するのに、平均して8千円から1万円の費用が掛かると言われています。
フェイスブック広告の利用も増えています。
つい最近の事例ですが、セミナー集客にフェイスブックを利用したら、1人の集客に1万1千円の費用が掛かったそうです。
このように、新規の集客には必ずイニシャルコストがついて回るものです。
興味を持つお客様の生涯顧客価値を高めよう
でも、費用を掛けて獲得したお客様を放っておくと、年に25%のお客様が脱落すると言われています。
脱落してしまう一番の原因は、その店のことを忘れてしまうこと。
イニシャルコストをかけたにも関わらず、実にもったいないことです。
せっかくですから、コストをかけて集めたお客様とは、生涯に渡ってお付き合いしたいものです。
あなたが、そのお客様に信頼されており、そのお客様の役に立っていれば、そのお客様はあなたと付き合い、あなたの商品を買い続けてくれるのです。
このような信頼関係を下に、ある一人の顧客が生涯に渡ってあなたにもたらしてくれる価値、これは生涯顧客価値と呼ばれており、これを高めることがビジネスでは不可欠だと言われています。
そして、この生涯顧客価値を高めるには、次の3つのことが必要になります。
- 1:あなたに対して信頼感を抱いてもらうこと
- 2:お客様に役立つことを提供し続けること
- 3:お客様同士の交流の場があること
いずれも、顧客との長期的な関係を築き、信頼されるためには不可欠なことばかりです。
慣れ親しむ人ほど信頼する「ザイアンツの法則」
ところで皆さんは「ザイアンツの法則」をご存知でしょうか?
それは、次のような法則です。
きっと、あなたも実感しているところだと思います。
- ・人間は、知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする。
- ・人間は、会えば会うほど好意を持つようになる。
- ・人間は、相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになる。
相手に信頼してもらうには、相手に親しみの感情を持ってもらう必要があり、もっと言えば、あなたの人間的な側面を知ってもらう必要があります。
これを実現するのに効果的と言われているのが、次の3つの話題をテーマにすることです。
- ・子供時代の話(小学生くらいまで)
- ・自分の失敗談(あくまでの事実)
- ・家族の話(妻、夫、子供、親兄弟、ペット)
このようなことの他に、趣味の話、最近印象に残ったことなどを、ニュースレターやメルマガなどで発信していくのは、ザイアンツの法則に則った行為です。
これを自己開示と言います。
自己開示は頻度が多ければ多いほど、親しみを抱いてもらえると言われています。
親しみを感じてもらうことは大切ですが、それだけでは信頼してもらえません。
約束を守る、迅速な対応をするなど、ビジネスの基本を徹底することが大切なことは言うまでもありません。
その上で、お客様があなたの商品を購入してくれたなら、それはその商品が、自分にとって価値があると納得している証拠です。
お客様に商品を買っていただくには、お客様を教育して、その商品の価値を知っていただくことが必要です。
つまり、販売=教育なのです。
ネットの時代に道の駅が流行っている理由は?
あなたの商品やあなたからの情報が、お客様の役に立つことでなければ、お客様との関係は途切れてしまいます。
私の知合いの年商4億円の街の電気屋さんは、お客様のお宅を定期的に訪問して、お客様の困っていること、お客様の生活がもっと快適になることを提案し、お客様と長い付き合いを持続しています。
ただ単に次々と新製品を紹介するのならば、「あの電気屋はいつも商品を押し付ける」という気持ちにさせてしまいますが、彼らはお客様のどんなに小さな悩みでも、それに応えることで生涯顧客価値を高め続けています。
あくまでも、お客様視点から考えて、お客様に役立つことは何だろうと考えることがポイントです。
いくら孤独が好きだと言っても、人間は本質的に寂しがり屋であり、人と人との交流を求めています。
また、クリック一つで何でも買うことができ、しかも自宅に届けてくれるサービスが行き届いている時代にも関わらず、ネットとは対極な存在である朝市には大勢のお客様が来ます。
なぜでしょうか?
お客様は便利さだけでなく、人との触れ合いや交流を求めているからだと思います。
交流の場として会員制度があります。
私の知合いの自転車屋さんは、会員制度を導入して、定期的に自転車によるツーリングを楽しんでもらっています。
このような会員制度を導入して、交流のためのイベントを行うほかに、ネット上に会員ページを設置して交流してもらう、ニュースレターにお客様交流コーナーを設けるなどの方法が考えられます。
いずれにしても、お客様との一生涯のお付き合いができるようになることは、ビジネスの醍醐味です。