多くの経営者は、将来に対する不安がつのりがちで、少しでも不安を無くしたいと考えようとします。不安をなくすためには、「今、この瞬間に自分が未来を決めている」という事実を知る必要があります。英語で「現在」を意味する、present という言葉から、その真実を私達は理解できます
多くの経営者が感じる将来への漠然とした不安
経営者の相談者のお話を伺っていると、「なんか将来が不安で。。。」という言葉をよく耳にします。
そして、「どうしたら不安を無くせますか?」と聞かれることもあります。
私も不安です。この先どうなるんでしょう。
不安になるのは、未来に対してです。未来はまだ起こっていないことです。
どうしたら、この漠然とした不安を拭えるのか、ちょっと考えてみましょう。
将来がどうなるかは今この瞬間に決まってる
私たちは、今、この瞬間、「現在」を生きています。実は、今、この瞬間は、実は、だいぶ前からこうなることが決まっていたのです。
たとえば、あなたが美容師だとします。
今、目の前にいる新規のお客様は、
数週間前に、あなたのお店の広告を見たか、だれかの口コミで、このサロンに来店することを決め、
数日前に予約の電話を入れ、今朝、「今日は美容サロンに行く日だ」と確認して身支度をし、
数時間前に交通機関を使ってこの店に向かい、数分前にサロンの扉を開けて、数秒前に目の前に座りました。
途中、いろいろな出来事や選択肢があり、判断をして、今、お客様は、目の前に座っています。
お客様が、目の前にすわっているという現在は、ずっと前から始まっていたことだったのです。
英語で「現在」を意味する“present ”に込められた意味
もう一つ、例をあげましょう。
誰かが、川の上流の橋の上から、ボールを川に投げ入れ、そのボールが川を流れ、流れ、流れて、今、あなたはそのボールを拾いました。
つまり、あなたがボールを拾うという「現在」は、橋の上からボールを投げいれた瞬間(ずっと前)から、始まっていたのです。
さて、英語では「現在」のことを present と言います。
この単語を分解すると、
pre+sent
という言葉になります。
preには「あらかじめ」という意味があります。
sentには「送られた」という意味です。
つまり、現在は、既に、あらかじめ、送られたものなのですね。
現在は、もう、だいぶ前から決まっていた・・・。
対して、私たちは、今、ここにある自分を、生きることしかできません。
今、ここにある、自分を生きることによって、知らず知らず、未来を決めているってことですね。
この先どうなるか、未来が分からないから不安になるとしたら、こう考えて見てはいかがでしょうか。
「未来は、今この瞬間に決めている」ってこと。
過去でもなく、未来でもなく、今、ここにある自分を、一所懸命生きることしか、私達には出来ないのです。
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