勤め人のモチベーションは、やりがいや楽しさの有無次第で大きく左右され、優秀な人材を確保するうえでも「ダイバーシティ(多様性)」の尊重が当たり前となっています。そこで本稿ではユニークな勤務形態や人事制度を設けている6つの企業をご紹介します。いずれもやりがいや楽しさが、結果として節約につながっている好事例です。
勤務形態や人事制度が企業の魅力に繋がる時代
勤め人のモチベーションは、やりがいや楽しさの有無次第で、経営者が思う以上に大きく左右されます。
そもそもモチベーション以前の問題として、優秀な人材を確保するうえでは「ダイバーシティ(多様性)」を尊重することが当たり前になっています。
近年これらを踏まえて、ユニークな勤務形態や人事制度を設けることで、企業の魅力を高め優秀な人材の獲得につなげているケースが増えています。
そこで本稿は、ユニークな勤務形態や人事制度を設けている5つの企業をご紹介しようと思います。
いずれも思いもよらない柔軟な制度なので、きっと御社の取り組みにも参考となるはずです。
ユニークな勤務形態や人事制度で節約を実現する5つの企業
1)未来工業株式会社:会社に提案で500円ゲット!
皆様もご存知かと思います、「日本一のホワイト企業」とも称される製造業の未来工業の取り組みをご紹介します。
未来工業では、業務に関する取り組みや社内制度など企画を「提案」すると500円を支給され、更に採用されれば3万円が支給される制度があります。
普通の企業だと、現場の業務で改善できる点があっても上に退けられて、結局不満を抱えたまま生産性が低いという風景が多く見られますが、未来工業では、そのようなことは見られないようです。
カンブリア宮殿でも紹介された、
- 作業服は自由に決められる
- 営業にノルマが無い
- 1日の労働時間は7時間15分
- 年間休日は140日消化が義務付けられる
など、社員にうれしい制度がそろっています。
2)株式会社スタートトゥデイ:6時間労働の「ろくじろう」
ファッション通販サイト・ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイでは「ろくじろう」と称して6時間労働制を採用しています。
8時間労働という常識を変え、働きすぎな日本人に新しい働き方を提案することを目的とした制度です。
とはいえ、単に6時間で帰宅して良いわけではなく、生産性を落とさずに効率の良い仕事をした場合に、6時間労働で帰れることになります。
チーム全員の仕事が終われば15時に帰宅できますが、もし仕事が終わらない人がいた場合は、全員で助け合って仕事を終わらせなければなりません。
仕事の本質が「目的を達成すること」であることを社員の皆さんも自覚できますし、チーム一丸となって無駄な残業代を節約できる良い勤務形態ですよね。
3)株式会社ウェブシャーク:出社と退社の時間は自由「ワークスタイル2.0」
電子商取引(Eコマース)支援事業をメインに行い、米国ファニチャーブランド「Yogibo」の輸入ライセンスも取得しているのが、ウェブシャークです。
同社では、出社時間と退社時間を決めない勤務形態を「働き方の進化系」と位置づけ、「ワークスタイル2.0」と称する制度として導入しています。
この制度も社員から「時間を切り売り」する概念をとっぱらい、成果を出すことに意義を感じさせる勤務形態と言えます。
4)面白法人カヤック:社員全員が人事担当「ぜんいん人事部」
Webキャンペーン・プロモーションの企画・制作、アプリ・ゲームの開発を行う面白法人カヤック。
面白いのは名前だけではありません。
人事採用面の面白い制度として、今回は「ぜんいん人事部」という人事制度をご紹介します。
カヤックでは、社員全員が人事を兼任することで、自分が一緒に働きたい仲間を探してきて面白い環境を作ることが可能です。
人事である社員全員には「ファストパス」が配られ、それを受け取った人は書類選考を免除されます。
余計な工数が掛からない分、なんと社員の紹介による面接数は2倍に増え、中途採用社員の採用コストが25%も削減できたといいます。
面白いことが節約につながった人事制度の好事例と言えるでしょう。
5)株式会社サイバーエージェント:「キャリチャレ(キャリアチャレンジ)」
AmebaブログやAbemaTVを開発する株式会社サイバーエージェントも、ユニークな社内制度を多数企画していることで有名です。
今回ご紹介するのは、キャリチャレという制度です。
この制度は、勤続年数1年以上経過した社員が年2回の1月と7月に、希望する他部署やグループ会社に異動を申し込めるものです。
入社後も自分にベストな役割を模索できるなんて、やりたいことをやれるのがモチベーションにつながる社員にとってはうれしい限りです!
「自分のやりたいことがないから会社を辞める!」という人を少なくすることで、採用コストを節約できますし、「人財」のストックにもつながる人事制度といえますね。
やりがいや楽しさが自然と節約に繋がっていく
企業風土や業種業態、社長の考え方によって、どのような勤務形態や人事制度を取るかはまちまちです。
どれが正解ということは無いでしょうし、同じ取り組みにチャレンジしても上手くいかない可能性もあります。
ただ、「楽しい」とか「やりがいがある」と社員が感じることは、生産性をあげる要因となり、ひいては節約につながることを、上記にあげた事例は実証しています。
あなたの会社でも、社員がやりがいや楽しさを感じる勤務形態や人事制度を取り入れてみませんか?