取引先とやりとりをする際に「請求書」を作成することになりますが、現代では請求書を「クラウドサービス」で作成することができます。
これまでは、請求書作成ソフトで作成していた方も多いかと思います。
クラウド請求書作成サービスの中でも有名なサービスが「Misoca」と「マネーフォワード クラウド請求書」の2つになります。
本記事では、この2つのクラウド請求書作成サービスについて、詳細を解説していきます。
Misocaとは?
Misocaは、大手クラウド会計ソフト会社である「弥生会計」が提供するクラウド請求書作成サービスです。
個人事業主やフリーランスはもちろんのこと、法人でも利用することが可能です。
紙ベースで管理していた請求書をすべてクラウド上で処理できるので、請求書作成の手間を大幅に減らすことが可能になります。
Misocaの機能
Misocaは下記の機能を搭載しています。
- 見積書、納品書、請求書、注文書、領収書、検収書の作成
- 請求書の自動作成予約、自動メール送信
- 請求書の郵送
- 見積、入金のステータス管理
- 回収代行、回収保証サービス
見積書、納品書、請求書、注文書、領収書、検収書の作成
Misocaでは、見積書、納品書、請求書の他にも、注文書、領収書、検収書の作成も可能です。
ビジネス使用からカジュアル使用まで。全13種類からテンプレートを選択して作成することができます。
請求書の自動作成予約、自動メール送信
請求書を指定日に自動で作成する機能が搭載されており、自身で入力する手間が省けます。
また、作成された請求書を自動でメール送付することも可能です。
請求書の郵送
作成した請求書を印刷して、発送するまでワンクリックで完了させることができます。
オフィスで印刷して封筒入れする手間を省くことができ、請求書の送付ミスを防ぐごとが可能です。
請求書の郵送代行は1通あたり160円(税抜)となります。
見積、入金のステータス管理
これまではエクセルで個別に管理していた見積、入金過程をMisocaで一括して管理することができます。
各帳票ごとに管理することが可能で、煩雑だった帳票管理を楽にできます。
回収代行、回収保証サービス
口座振替サービスでは、取引先から回収する代金を、口座振替を利用してMisocaが代わりに回収してくれます。
利用の際は、企業の財務状況などに関して簡単な審査が行われます。
請求件数は1件から利用可能です。
回収保証サービスでは、Misocaで発行した請求書に対して、売掛金の回収保証を加えることができます。
取引先の倒産などによって売掛金が回収できなくなっても、Misocaがその損失分を補填して支払ってくれます。
あまり取引実績のない相手や取引額が大きいときなどに利用して、リスクをコントロールすることが可能です。
Misocaを利用するメリット
Misocaを利用するメリットとして、下記の点が挙げられます。
- 見積書、納品書、請求書を1分で作成できる
- 請求書の発送コストを削減できる
- 請求、回収漏れを防げる
- 売上レポートを自動作成
- 会計ソフトと連携して利用可能
見積書、納品書、請求書を1分で作成できる
見積書や納品書からワンクリックで請求書に変化数することができ、別個に書類を作成する必要がありません。
また、複数の納品書を合算して請求書を作成することもできます。
自動で請求書を作成することも可能で、余計な時間をかけずに書類作成を進められます。
請求書の発送コストを削減できる
請求書関連で意外とかさんでしまうのが「発送コスト」です。
通常、請求書を発送する際は「印刷代」「切手代」「封筒代」のコストが発生します。
手間という面も考えると「ポストへの投函」も労働力のコストがかかります。
Misocaを利用すれば、郵送代行サービスで手間をかけずに発送手続きを終えられます。
印刷代や切手代などのコストが不要になるため、発送コストをトータルで減らすことが可能です。
Misocaを導入した企業の中には、最大で90%の発送コスト削減に成功したところもあります。
請求、回収漏れを防げる
請求状況などのデータは社内で共有できるので、部署を跨いで状況をチェックすることが可能です。
同じ情報を共有することで、伝達ミスを減らすこともでき、効率的な企業運営を実現できます。
売上レポートを自動作成
請求書のデータは、自動的に売り上げレポートに反映されます。
レポートはグラフで表示され、視覚的に状況を確認することが可能です。
前年同月のグラフも表示されるので、現在の企業運営が適切かどうかチェックすることもできます。
会計ソフトと連携して利用可能
データを移行させたり、手入力する手間を省くことができ、経理作業を円滑化することができます。
提携している会計サービスは下記のものになります。
Misocaのカスタマーサポート
Misocaでは、はじめて利用する人でも安心して使えるよう、各種カスタマーサポートが充実しています。
カスタマーサポートは以下の3つに分かれています。
- 電話サポート
- メールサポート
- チャットサポート
電話サポート
電話サポートでは、Misocaの操作方法や設定方法などを直接オペレーターに質問することができます。
Misocaのオペレーター数は業界最大規模ですので、電話も通じやすい環境です。
メールサポート
メールサポートでは、24時間365日、自分の好きなタイミングで質問することが可能です。
営業時間中に送ったメールは当日中に返信されます。
営業時間外のメールに関しては、翌営業日に返信が行われます。
チャットサポート
チャットサポートは、「電話で済むほど簡単な内容ではないが、メールで長文を送るほどでもない」質問をしたい際に便利です。
サポート担当者とチャットを通じて、会話形式で質問ができます。
メールよりも対応スピードが速いので、急ぎの質問の際にも便利です。
Misocaはセキュリティも万全
Misocaでは、「Amazon Web Services(AWS)」と呼ばれるセキュリティシステムを採用しています。
AWSは、通販最大手のAmazonが提供しているサービスで、セキュリティが充実したクラウドプラットフォームとして知られています。
また、各種データを自動でバックアップしてくれる機能もあり、パソコンなどのハードウェアが故障してもデータを失うことはありません。
Misocaの料金プラン
Misocaの料金プランは、「プラン15」「プラン100」「プラン1000」の3つに分かれています。
プラン15
(個人事業主、小規模法人向け) |
プラン100
(中規模法人向け) |
プラン1000
(大規模法人向け) |
|
年額料金 | 8,000円(税抜) | 30,000円(税抜) | 100,000円 |
月額料金 | 800円 | 3,000円 | 10,000円 |
月間請求書作成数 | 15通まで | 100通まで | 1,000通まで |
上限を超えた請求書の作成料金 | 1通あたり70円 (月あたり最大1,000通まで) |
1通あたり70円 (月あたり最大1,000通まで) |
ー |
見積書作成 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
納品書作成 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
取引先登録 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
同時利用人数 | 2名まで | 5名まで | 30名まで |
Misocaでは、2021年3月31日(水)までに年額契約を申し込むと、各プランの初年度基本料が「無料」になります。
月額契約の場合は、基本料金無料の対象外になるので注意してください。
各プランの月間請求書作成数を超えた請求書の作成、郵送代行などの各種オプションにかかる料金は別途発生します。
マネーフォワード クラウド請求書とは?
マネーフォワード クラウド請求書は、大手クラウド会計会社の1つである「マネーフォワード」がリリースしているクラウド請求書作成サービスです。
飲食、不動産、Webサービス、小売など様々な業種の法人に選ばれて利用されています。
マネーフォワード クラウド請求書は、個人事業主向けというよりも、法人向けの色が強いですね。
マネーフォワード クラウド請求書の機能
マネーフォワード クラウド請求書は下記の機能を搭載しています。
- 見積書、納品書、請求書、領収書の作成
- 請求書の自動作成
- 請求書の郵送、送信
- クラウド上での書類管理
- 一括操作機能
見積書、納品書、請求書、領収書の作成
マネーフォワードでは、見積書、納品書、請求書、領収書の作成が可能になっています。
プレビュー画面を見ながら取引先や品目を検索・選択するだけで簡単に書類作成が可能となっており、エクセルなどの従来の表計算ソフトよりも直感的な操作性を実現しています。
請求書の自動作成
あらかじめ請求書のひな形を登録することで、請求書を自動作成することも可能です。
ひな形の作成・登録も項目ごとに入力・選択を行うのみで完了するので、余計な手間をかけることもありません。
請求書の郵送、送信
作成した請求書は「メール」もしくは「郵送」で送付することが可能です。
メール送信の際は、別個でメールサービスを開く必要がなく、マネーフォワード クラウド請求書から直接PDFをメールで送信できます。
送信したメールは履歴が残るので、あとから送付漏れがないか確認することも可能です。
マネーフォワード側が郵送を代行してくれるので、封筒・切手などを用意する必要もありません。
クラウド上での書類管理
マネーフォワード クラウド請求書で作成した請求書は、自動的に一覧表に反映されます。
また、各請求書にタグ付けをすることもでき、見たい時に簡単に検索することが可能です。
紙ベースで保管していると、請求書を探すのにも一苦労ですが、クラウド請求書であればそのような労力はかかりません。
一括操作機能
エクセルなどの表計算ソフトの場合、各データを1個ずつコピー&ペーストするなど、手間のかかる作業が多いですが、マネーフォワード クラウド請求書ではこのような反復作業を一括で完了させることができます。
請求書をメールで送信する際も、1通ずつファイルを添付する必要がなく、請求書を選択して宛先を確認すれば一括で送品可能です。
マネーフォワード クラウド請求書を利用するメリット
マネーフォワード クラウド請求書を利用するメリットとして、下記の点が挙げられます。
- 自動作成で請求業務を短縮
- ITに強くなくても使いこなせる
- ユーザーごとに応じた権限管理が可能
- 毎月の請求書を自動で定期発行
- 「マネーフォワード クラウド会計、確定申告」との連携が可能
自動作成で請求業務を短縮
請求書などの各書類は、必要事項を入力、もしくはデータをアップロードするだけで自動で作成が完了します。
請求書のパターンも登録することができるので、毎月請求書の作成にかけていた時間を短縮することができます。
ITに強くなくても使いこなせる
マネーフォワード クラウド請求書は、IT分野の知識がなくても使えるよう、操作が単純化されています。
表計算ソフトのように、複雑な関数を組む必要もありません。
ユーザーごとに応じた権限管理が可能
マネーフォワード クラウド請求書を利用できるメンバーを追加できたり、複数人の間で同じデータを共有することが可能です。
また、「閲覧のみ可能」「編集・閲覧の両方が可能」など、ユーザーごとに権限を分けることもでき、データ管理の階層分けが可能になっています。
毎月の請求書を自動で定期発行
毎月請求書を発行し直す必要がありません。
請求内容に変更がある場合も、入力内容を変えるだけで引き続き定期発行が可能です。
「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」との連携が可能
請求書を送付すると同時に、マネーフォワード クラウド会計・確定申告に売掛金の仕訳が自動的に反映されます。
入金時にマネーフォワード クラウド会計・確定申告側で消込処理を行えば、マネーフォワード クラウド請求書側のステータスが連動して、「入金済み」の反映が行われます。
片方のツールで処理を行えば、もう片方のツールで処理を行う必要はないので、売掛金管理の手間を減らすことが可能です。
マネーフォワード クラウド請求書の料金プラン
マネーフォワード クラウド請求書の料金プランは、「法人向け」と「個人事業主向け」に分かれています。
法人向けプラン
スモールビジネス
(小規模法人向け) |
ビジネス
(中規模法人向け) |
エンタープライズ
(大企業、上場企業向け) |
|
基本料金(年額) | 35,760円 (1ヵ月あたり2,980円) |
59,760円 (1ヵ月あたり4,980円) |
要問合せ |
基本料金(月額) | 3,980円 | 5,980円 | |
決算書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
銀行・クレジット明細の自動取込 | 〇 | 〇 | 〇 |
部門登録 | 2部門まで | 無制限 | 無制限 |
仕訳の承認機能 | × | × | 〇 |
振込データの作成 | × | 〇 | 〇 |
請求書作成メンバーの追加 | 3名まで | 無制限 | 無制限 |
請求書の郵送 | 1通あたり180円 | 1通あたり170円 | 1通あたり170円 |
郵送、メール送信の一括操作 | × | 〇 | 〇 |
個人事業主向けプラン
パーソナルミニ
(副業で確定申告をする方向け) |
パーソナル
(自営業、個人事業主として確定申告をする方向け) |
パーソナルプラス
(電話によるサポートを受けたい方向け) |
|
基本料金(年額) | 9,600円 (1ヵ月あたり800円) |
11,760円 (1ヵ月あたり980円) |
35,760円 (1ヵ月あたり2,980円) |
基本料金(月額) | 980円 | 1,280円 | ー |
銀行・クレジット明細の自動取込 | 〇 | 〇 | 〇 |
消費税集計機能 | × | 〇 | 〇 |
請求書の毎月自動作成 | × | 〇 | 〇 |
回収消込表 | × | 〇 | 〇 |
請求書の郵送 | 1通あたり190円 | 1通あたり170円 | 1通あたり170円 |
郵送、メール送信の一括操作 | × | 〇 | 〇 |
取引先の登録数 | 15件まで | 上限なし | 上限なし |
マネーフォワード クラウド請求書:個人事業主向けプランはこちら
サポートの充実度はMisoca、プランの豊富さはマネーフォワード
Misocaとマネーフォワード クラウド請求は両者ともに、請求書や納品書、領収書などを簡単に自動作成することができます。
機能面ではそこまで大差はないのですが、サポートの充実度、プランの豊富さの面では差があります。
起業したばかりで、請求書作成に不安がある場合に心強い味方になります。各プランにサポートがついているので、別途料金を支払う必要もありません。
法人向けプラン、個人プランの中から、自身の事業規模に応じてプランを選ぶことが可能です。
個人事業主の方であれば、利用しなくても良い機能があるかと思いますので、料金の低いプランを選んで費用を抑えることもできます。
使い勝手を確かめるために、まず両者のサービスをお試しで1ヵ月ほど使ってみるのも1つの手です。
画面表示やレイアウトの好みが分かれることもあるので、実際に目で見て、使ってみて確かめておけば、納得した選択ができるかと思います。
まとめ
Misoca、マネーフォワード クラウド請求書を使えば、煩雑な請求書作成業務を簡単に、自動で行うことができます。
請求書作成にかけていた時間を他の業務時間に回すこともでき、経営の効率化にもつながります。
まだMisoca、マネーフォワード クラウド請求書を導入されていない場合は、これを機に是非、導入することをおすすめします。