「忙しい」「時間がない」アピールをする言動は、心理学の世界において「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれています。セルフ・ハンディキャッピングに嘆く方が抱える問題の本質は、「他人からの拒絶」を極端に怖がることにあります。どうすれば、このような心理状態を緩和できるのか考えてみましょう。
なぜ人は必死に「忙しい」アピールをするの?
「やらなくちゃならないことが多すぎる!」
「ああ、時間がない!忙しすぎる!」
ビジネスマンなら誰しもこのように考える時があるでしょうし、周りでも口癖のようにこれらの言葉を発している方っていらっしゃいませんか?
今日は「忙しい」という人の心理状態と、その心理状態を緩和するための解決策をご紹介したいと思います。
「忙しい」アピールの背景にあるセルフ・ハンディキャッピング
「忙しい」「時間がない」アピールをする言動は、心理学の世界において「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれています。
セルフ・ハンディキャッピングに嘆く方が抱える問題の本質は、『ほとんどの場合「○○」に対する恐れがあるから』と言われています。
さて、「○○」って何だと思いますか?
答えは、「他人からの拒絶」です。
時間がないと嘆いている人の心理状態は「他人からの評価が下がることを恐れる気持ち」「人に断られるのが怖い」というものである場合が多いのです。
他人に嫌われるのが怖いだけですから、嫌われないための逃避行動として「忙しい」「時間がない」という言い訳の言葉を繰り返してしまいます。
大抵の場合、セルフ・ハンディキャッピングを抱えている方は、忙しいと言いながら、ネットサーフィンしたり、今やる必要がないことをやってみたりすることが多くなりますが、これも逃避行動の一種です。
これらの行動、自分自身の行動で思い当たったり、誰かに見かけたことはありませんか?(笑)
セルフ・ハンディキャッピングを緩和する方法
セルフ・ハンディキャッピングについて、自分にもし心当たりがあったり、部下にその傾向が見られる時は、どのように対応すれば良いでしょうか?
まず自分にセルフ・ハンディキャッピングの傾向が見られる場合は、人に対して笑顔でノーと言うことを心がけてみましょう。
絶対不可欠でない仕事にノーと言うだけで、時間管理の問題は殆ど解決するのだそうです。
部下がセルフ・ハンディキャッピングの場合、仕事が不効率に進むことが多いでしょう。
しかし、デキなかったことを攻め立てると、相手の心は更に追いつめられて、仕事もこれまで以上に不効率なものとなり、おまけに今までよりひどい不条理な言い訳を考えるようになります。
人には誰しも「承認欲求」がありますから、まずはデキたことを褒めてあげて、デキなかったことは具体的な解決策と共に教えてあげ、次回やってみるよう、繰り返し促してあげましょう。
人の心って面白いものですね。