梅雨時期や真夏にかけて体調を崩しやすい人が多いのは、大気の湿っぽい空気を皮膚呼吸で取り込むことによる自律神経の乱れに、大きな原因があると言われています。そこで本稿では、夏に起こりやすい関節痛や腰痛、膝痛への対処方法や、自律神経に大きな影響を及ぼす汗腺の鍛え方についてご紹介したいと思います。
夏の湿っぽい大気は体調に大きな影響を与える
梅雨時や真夏の湿っぽい大気は、関節に故障のある人には特に鈍痛を感じます。
なぜなら、人間は皮膚呼吸をしていて、体細胞に酸素を取り込んで生きているからです。
例えば、全身にコールタールを塗られたら、一生懸命に口から呼吸しても酸素の供給が追いつかず、間もなく死んでしまうほど、皮膚呼吸は重要です。
従って、体外の空気環境も人間にとって大変な影響を与えるのです。
頻繁に膝や腰に怪我や炎症を起こしている人が、嵐や台風を予測出来ると言っているのを聞いたことがありませんか?
大気の湿っぽい空気を皮膚呼吸で取り込んだために、毛細神経が刺激され、関節痛の特に膝や腰の神経を刺激して鈍痛が起こり、来るべく天気の荒れを察知しているのです。
日本にいると梅雨時に必ず喘息がひどくなる人が、空気のカラッとしたハワイに移住したところ完治したという例があります。
高温多湿の時期でも簡単に行える体調管理方法
高温多湿の時期には、どうしても非行動的になり、上半身の筋肉は緩んで体重は増加してしまいます。
腰椎骨を支える筋肉の中心は起立筋と言い、読んで字のごとく立っている時の腰椎横の筋肉ですが、この筋肉は立つ動作や歩く動作によって発達・維持出来るのに、そのような運動をしないでデスクワークだけを長時間続けると退化してしまうのです。
人間はじっと同じ姿勢をしていると、使用する筋肉が緊張し、三大疲労物質である乳酸やミオグロビン、クレアチンキナーゼといった物質を停滞させ、神経を刺激して違和感や鈍痛を引き起こします。
目を閉じて深い腹式呼吸をし、体の中で気になる部分があれば、そこは危険信号を送っている所です。
内臓だったら両手をすり合わせて5分ほど当てることで、血流が促進されリンパの流れを良くします。リンパの流れが良化すると、疲労物質が除去されるのです。
腰痛だったら足を肩幅に立ち、気持ちのいい方向に30~50回ほど回すだけでもいいのです。
膝痛だったら、椅子に座ったまま自転車のペダルをこぐように50回ぐらい空中自転車こぎをするだけでも、疲労物質を送り出すことが出来ます。
どうしても、仕事の目標達成に頭を奪われ、体の疲労サインに気づかない社長や管理職の方は、1時間に一回は会社の階段を上って屋上に行くとか、社員の仕事ぶりを見に行きついでに檄を飛ばして、帰ってからディスクワークに戻りましょう。
自律神経を整え体温調整と紫外線対策を行おう
梅雨が開けてしまうと、今度は夏日という30度を超す日々が訪れます。
人間の恒常性機能は誰にも備わっていて、暑い時には汗をかいて体温調整をするようになっていますが、余りの突然の温度差と、湿気から乾燥への大気の変動で自律神経の反応が遅くなるのです。
普段、散歩や軽い運動をしている人は汗腺が開いて温度調節が出来るのですが、日常生活でほとんど汗をかくことがない人は、自律神経が異常を来しやすく、体温調節が出来にくくなっていて、熱が体内に滞り体のだるさを感じて仕事に集中出来ません。
運動嫌いで汗腺が開いていない人は、仕事帰りにサウナや岩盤浴、ラドン温浴にでも行って、汗腺を開いて汗をかけるようにしましょう。
新陳代謝が促進されて、若返って行動的になりますよ。
もう一つ、梅雨明けから真夏日への転換期に注意することは、紫外線から目と皮膚を守るということです。
若者達のファッション的日焼けは、年齢のいった人や管理職には、この時期には害になります。
日本のこの時期の紫外線はかなり強烈なので、直射日光を見たり当たったりすると、眼病や網膜炎症や皮膚がんを起こす危険性があります。
見た目の逞しさを強調したいとか、日照不足による骨格の病気が心配な社長や管理職の方は、夏前後の穏やかな紫外線を浴びるか、真夏だったら必ず日陰か木陰で日光を30分程度浴びて、自律神経を調整して下さい。