人工知能(AI)の進化には目を見張るものがあり、特定の分野では既に人間の能力を凌駕し始めています。「AIはどこまで人間の仕事を代替するのか」と気になる方もいらっしゃることでしょう。そこで本稿は、AIで代替可能な職業10選・AIで代替されにくい職業10選を比較しながら、AIが発達する未来に人間が仕事で担う役割を考えてみます。
AIはどこまで未来の人間から仕事を奪うのか?
最近のITに関するバズワードの中で最も注目を浴びているもののひとつは、やはり「AI(人工知能)」でしょう。
このところの人工知能の進化は目を見張るものがあります。
2016年3月に行われた、Googleの「AlphaGO」と名付けられたAIプログラムと、世界トップレベルの韓国人棋士、イ・セドル氏との5番対決が、4勝1敗でAlphaGOの圧勝に終わったことは、世界に大きな衝撃を与えました。
「AI」とは端的に言えば「コンピュータプログラム」ですが、高度なデータ分析により、自ら学習しどんどん賢くなっていくプログラムです。
単に一定の業務を実行するのではなく、人工知能と言われるように、ものごとについての理解・解釈・判断を行うことのできる「知能」を備えています。
AlphaGOの勝利に見るように、AIは様々な分野において人間の知能を凌駕するようになってきています。こうなってくると気になるのが、「AIはどこまで人間の仕事を代替するのか」ということでしょう。
人によっては、「AIは私の仕事を奪ってしまうのだろうか?」と不安になってらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
AIで代替可能な職業10選を見ればわかること
野村総合研究所では、英オックスフォード大学との共同研究において国内601種類の職業について、それぞれ人工知能や、人工知能を搭載したロボット等に代替される確率を試算しています。
この研究によれば、今から10~20年後には、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、AIやロボット等に代替される可能性が高いとの結果になっています。
しかも、日本、英国、米国の3カ国において、AIやロボット等が代替する可能性が高い労働人口の割合を比較すると、日本49%に対し、英国は35%、米国が47%と、日本が最も高くなっています。
では、上記研究結果から、「人口知能やロボット等による代替可能性が高い職業」から、私たちが普段馴染みのある10職業をご紹介しましょう。
- 1:医療事務員
- 2:受付係
- 3:新聞配達員
- 4:ホテル客室係
- 5:銀行窓口係
- 6:警備員
- 7:路線バス運転者
- 8:タクシー運転者
- 9:スーパー店員
- 10:宝くじ販売員
これらの職種を見ると、AIにとって替わられる職業は、基本的にはイレギュラーな要素の少ない、定型的な業務内容であることが共通していますね。
また、路線バスやタクシーの運転者は、自動運転の技術の進展によって代替可能になる職業かと思います。
AIで代替されにくい職業10選に選ばれたのは…
一方、AIやロボット等に代替されにくい職業を同じく10個挙げます。
- 1:アナウンサー
- 2:外科医
- 3:コピーライター
- 4:マーケティング・リサーチャー
- 5:インテリアデザイナー
- 6:アロマセラピスト
- 7:雑誌編集者
- 8:ファッションデザイナー
- 9:フラワーデザイナー
- 10:医療ソーシャルワーカー
上記の職種は、高い水準の「創造性」が要求されたり、また生身の人間を相手にした、臨機応変な対応が必要なものです。
こうして、AIに代替される可能性が高い職業と、可能性が低い職業を比較してみると、非定型の業務が含まれ、柔軟な対応が要求される職業、新たなアイディアを生み出すような創造性が要求されるかどうかが、AIに仕事を奪われる可能性を決めるのだと言えます。
AIと協調して自分を仕事で生かすためのスキル
実のところ、どんな職業にも非定型業務が含まれています。
従って私は、AIが全てを取って代わるのではなく、AIと人間が協調しながら仕事を進めていく、という形が未来の働き方になるのと考えています。
となると、AIに仕事を奪われないためには、単純な定型業務ではなく、非定型業務で、臨機応変に対応できるスキルを磨くことが重要ということになりそうです。
あなたの職業はどうでしょうか?