企業に福利厚生制度が生まれた経緯と歴史
労働力確保のための福利厚生
明治時代に産業が盛んになり、多くの労働力が必要になりました。
しかし低い給料で、過酷な労働環境で働かされた労働者は、病気で仕事ができなくなるなど、経営に大きな影響を与えました。
そこで労働者を守り労働力を確保するために、福利厚生の考え方が生まれました。
福利厚生の制度化
第二次世界大戦に敗戦した日本ですが、国民は福利厚生に対し、「労働に対する報酬として受け取ることのできる当然の権利」という考え方が広まります。
その結果、社会保険や労働保険などの「法定福利厚生」が制度として導入されました。
法定外福利が注目される
法律で義務付けられた「法定福利」以外に、企業が任意で導入することができる「法定外福利」が注目を集めるようになりました。
ライフスタイルや働き方の変化が大きく、労働者が求める基準が高くなったことで「法定外福利」が充実している企業が増えました。
その結果、食事補助、家賃補助、育児休暇などさまざまな福利厚生が導入されました。
福利厚生制度に今注目が集まっている理由
求職者の福利厚生のニーズが高まっている
給料以上に福利厚生を重要視する求職者も多いです。
人材採用において売り手市場の今、優秀な人材を確保するためには福利厚生の充実が必要です。
従業員満足度の向上
福利厚生の充実は、社員の企業への満足度が向上し、定着率上昇に効果的です。
社員に豊かな生活を提供するのも企業の役割です。
また社員の仕事に対するモチベーションの向上が、結果的に会社の成長に貢献します。
福利厚生アウトソーシングサービスが充実
福利厚生は費用の負担が大きいので、中小企業は大手企業に比べて職場環境
が整備されていない場合が多かったです。
しかし、福利厚生アウトソーシングサービスの登場により、低価格で充実した内容の福利厚生を導入できるようになりました。
福利厚生制度で注目を浴びている会社10選
サイバーエージェント
福利厚生が充実している企業として最も有名です。
家賃補助、リフレッシュ休暇、健康促進、充実した退職金、サポ飯と呼ばれる食事費用負担制度などがあります。
リクルート
人気企業で有名なリクルートですが、アニバーサリー休暇、スキルアップのための長期間のリフレッシュ休暇などがあり、その都度数万円の手当を受け取ることができます。
株式会社ベネフィット・ワン
福利厚生アウトソーシングを事業として行っている会社です。
自社にもフリーホリデーという好きな時期に休暇を取れる制度や、My Day休暇という誕生日に休める制度も導入されています。
Sansan株式会社
ワークライフバランスを重視した福利厚生が魅力的です。
会社に通いやすいような住宅補助や在宅勤務、出勤日振替制度などがあり、優秀な人材の確保に力を入れています。
マンパワーグループ
総合人材サービスの企業です。リゾートやレジャー、ショッピングなど提携施設を割引価格で利用できる福利厚生があります。
また派遣社員のための、メンタル・ヘルスケアにも力を入れています。
株式会社メルカリ
フリマアプリで有名なメルカリは、産休や育休、介護など社員の家族を含めた環境の支援が魅力的です。
結婚や出産、慶弔などの時に手当が支給されるのは、社員にとって非常に嬉しい制度です。
株式会社おかん
健康的な食事を提供する福利厚生アウトソーシングを運営する株式会社おかんですが、社内にも自社サービスを展開しており、総菜の専用冷蔵庫などが用意されています。
オリエンタルランド
ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドは、近隣のショップや飲食での割引や、ディズニーの従業員限定のパスの支給などが有名です。
ワークスアプリケーションズ
「ワークスミルククラブ」という制度があり、女性が育児と仕事を両立できるように、女性社員の意見を出し合い、働きやすい職場を作ります。
Apple Japan
Appleは福利厚生でも有名です。まず自社商品を割引で購入できます。
そして健康関係に力を入れており、ジムに通うための手当や、歯科治療やメガネ作成にかかる費用の負担などもしてくれます。
面白法人カヤック
面白法人カヤックは、非常にユニークな福利厚生で有名です。
サイコロ給やスマイル給、鎌倉住宅手当など一風変わった福利厚生が多いです。