夢に描いた念願の蕎麦屋を開いても、繁盛店になって儲かっているという話は滅多に聞くことがありません。
蕎麦が大好きで、蕎麦を打つことも大好きなのに、なぜ自分の蕎麦屋は儲からないのか?と嘆く方のほうが圧倒多数なのです。
もしかすると、このような場合、起業前に検討しておくべき4要素を検討していない可能性がありそうです。
どういうことなのか?以下、説明します。
老後に念願の蕎麦屋を開いたが全く儲からない
シニア層にも大人気の蕎麦屋起業
定年退職したら、蕎麦屋をやりたい!
蕎麦が大好きで、あちこち食べ歩き、蕎麦打ち教室に行って、蕎麦の打ち方も習った。
だから、定年後には蕎麦屋で起業したい。
このように思っていらっしゃる方が、シニア層には結構いらっしゃいますよね。
ところが、夢に描いた念願の蕎麦屋を開いても、繁盛店になっているという話は滅多に聞きません。
- 自宅を改造してお店にし
- 売上げがあまりなくても
- 今までの貯金で生活の心配はない
こんな状態ならば、やってもいいでしょう。
しかし、蕎麦屋の売上げで老後の生計を立てることが目的ならば、このような動機で起業することは避けた方がいいでしょう。
蕎麦屋が儲からない理由
自宅を改造して始めるならば家賃は掛かりませんが、多くのお客様の来店が見込めるような場所を借りると、そこには家賃の支払いが発生します。
この支払いは、売上に関係なく固定的に毎月出ていってしまうコストです。
売上げが少ないと、固定コストが大きくのしかかってきます。
また、店を始めるには、改造費や什器備品代などのイニシャルコストも掛かります。
蕎麦屋は体力勝負
更に、毎日立ち仕事です。年齢とともに体力もきつくなり、商品の品質を維持するのには、困難が伴います。
なぜこんなに頑張っても結果が出ないかというと、始める時に成功するため必要とされる4つの要素を、きちんと検討していないからです。
50代からの起業に必要な4つの要素を検討せよ
50代以上の方が起業するには、次の4つの要素を検討する必要があります。
- 情熱
- 市場性
- コスト
- 適正
1つずつ見ていきましょう。
起業に必要な要素1:情熱
情熱とは、「本当にそれが好きでやりたくて仕方がないこと」に注がれる感情です。
先ほどの例で言えば、蕎麦が大好きなので、これはクリアしています。
起業に必要な要素2:市場性
次に必要とされる要素は「市場性」です。
その事業の需要はあるのか?需要はあるけれども、新たに入り込む余地があるのか?ということを検討する必要があります。
蕎麦屋は年々店舗数が減少しています。
なぜなら、蕎麦を外食する、あるいは出前を頼むという需要が減少しているからです。
このような中で事業を行っていくのは、よっぽどの優位性が無ければ厳しいことですよね。
起業に必要な要素3:コスト
3つ目に必要な要素はコストです。
これには、イニシャルコストとランニングコストという、2つの種類があります。
退職金をイニシャルコストに突っ込んでしまい、老後の生活資金がなくなってしまう、これでは不安で仕方がないですね。
また、売上げに関係なくランニングコストは出て行ってしまいます。
まるで家賃を払うために商売をやっているようだ、こんな声は多々聞かれます。
中高年が起業する場合は、イニシャルコストとランニングコストを、可能な限り低く抑えられるような業種を選ぶ必要があるのです。
起業に必要な要素4:適正
4つ目に必要とされる要素は「適正」で、これにも2種類の意味があります。
それは、体力的な適正と性格的な適正です。
中高年が起業する場合、今は出来るかも知れないが、果たして、5年後、10年後も体力的に大丈夫か?これをしっかり見極めることが大事です。
体力とともに、性格的な適正も検討する必要があります。
蕎麦を作ることは好きだけど、お客様と話をすることは苦手、こんなこともありますよね。
適正が合わなければ、一つ目の要素である「情熱」にも、大きな悪影響を及ぼしてしまう場合があります。
大好きなことで起業する方法は山ほどあるはず
あくまでも一例ということで、以下上げてみましょう。
蕎麦の打ち方を教える趣味の蕎麦打ち教室
趣味で蕎麦を打つ人に蕎麦づくり道具の販売
蕎麦の食べ歩きツアーと蕎麦の講義
蕎麦を使った料理教室
蕎麦によるダイエット教室
高血圧に対応した蕎麦の取り入れ方教室
蕎麦屋専門の販売促進の提案
蕎麦屋専門のホームページづくり
蕎麦屋専門のネット活用集客セミナー
蕎麦の産地への地域活性化提案
蕎麦の産地への需要促進策の提案
このように、店を持つ以外にも、大好きな蕎麦をベースに、ビジネスとして始められることは色々考えられます。
「情熱」「市場性」「コスト」「適正」この4つの要素が満たされているか、ご自分のやろうとしているビジネスに当てはめて、起業前に検討してみることをお勧めいたします。