「商売というのは、結局のところ、人の不平不満を取り除くか、人を喜ばせるか、この2つのどちらかをやれば良いだけのことだ。」とキミアキ先生はおっしゃいます。特に、不満を除くことはチャンスに直結しやすいのですが、なぜか現場の最前線にいる人達はそれができない場合が多いのです。なぜ不満を除く意識がないのか?原因は経営者にありました。
家族で考えれば人は不平不満の固まりとわかる
商売の基本は、人が困っていることを解決してあげること、人を喜ばせる事を行うこと、ここから始まって行きます。
特に、人というのは「不平と不満を持つもの」というのが大前提でして、狭い世界で例を挙げますと、夫婦の例えはわかりやすいんじゃないでしょうか。
夫婦間のことで、奥さんに不平不満を持っていない人なんて…いないです!
しかし、奥さんにも言い分があります。
「アンタのここが10年前からずっっと許せないっ!」 だとかですね。
親子関係でも、可愛い可愛い子供だったはずが、子供からすると、親なんて不平不満の源(みなもと)みたいなモノになっていきます。
親父は、マジで中年臭クセェんだよ!
勉強しろ、勉強しろって、ババァうるせんだよ!
という感じで、悲しいかな、子供は大抵の場合、親に不平不満を持つようになります。
みんなそれぞれ言い分があって、不平不満を抱えているんですね。
最前線の人間が不平不満に気づかない理由とは
ところが商売の現場の最前線にいて、人はもともと不平不満を持つ生き物であるにも関わらず、なぜかお客様の不平・不満に気が付かない人が非常に多く存在します。
「仕事ができる、できない」「商売がうまくいく、うまくいかない」って、不平不満を解消するだけの話なのにも関わらずです。
気がつけるようになるには、社員教育の時に「お客様というのはもともと不平・不満があるから、それをきちんと捉えてくださいよ」というのを、教えておけば良いんです。
ところが、中小零細企業の多くが社員教育を放棄していますから、そういう事を教えてあげていないんですね。
そうなると、現場の最前線に立った時に、社員たちも商売がうまくいかないわけです。
それなのに、現場の最前線に向かって「おまえらっ!ちゃんとお客様のこと見てんのか!!」とか叱ったって、仕様がないんです。
この場合、「結局のところ、お客様の不平不満を汲み上げるのが、あなた方のお仕事の1つなんだよ」というのを、ちゃんと文化として根付かせられていない、上司や経営者に問題があります。
現場にイラッとくる気持ちはわかりますよ、「なんでおまえたちはそうなんだー!!」「なんでお客様の事をもっと大事に思わないんだー!!」という感じで、お気持ちはわかります。
わかるんですけれども、現場の人間たちが、顧客の不平不満に気が付けないのは、全て上に責任があるのです。
ですから新人教育では、お客様の不平不満を汲み上げることの大切さを、まず最初に教えてあげてください。
商品が売れないのは売り手の論理で動くから
こうやって負のサイクルにハマっている現場に「なんで売れないんだ!」と言ったところで、現場からすると「そんなのお客様に聞いてみなきゃ分かんないですよ!!」ってなります。
お客様はどういう不満を抱かれてるの?って聞いても現場は「…はぁ?」となって、「そんなの聞かなきゃ分かんないスよ!」ってね。
こういうことになってしまってる訳です。
これは結局、会社の文化が売り手の論理で動いてしまっている証拠でしてね、業績が良い時は、それでも良いんです。
お客様の不満が多少有ったとしても、それを凌駕する商品力であったり、それだけ魅力がある素晴らしい商品や、優れたサービスがあるわけですから。
ずっと右肩上がりで業績も伸びてきたと。
ところが今は業績が下がっている会社が多いわけで、下がってくるから、焦るわけなんですよ。
何故なら、営業力というのは押しとかセールストークだけではなく、結局は、商品力を軸にして、販売力を活かしていく力のことだからです。
売れる方程式=商品力×販売力
顧客の不満を解消する商品は勝手に売れていく
話変わりまして、私、今日ひとつ紹介したい商品があるんですけれど、私のこれまでの不満を一発で解消してくれたものなんです。
それは、食洗機用洗剤のジョイです。
食洗機の洗剤で顧客が持っていた不満を解消する画期的商品「ジョイ」
おなじみの台所洗剤ジョイの食洗機版で、タブレット状になっていて、置いて食洗機を回すだけで、食器がピカピカになるんです。
これまでは食洗機を使うときに、1回食器を洗ってから入れていたんですね。
そうしないとちゃんと落ちなかったからで、これは食洗機を使っている方は、皆さん不満だったはずです。
ところが、ジョイの洗浄力がハンパ無いのです!これまでの食洗機についての不満を、洗剤1つで解決してくれたんですよ!
これだったら、売る苦労なんて全く必要なくて、勝手に売れていくんじゃないかと思うくらいです。
このジョイは、たまたま大企業さんが開発したものなんですが、我々、中小零細企業の商品力というのはですね、細かい所を直していけば、元々戦っている相手がそれ程強くないですから、色んな商品・サービスを良くしただけで、売れるようになっていきます
ですから、まずはお客様の不平不満を汲み上げて、商品力を上げるところからやってみましょう。そしたらもう、販売力だけに頼らなくても良いんですよ。
これまで企業の多くは商品力に関して、お客様の不満をほったらかしておきながら、とにかく「売れーーーー!!」だったんですよ。
これ、私営業やってるんで思うんですが、売れないモノは売れません。
お客様の不満の解消というのを全面に掲げて、そういう商品・サービスを考えていけば、それほど販売力に頼らなくても売れるんじゃないか、という話でした。