長時間労働は、日本という国全体にはびこる長年の大きな社会問題です。様々な残業を減らす試みが実施されていますが、未だに現場では試みが遵守されていない場合が多いようです。
従業員が残業する理由は、100人いれば100通りあるため、タイプ別で残業がなくなる施策を実施する必要があります。
今回は仕事のボリュームが圧倒的に多い社員の残業を減らす方法を考えます。
日本にはびこる長時間労働という悪しき慣習
皆さんもご存知のように長時間労働は、日本という国全体にはびこる長年の大きな社会問題です。
有給休暇の取得促進や、割増賃金の割増率のアップや様々な対策が講じられてきましたが、この問題は一向に解決されません。
形式上、いわゆるノー残業デーを取り入れたり、6時間労働を取り入れる会社も増えていますが、現場の社員がそれを遵守しきれていない場合も多いのが現実です。
経営者にとっても、残業時間の削減ほど悩ましい問題は無いでしょう。
多くの専門家が、いろいろな残業を減らす方法を述べていますが、提唱される残業を減らす方法を実践しても、なかなか効果的なでないのが実情です。
専門書等に書かれている残業を減らす方法自体は、決して間違っていないのですが、残業を減らす方法をダイレクトに考えるのではなく、その前に、現在、行われている「残業の本質」を考える必要あるのでは?と考えているからです。
残業時間が減少しないのは、業務上必要だから?
社員が残業をする理由は100人いれば100通り
私は、「従業員が、何故、残業を行うのか?」を経営者の方が考えることが、残業を減らす方法を考える上で最も重要なポイントだと考えます。
私の顧問先でも残業時間の多さに悩んでいる経営者の方は多くいます。
社長様達の意見を聞いて共通して感じたのが、そもそも、残業を減らす方法を考える際に、「残業を単に1つの概念で考えてしまいがち」だと言うことです。
つまり、一口に「残業時間」と言っても、「何故、従業員は残業するのか?」その理由は、いくつかの理由に分かれると言えます。
業務の必要上残業する社員が存在する際は?
メジャーな理由の1つに、「業務の必要上、残業する」場合で、締切りや納期の関係で残業しなければ、業務に支障が出る場合があります。
このようなケースだと、基本的には従業員本人の意思とは関係なく、残業を行う必要性があります。
単に残業時間を削減する、という概念だけで社員を縛り付けると、結果的に業務に支障が出てしまいます。
労働生産性を上げる方法は経営陣主導で導入
現在の売上は、現在の労働量(つまり労働時間)と労働生産性で成り立っているわけです。
労働生産性を変えずに労働時間だけを減らせば、売上は当然減少しまうため、売上を変えずに労働時間を減らすには、労働生産性を上げるしか無いはずです。
仮に「ノー残業ディ」を設けても、従業員が売上を落とすことは通常許されません。
更に、労働生産性を向上させるには、個々の労働者の意識や能力の問題もありますが、個々の労働者だけに残業時間の削減の責任を負わせるのには限界があります。
現在行われている残業が、業務上必要な残業である場合に、それを削減するためには、経営者主導で業務の効率化を図るべきなのです。
経営者が、労働者に対して、ただ「残業時間を減らせと」と言っているだけでは、残業時間は絶対に減らないでしょう。
業務効率化を図るシステムを導入したり、特定の作業をアウトソーシングするなど、具体的な効率化作業が、経営者手動で行われるべきです。
次回も引続き、従業員が残業する理由別で、残業を減らす方法について考えていきたいと思います。