健康で有意義な生活を送っていれば、誰でも現役で長生きしたいものですが、そのためには免疫力を低下させる3つの要素を排除する必要があります。免疫力低下の三大要素とは、[ストレス、過労(不眠)、偏食]のことです。どのようにこれら3要素を排除できるか、詳しく解説いたします。
健康で長生きするためには免疫力向上が必須
日本人の中には「私は、そんなに長生きはしたくない。80才位で顔がシワだらけになって、腰が曲がって歩けなくなり、寝たきりになって家族に迷惑をかけるぐらいなら早く死にたい」と漏らす人が結構います。
「でも、健康で有意義な生活を送っていれば、長生きしたいんじゃないですか?」と聞くと、「それはそうですね。」と答えが返って来て、5年後にその人と再会すると「もう5年位は生きたいわねー」となるのです。
私の父は96才まで日本中を旅行し、自費出版で本を何冊も書き、97才で闘病生活1か月で亡くなりました。彼の口癖は「今が一番いい」でしたし、腹8分目を守り、1日2ℓのミネラルウォーターを持ち歩いて、知り合いの家を回り歩き、ストレス解消して帰ってきました。
人間の免疫力の研究から見ると、彼が知らないうちに、免疫力を高めながら生きてきたことがわかります。
免疫力を低下させる3つの要素を排除しよう
「免疫力」とは、人間が誰しも持っている2つの力のことを言います。
1つは、病原菌が体内に侵入するのを防ぐ力で、2つ目は、体内で病原菌が増殖するのを防ぐ力です。
注意していても何らかの形や経緯で体内に入ってきた病原菌や毒素は、人間の体に病気や中毒を引き起こそうと暴れますが、本来人間に備わっている免疫力が活発に働けば恐れることはないのです。
そのために、免疫力低下の三大要素[ストレス、過労(不眠)、偏食]を除外する必要があります。
免疫力低下は、生活習慣病やガン・難病の発病の原因にもなりますし、対人的に活力に乏しく老けて見られ、商売上損をします。
免疫力を高める方法は、日常生活の中で出来ることが基本になります。
ストレスによる免疫力低下を避ける方法とは
まずストレスを貯めないことですが、佐藤理論では、「人間関係・環境・飲食物もストレス要因である」としていますが、セリエのストレス学説では、「生体がストレスを受けると、一連の症状で反応して適応する」としています。
日本では一般的に人間関係の気まずさや、仕事上のプレッシャーによる精神的緊張・心労・苦痛などを言いますが、人間は少しのストレスはないと、生き甲斐もやる気も生まれず、生きていけない動物なのです。
自分には重荷でもやってみて成功したり、任されて努力して完成したりすると、ストレスが成功の果実の種子だったことに気付くのです。
重いストレスを貯めない方法は、男女によって異なります。
40才以上の女性のストレス解消は第一位が「おしゃべり」で、男性の場合は「趣味」でした。どちらも60%を超えていました。
100才以上の健康なお年寄りの意識調査では「くよくよしない」でしたし、私の父が、70才の時も、80才でも、90才でも「今が一番いい」と言っていました。
2ℓのミネラルウォーターを一本持って、知人の家に歩いて行ってはおしゃべりをして帰って来ました。
ストレス解消(おしゃべり)と適度な運動(ウォーキング)とデドックス(水で毒素や老廃物を出す)を無意識にやっていて、適度な運動で熟睡も出来たのだと分析しています。
日々難問を抱え、責任の重圧に耐え、決断の責任を問われる社長業や幹部の方々は、ストレス発散がうまく出来にくいと思います。
酒池肉林(しゅちにくりん)に走り体を壊した社長や、精神安定剤や睡眠薬の常飲によりかえって不眠症をひどくして入院した営業マンを知っています。
睡眠障害による免疫力低下を避ける方法とは
精神的過労は不眠症になりやすいのですが、その生理的理由は、首と肩の筋肉の緊張状態にあります。
スケートのアスリートが試合で転倒する時は、練習の時に下がっている肩が緊張して上がっています。
同じように、日中、難問を抱え、心配をしながら仕事している時、知らないうちに社長の肩は力が入り緊張しています。
会社が終わり家に帰って来ても、ましてや問題解決の為に夜遅く帰ってきたらなおさらですが、脳で使った大量の血液が首や肩の緊張状態で下がれないのです。
従って、ベッドに入っても様々な心配が浮かんできて、眠れない状態になります。
つい、きつい寝酒や睡眠薬に頼って眠りますが、実際は大脳は熟睡していないのです。
このような場合は、家に帰ったら最初に、ゆったりと温めのお風呂に耳の下まで浸かります。自分の標準体温より夏は3℃、冬は5℃高めの温度のお風呂に20分以上入ります。
出来れば両肩を反対の手で50回から100回もみます。
温めの牛乳をコップ一杯、数回に分け、30回はブクブク噛んで飲みます。
洗面をして、ベッドに入ったら、手拭いの真中にアロマを1滴たらして、臭いをかいで眠ります。
睡眠障害による免疫力低下を避ける方法(2)
次にご紹介したいのが、私が最近始めた熟睡対策です。
講演会と研究所の問題で心配事が重なり、日本アロマリンパ協会会長の門馬ひろみ先生に相談をしました。
ついでに、最近高めの血圧も下がればいいなあと思い、先生に調合してもらいました。
ゼラニウムとレモンを2:1で混ぜたものです。いつもは20分のCDを2回くらい聞いて眠れるんですが、アロマ液を1滴たらした手拭いの臭いを気にするだけで眠ってしまうので驚いています。
地方での講演会や講習会に行って緊張したり、枕が変わっても驚くほど快眠できるようになりました。
一般的には、不眠症にはラベンダーとスイートオレンジを2:1だそうです。熟睡したい社長はアロマショップで購入し試してください。
お薬で眠るより、無害で体に良くて、何より安くて効果があります。
偏食による免疫力低下防止は和食の見直しから
日本においては、様々な食材や食品が手に入り、バランスよい食事を取っていれば、病気と無縁の”無病社長”で、高齢になっても会社や社会の為に働くことが出来ます。
例えば、死亡率第一位のがんでさえも、免疫力さえ強化されれば、全く恐れることはありません。
そして、日本の土地や風土や環境から摂取出来る栄養素が、日本人には最高の免疫力をもたらすからです。
2013年の「健康長寿」ランキングが昨年英医学誌「ランセット」に掲載されました。
男性は1位が日本、2位シンガポール、3位アンドラで、女性は1位が日本、2位アンドラ、3位シンガポールでした。
健康寿命は「病気などで日常生活が制限されることなく、自立的に生活出来る年令」をあらわしており、男性71才、女性75才でした。
注目すべきは「アンドラ公国」です。
アンドラという公国は、フランスとスペインの間にある小国で、どちらの国からも攻められないという、全くストレスのない環境のせいだと思われます。
他の二か国は、私の考えでは海に囲まれており、海産物という海の宝物を中心にしたバランス良い食事をしているからだと思います。
食べ物には、発がん性物質が多く含まれているものがあります。
従って、偏った食事を取り続けていると、凝縮される可能性があるのです。
日本では以前から塩分の取り過ぎによる胃がんが多く、アメリカでは肉食中心による大腸がんが多かったので、最近では塩分控えめの食事や和食が見直され、和洋食の融合も見られます。
会社社長は、とかく外食や飽食や偏食になりやすいものです。
免疫力の強化を計るためには、日常生活での食事の見直しと、睡眠を十分取る工夫が大切になります。