基本的に記憶力の良い方は、必要事項について非常に細かいことまで記憶されていますが、一方で抜け落ちている記憶も多々あるようです。記憶について「覚えている」ことを重視する人は、記憶力の使い方を間違えています。記憶力とは「思い出す(探しだす)」ことができる能力のことを指します。どのように効率的に「思い出せるのか?」ショーンが解説してくれます。
どんなに記憶力が良くても抜ける記憶は抜ける
こんにちは、ショーンです。
経営者をやられている方というのは、基本的に記憶力の良い方が多いと私は感じています。
特に会社の営業の顔であるような社長は、取引先の担当者の顔や名前はもちろんのこと、性格や趣味まで非常によく把握されています。
しかし、そういう方であっても、必要のないことは全く覚えていない場合も多々あります。
1日24時間という同じ時間を過ごしているにも関わらず、「覚えていること」と「覚えていないこと」にはどのような差があるのでしょうか。
ややどうでもいい問いかけに思われるかもしれませんが、ここを少し掘り下げていくことで「思い出せる記憶の仕方」がコツとして理解できるのです。
記憶力とは生まれ持った能力ではなく、脳を上手に使うことで高めることができる、ということをこれから説明します。
記憶より思い出すことが重要と教えたグーグル
私たちの脳がパソコンのハードディスクのような仕組みであれば、「記憶力とはいかにたくさんの情報を入れておけるかどうか」が優劣を決める基準となります。
しかし、私たちが一般的に使っている「あの人は記憶力がいい」という状態をよくよく見てみると、それは決して「脳の中にたくさんの情報が入っている」ということを言っているのではありません。
記憶力がいい、と外から見て認識できる状況というのは、脳の中にその情報が入っているだけではなく、その情報を瞬時に探し出すことができているということになります。
つまり、大事なのは「記憶している」ことではなく、それを「思い出す(探し出す)」ことが出来ることのほうなのです。
どんなにたくさんの情報が脳の中に入っていたとしても、それを思い出すことができなければ、その情報を活用することはできません。
Webで何か調べようとしたときに、Googleを使う方は多いとは思いますが、Googleがこれだけ支持される理由は、この探し出す能力が圧倒的に優れているからです。
インターネットは世界中のWebサイトに即座に繋がることができるため、アクセスできる情報は無限大にありますが、それが活用できるのはGoogleという優秀な検索エンジンがあってこそのものなのです。
Webサイトがあったとしても、Google検索でヒットしないページは存在しないのと一緒であり、だからこそSEO対策という手法が現代では重要になってくるのです。
デキる人は常に思い出せるよう常に工夫してる
話を記憶の方に戻しましょう。
私たちの脳は日々膨大な情報を記憶しています。
何気なく通り過ぎたお店の看板や電車の中吊り広告など、見たときはまったく認識していなくても、脳の中には記憶として残っていて、何かのきっかけでそれが想起されない限り、それはそのまま仕舞われたままになります。
一方で、営業に強い方などがクライアントの顔や名前をよく覚えているのは、それを記憶しようと強く意識している部分もありますが、それをいつでも簡単に思い出せるように、無意識のうちに工夫しているということです。
思い出せるか、思い出せないか、ズバリそれが「記憶力」そのものであることは前述の通りです。
この記事を読んでいただいて、明日から一気に記憶力がアップするといった特効薬はないのですが、この事実を認識し、”思い出せる”ように記憶していこうとするだけで、きっとあなたの記憶力は格段にアップするでしょう。
暗記の領域はネットやアプリに役割を任せよう
これまで乱暴に棚に放り込んでいた物を、これからはパッと取り出せるように最初から整理して並べていく、というイメージをしてもらえると分かりやすいでしょう。
後から整理するよりも、最初から整理して並べていく方が、遙かに楽であることは言うまでもありません。
日々接する様々な情報を、自分の脳の中で思い出しやすいようにどういう風に記憶するか、それが記憶力の差に如実に繋がります。
もちろん、すべてを暗記しておく必要などありません。
インターネットがあればいつでも詳しく調べることができるのですから、そのきっかけになるとっかかりを思い出せるようにしておくだけで十分です。
以前ご紹介した、「まだ自力で情報整理してる?Evernoteで第2の脳を手に入れよ」という記事は、アプリを利用した「思い出せる」記憶の作り方の1つです。
「たくさん記憶する」から「たくさん思い出せる」に認識を転換して日々情報に接すること。
その転換ができるかどうかが、記憶力の優劣を決める重要なポイントなのです。