起業に踏み切れない人の言い分としてよく聞かれるのが、「自分には人脈が無いから」というものです。
人脈よりもっと意識すべき大事なことはないのか?という話題について、ビジネス系ユーチューバーのキミアキ先生に回答していただきました。
組織の時代から個の時代に移っている今、人脈以上に大事なものとは何なのでしょうか?
起業に人脈は本当に必要か?
なかなか起業に踏み切れないという人に理由を聞いてみると、「自分には人脈が無いから」という方が中にはいらっしゃいます。
と考えてしまいます。
起業に踏み切れない人の言い分「人脈が無い」
なぜかと言えば、まぁ人脈というものを利用して起業はできるかもしれませんが、長〜く経営していくということを前提にすればですね、人脈というのは自分のステージ毎に変化して行くわけです。
そこで今日は、起業するのに人脈って必要なの?人脈よりもっと意識すべき大事なことってあるんじゃないの?という話をしてみたいと思います。
人脈があっても貰える仕事は所詮下請けが多い
なんで人脈が必要なのかということを考えると、そもそも企業を開業したときには、基本的に仕事が無いという不安があるのかもしれません。
だから仕事をもらうために人脈が必要。というような考え方に陥ってしまいがちな方が多いようです。
ずっと下請けをやっていくんだというのであれば、それで良いのかもしれませんけども、そもそも下請けなんて旨味が少ない。
だったら、ビジネスモデルを変えた方が良いんですね。
人脈形成目的の交流会やセミナーは必要か?
名刺交換目的の交流会に金持ちな社長はいない
上手く行かない場合の人脈づくりというのも、実際はどこら辺で行われるかというと、ちょっと悲惨なんですけど、よくサラリーマン時代にですね、
社内だけじゃない!!
社外での人脈を作らなければいけないんだ!!
この社外人脈こそが起業の素なんだ!
みたいな。それから異業種交流会どんどん参加してください!と、それから起業家セミナーとかもどんどん行って下さいと。
「とにかく名刺交換をしましょう!」
こういう、どーでも良い情報が蔓延してる訳ですよ。
そもそも、こういう情報が書いている本の著者は誰なの〜っ?、と言ったら、だいたい食えない侍業の方とかの場合が多いです。
人脈増やすんですよ〜とか言ってるのは、だいたい自分も食えていないような人達です。
実際社長として10年以上やっている人たちって、異業種交流会とか全然行きません。
セミナーもですね、思いっきり儲かっている社長たちが行くセミナーっていうのは、そもそも普通の人たちが行けないようなセミナーです。
そりゃ、社長もセミナーに行きます。
要するにこういう場で名刺交換をするような人たちは、大体が仕事がない者同志とかの集まりである場合が多いです。
憧れだけで「俺達は起業するんだー!」「この名刺が後々効いてくるんダァァァ!」とトンデモない勘違いをして、ついつい参加して、名刺交換をしてしまうんです。
ところが商売というのは、十中八九失敗するものなんですよ。
ですから、世の中の平均的な人たちがやっていることは真似をせんで良いわけです。
どうせ失敗するんですから。
どうしてもセミナーに参加するならば目立て!
うちも実は、この手のセミナー系勉強会で、営業が成功した事が1回だけ有ります。
でも1回だけです。
何かというと、女性起業家の起業前の勉強会に、たまたま税理士として独立したての弊社タナカアサヨが、独立したてなので参加しても良いですか?と主催者側に許可を得て参加していたんです。
15年ほど前の話ですがね。
そこで名刺交換をしたんですが、当時顔写真入りの名刺というのがほぼ日本には無かったんですが、顔写真入りの名刺を渡したんですね。
覚えてもらうと言っても、実際名刺を色んな人からガァーっともらうでしょ、顔写真が無いと、帰ってきた瞬間にもうわからないんですよね。
ですから当時、この顔写真入りの名刺が効きましてね、後に独立した方から直接「顧問をやってください」と連絡をもらったんです。
直接的には、この1社だけです。
ところが、後々、この勉強会からの紹介で更に2社くらい増えてるんですね。
そして全ての会社が1件も潰れずに10年以上、いまだに続いているんですよ。そして、いまだにうちの顧問先なんですね。
これはかなり当たったのですが、この当たった原因は、当時はまだ無かった顔写真入りの名刺でした。
もしも起業家セミナーに行くならば、今だともっと目立つことをやらないと、効果はないかもしれないです。
人脈紹介より自ら情報発信し顧客を創造しよう
実際うちがもともと会計事務所を始めた時、会計業界というのは、紹介制度によって商売が成り立っている業界でした。
ところが我々には、もともと紹介してくれるお客さんなんていませんでしたので、お客さんゼロから始めました。
ですから、紹介制度なんていう元々のビジネスモデルを変えました。
未だにご紹介のお客様は1割もいかないですし、ほとんどが広告と情報発信によって、つまりは一見さんをお客様にとっているんです。紹介のお客様は逆に断っているくらいなんですよ。
ですから後々のことを考えると、紹介というのはややこしいので、なるべくだったら断ってます。
ただ、たまに古い付き合いの社長さんだと断れないことがあるんです。断れないからな〜と。顔潰せませんからね。
そういうこともありますが、基本的には紹介のお客様は1割未満です。
紹介制度で成り立っている業界でもこれはできます。うちは出来ました。
情報発信の内容は、私がもともとが不動産屋やってましたから、不動産と税金の絡みですとか、賃貸の不動産をどうやって節税につなげるかとか、そういう情報発信はしていたんです。
それを通じて、不動産を持っている社長さんたちと知り合いになって、お客様が増えました。
起業家にはファンを掴む作業のほうが人脈作りより大事
この情報発信をやっていったことによって、自然と人脈はできていくし、情報発信している者同志って意外と仲良くなります。
情報発信している者同志は、上質な情報をお互いが持っていて、情報発信者としてはここまでは書けないな〜、っていうお互いが握っている情報も言い合えるんですね。
言い合っても別に大丈夫なので、自然と情報発信者同志での人脈も広がっていきます。
人脈って無理矢理作るものじゃないなと本当に思うのは、人脈作りにいくら一生懸命になったって、商売は上手くいかんのですよ。
ですから、人脈作りするような力がまだ残ってるんだったら、全てファン作りの方に捧げなさいと。
何故かと言うと、今の商売の仕方というのは昔とガラッと変わりまして、組織の時代ではなく個の時代だからです。
ですから、社長さん個人個人のファンを作っていくように一生懸命やったら良いんです。
ファンを作っていけば、人脈なんて自然に出来ますから。
これから起業しようという方は、無理に、人脈作りなんてしなくて良いです。
それよりも開業して、ひとりひとりのお客様を大切にして、ファンをひとりひとり作っていくと。
それが自然と人脈づくりに繋がっていく秘訣です。