商品にもよりますが、「ASK」表示で顧客に価格を聞かせる商法を取る業界は非常に多くあります。大抵の場合、これは自らや既存顧客の既得権益を守るために表示される場合が多いものです。ただし、今の世の中は情報化社会ですから、価格を比較するサイトは幾らでもありますし、選択肢も常々増えています。自分都合でお客様に動いてもらうリスクを人気ユーチューバー宇田さんが解説してくださいます。
多くの商品はネット表示で価格がASKである
本日は「お客様にいちいち◯◯させない」という話をしてみたいと思います。
実は私、釣り好きが講じて釣用の小さなボートを購入することになりました。
ボートを購入しようとした日から、インターネットでボートを探すようになったのですが、ここで非常に多かったのが「ASK表示」でした。
価格を表示せずに、ASKと表示されていて、横には「お電話で価格はご相談ください」と表示されています。
自分都合で顧客に動いてもらうサービスの弊害
この慣例は中古車業界でも多く行われています。
なぜこのような表示の慣習が車業界であるかといえば、長くお付き合いしているお得意様が新しい車を買うために「これ買ってよ」と今の車を持ってきたとします。
この車を業者は50万円くらいで購入するわけなんですが、買った車は売らなければなりません。
ところが販売時に「100万円」と表示されていると、車を業者に売った馴染みのお客様にとって見ると、なんだ100万円で売れる車なんじゃないかと感じるわけです。
これを防ぐために、ASK表示を取るわけです。
話は戻り、釣用ボートの場合も車なんかより需要や顧客層が限られていますし、売った人も見ているのだから、ASK表示が多いのだろうと感じました。
そこで何が起こるかという話が、肝心な要点です。
ここで私の取った行動がどうだったかというと、ASK表示のボートは購入選択肢から外してしまいました。いちいち電話で聞くのは面倒臭いからです。
今の世の中は情報化社会ですから、価格を比較するサイトは幾らでもありますし、選択肢も常々増えています。
更に消費者は予算の範囲を予め決めて購入先を決定しようとするので、いちいち電話しなければならないような、面倒臭いものには興味を持たなくなってしまいます。
自分の都合で「お客様に◯◯させる」サービスは、これからの時代では顧客の敬遠要因となるのです。
身内で自社サービスの面倒臭い具合を試そう
特にインターネットを活用して商売しようとするときには、「お客様にいちいち◯◯させていないか?」という顧客目線は非常に大事になってきます。
もし貴方が自分のサービスを世の中に売り込もうとする時は、必ず自分の身内や家族にサービスを試してもらってください。
家族が面倒臭がっているものは、世の中の人にとっては大抵の場合、「大いに面倒臭いもの」です。
そしてこれは必ず改善しなければなりません。
インターネットの「よくあるQ&A」というページは、これを解消するところから発生しているのですが、「いちいちお店に電話させる手間を相手に負担させる必要はない」という考えの元に成り立っています。
「自分の都合でお客様がいちいち◯◯しなければならない」というものは、極力外していくことが、商売成功の秘訣となります。