こんにちは組織活性化プロデューサーの南本です。
中小企業の社長さんにぜひ聴いてほしいです。中小企業の場合、こんな兆候があればあなたの会社は危ない。どうすりゃいいんだ。今すぐ対策を打てというテーマです。
中小企業の8つの危ない兆候
危ない兆候っていうものには、どんなものがあるのかを紹介していきたいと思います。
前年対比売上の微減
前年対比98%とか前年対比95%っていう感じで、それほど影響はないだろうと思うのですが、ジリ貧で少なくなっているのは、ちょっと危ない兆候です。
取引先の入替なし
取引先の入れ替えが全くなくて、例えば3社に集中しちゃっているとか、そういう降下しているところもちょっと危ないです。
新しい取引先をどんどん入れ替えながら、会社の組織もリフレッシュしていくような状況でないとちょっと危ないと思います。
人件費比率のじわじわUP
最低賃金がどんどん上がっているので、それに連動して、アップするのは仕方がないのですが、そのために他のコストをどうやって効率化して削っていくか、IT化していくのか、集中化していくのかということを考えていないと、売り上げに対する人件費率や、粗利に対する人件費率は上がっていきます。
上がっていくことに気づかないというのも危険な兆候です。
ご自身の会社の財務諸表を見て、人件費がどのくらいの比率で、毎月毎月、時系列で上がっているのかを見てください。
IT化が進んでいない
古い設備で、パソコンの入れ替えもしていない、ソフトウェアやハードも入れ替えしてない、クラウドの仕組みにしても全く導入していない。つまり投資をしてないというのはちょっと危ない兆候です。
昔の業務のやり方と同じ
業務が回っているうちはいいですが、売り上げが減少していって、人件費とコストが上がっていくと収益は当然少なくなります。
少なくなるのに昔の仕事のやり方をずっとやっている会社が結構あります。
これも危ないので、私のおすすめとして、半年に1回ぐらいは々がやっている仕事の流れはこれでいいのかと業務の見直しをしてほしいと思います。
組織・社員の固定化
総務はAさん、経理はBさん、営業のリーダーはCさんというように、2、3年固定化して何も変わっていないという会社が結構あります。
もう1回現時点の役割とポジション、リソースや活躍度も含めて、適材適所があると思うので、若手を登用するとか、ジョブローテーションで仕事を変えるなどが必要です。
キャッシュの減少
通帳の残高を見て、最低でもキャッシュフローの管理は必要です。
残高が、ジリジリ減っている会社はやはり少し危険かなと思います。
内部留保なし(税金を払わない)
中小企業の経営者は税金を払うことをすごく嫌な方が多いようですが、税金を払わないと利益の積立金である内部留保ができなくなってきて、キャッシュが足りないということになります。その場合、急激に傾いた時に内部留保で補填できたりすることができず、急遽銀行に行ったけれども、貸せませんと言われてしまいます。
内部留保を貯めるというように経営者も見直していただけたらなと思います。
このような危ない兆候に1つでも2つでも引っかかるようであれば、要注意です。内部を見直したり、人の入れ替えをしたり、新しいものを取り入れたりすることが大事なので、見直しをするきっかけにしてほしいと思います。
倒産の原因
倒産の原因が中小企業白書に出ています。
販売不振(72%)
圧倒的に販売不振が多く、72%です。
茹でガエル状態ということです。
ジリ貧で売上げがどんどん減っているとか、人件費がどんどん上がっているのに、目をつぶってそのうち改善するかのような状態のことです。
茹でガエルというのは、水の中のカエルが下から熱で温められて、最後には茹で上がってしまうという逸話ですが、「既往のしわよせ」といって、昔の資産を食いつぶして、キャッシュをどんどん減らしていく状態で、これが10%です。
放漫経営・連鎖倒産・過少資本等
過少資本というのは、債務超過のような感じで圧倒的な売り上げ不振です。
売り上げをどう強化していくか、利益をどう出していくかが倒産しない道だと思います。
そのために兆候はジリジリ来るので、これを見逃してしまう前に阻止してくださいということです。
倒産しないためにどうすればいいか
倒産しないためにどうすればいいのかを3つぐらいあげています。
毎月財務指標をチェック
1つは財務指標をチェックしてください。
人件費や損益分岐点は下がっていた方がいいわけで、売上高の前年対比などを毎月見て、徐々に前年対比が下がっているということは、売上が減っていることになるので気を付けた方がいいです。
指標を毎月分析して、1人あたりの売上高や、1人当たりの営業利益を見て、従業員を増やしたり減ったり、コントロールするのが経営者の仕事です。
それから、キャッシュフローです。
毎月財務指標を分析しながら、数名の幹部で議論してください。
生産性向上策を常に打つ
毎月部門のリーダーが仕事の見直し、改善していくということです。
手書き資料も撲滅するぐらいにしていきましょう。
全部クラウド上にスキャンしていると、データができるはずなので、そういう意識で紙をすべて排除するという頭で業務を見直していくと、かなりすっきりします。
そして、情報のクラウド化、共有化、販売のノウハウや技術のノウハウ、人事の情報などはクラウド化して共有化していかないと、みんなで同じことを重なり合うような仕事をしてしまい、非効率なことが多いです。
業務を見直していき、どうでもいい作業は廃止する、単純作業はロボット化をしていけば、その分工数が減ります。
それから、利益を生まない定例業務を社内の人件費を使って、行っている場合があります。
否定はしませんが、そういう担当者の仕事のやり方は100%主義の人が結構多いです。
そうすると無駄な仕事を最後まで完璧にするために、多くの無駄な時間を使うことになります。
外注化して、発注側がコストを抑えていくというのも一つの手かなと思います
生産性向上施策を打っていきましょうということです。
人材が自然と育つ風土
3つ目は人材です。
人材が自然と育つ風土について、少し考えてみてください。
メリハリのある人事処遇制度
年功序列で給与を決めるのではなく、若くても部長の役割ができる人には高給を与えるようなメリハリのある人事処遇制度をしていかないと、これからの時代に企業は生き残れないと思います。
ジョブローテーション
マンネリ化を防止するために、適度にジョブローテーションして、お互いに教え合いながら多能工化していくということです。
今から手を組んでいかないと生産性というのは上がっていきません。
ノウハウ技術の共有
IT投資をして、生産性を向上し、ノウハウをどんどん共有していく。
そして共有した情報をお客さまに提供したり、自分たちで活用したりして、生産性をアップしていくということになります。
中小企業が本当に倒産を回避するためには、やはり思い切ったジョブローテーションをして、人を入れ替えたり、人材を多能工化して、いろいろな人がいろいろな知識を共有していく、全員が同じことをできるようにしていかない限りは、厳しいと思います。
あとは従業員はやはりお金が欲しいですから、現場の改善など前向きに行った人には奨励金のように金一封を経営者がポケットもしくは会計から出していただければいいと思います。
中小企業白書に載っていた倒産の原因は大きく3つ
中小企業白書に載っていた倒産の原因は大きく3つしかありません。
ほとんどが売り上げ、販売がダメなのです。
販売がうまくいっていないと早く気付いた会社は、原因を追究して対策を打てば、V字で回復することができます。
しかし、前年対比98%と少し下がっているけど、まあいいかと、毎月先延ばししていくと、最後には倒産ということになるので、そうならないために財務的なチェック、生産性の投資、人材育成の3つを事業プランの中の施策として入れていけば、臨機応変に対応する会社になれると思いますのでぜひ推進していってください。