みなさんこんにちは、脳科学教育コンサルタントのクロスです。
先にこの記事の結論からお伝えしましょう。
「ほら、だからさっき言ったじゃないか」
「さっきこうしておけって、予測した答えだったのに無視するからこういう結果になったじゃないか」
こういうことを言う人とは縁を切っていいです。
「後知恵バイアス」とは
今回ご紹介するテーマは、「後知恵バイアス」についてです。
コンプレックスの強い社長は「後知恵バイアス」をする傾向にあります。
「後知恵バイアス」とは何かというと、例えばAさんが「私はこうします。」と言ったときに、「やめておきな、うまくいかなかったことがあるから、こういう時はこうした方がいいよ。」とBさんがアドバイスをしたとします。
そしてAさんはそれを無視して、案の定失敗したときに、Bさんが、「ほら言った通りでしょ、自分の言うとおりにやっていたらうまくいっていたのに。」と言うことがあります。
このように、後で結果を知って、自分が事前に予想していたことに対する自信が急に上がることを「後知恵バイアス」と言います。
「後知恵バイアス」をする人の特徴
簡単に言うと「後知恵バイアス」というのは何万通りかある可能性のうちの1つだけを知っていて、その可能性の1つを相手に伝えるわけです。
その可能性の通りになって失敗してしまった時に、自信満々にドヤ顔でほらオレの言ったとおりだと言うのですが、実は他のパラレルワールドでは、Aさんのやった通りにうまくいっていた可能性もあったわけです。
Aさんは自分の道を信じて突き進んでうまくいっていた可能性がありましたが、それについては一切触れません。
Bさんが自分のことをへりくだって、「今回はたまたま俺の予想した通りになって失敗しちゃったけど、でも君は君で納得していたのだからよかったでしょ。」などとは言いません。
Bさんはそんな風に励ますことはありません。
それどころか、ドヤ顔の自信満々で「ほら俺の言った通りだ」と言うわけです。
この瞬間にBさんはとても気持ちがよくなっています。
俺の方が偉いでしょという感じで、ドーパミンがドバドバ出ています。
俺の方が正しかったし、俺の方が先生だからお前は俺の言うとおりに聞けばいいんだという気持ちよさに浸ってしまうのです。
どうしてかというと、Bさんは自己評価が低いからです。
いいリーダーは失敗も認める
では、どうすれば他人の上でマウントを取れるのかというと、後知恵バイアスをたっぷり味わうことです。
本当によくできたリーダーというのは、失敗も認めることができる人です。
つまりAさんが「自分はこういうことをしたい」と言うと、リーダー的なBさんは「そうか。あなたがそうしたいのなら、がんばれ。うまくいっても失敗しても、自分の納得いく道を行くなら応援します。」
そしてAさんが失敗したとします。
すると、Bさんは「そうか、失敗しちゃったか。でもその失敗もいい経験になって、同じことをしようとしている人たちに対して、自分の失敗談として語れるだけの経験が手に入ったんだからいいことだよ。」という風に励まします。
逆にAさんがうまく行ったら、Bさんは、「そうかうまくいったんだね。良かったね。自分は以前そうやって失敗してしまったことがあるんだけど、うまくいってよかったよ。」と応援します。
つまり、どっちに転ぼうがBさんは常に応援できるような人なのです。
どうして応援するかというと自尊心が十分高いので、マウントを取る必要がないのです。
後知恵バイアスの激しい人は、基本的に家庭環境がよくなかった傾向にある人が多いか、もしくはコンプレックスがすごい方に多いです。
後知恵バイアスをよく使う人は子供の頃など、多感な時期に抑圧的な環境か、抑圧的な学校とかで過ごしてきた人です。
後知恵バイアスの人とは関わらない
もし、後知恵バイアスが強い人がもし周りにいた場合は、基本的には関わらない方がいいです。
後知恵バイアスでマウントを取ってくる人がいたらスーッとフェードアウトしましょう。
この人はこの人であなたから甘い蜜を吸っている状態に近いので、関わらないことが一番です。
後知恵バイアスを応用して励ます
もしも、後知恵バイアスをしている傾向にあると自覚している人は、後知恵バイアスだと重々自覚した上で応用してあげてください。
相手が失敗したときに「ほら言ったじゃないか」と気持ちよくなったり、イライラするのではなくて、「そうか失敗したけど納得のいく失敗でよかった。後悔しないよりは後悔した方が人生の糧にはなるよ」とか、「結果は失敗したけど、少なくとも試してみただけ偉いじゃないか。」と褒めたり、応援してあげましょう。
その方がその応援された相手も成功しますし、もっと頑張ろうということになります。
本当の意味ではこちらの方が立派な人ではないかなと思います。