「補助金ってよく聞くけどどういう制度なんだろう?」
「自分でも受け取ることができるの?」
など補助金について疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか?
たしかに補助金制度は税金などと違い義務ではありませんし、補助金について知る機会は少ないでしょう。
しかしもしあなたが補助金を受け取れる条件を満たしているのであれば、活用しないのは非常にもったいないです。
この記事では補助金とは何か、補助金の種類や手続き、審査に通るためのポイントについて詳しく解説していきます。
補助金とは
補助金とは
経営の資金調達などに利用されることが多いのがこの補助金です。補助金は国、地方公共団体や民間団体から交付される給付金を意味します。
補助金の目的は、起業推進から中小企業の規模拡大、新技術の発展などに必要な設備の費用を負担することで活性化を促進することです。
また補助金の特徴としては融資や借入のように返済義務がありません。これは事業者にとって非常に大きなメリットです。また個人でも条件を満たせば給付してもらえます。事業の範囲内だったら使い方もかなり自由なので、補助金を申請しない理由はないでしょう。
補助金は「後払い」方式
多くの補助金は事業を始めた後に受け取れるケースがほとんどです。最初から補助金をもらえるという認識でいると、初期費用が足りなくなるなど資金繰りに苦労する可能性があります。
補助金は基本的には後払いで支給されるということを押さえておきましょう。
補助金と税金の関係
補助金は原則、課税対象になります。
「補助金」という名前で公的機関から受け取る金銭ではありますが、会計上は収入に分類されるのでその点に注意しましょう。
補助金と助成金との違い
補助金と助成金は交付される金額が大きく違います。また審査の厳しさや募集期間の長さも変わってきます。
助成金の特徴としては、
・審査がゆるい
・要件を満たせば誰でも受け取れる
・募集期間が長い
・交付される金額は少ない
というものです。
逆に補助金は、
・審査の通過率が40%程で厳しい
・しっかりとした事業計画書の提出が必要
・募集期間が非常に短い
・受け取れるお金はかなり多い
というのが特徴です。
金額は少ないですが、審査がゆるく支給のハードルが低いのは助成金。
しっかりとした事業計画が必要で審査も厳しいですが、受け取れる金額が多いのが補助金という認識で問題ありません。
補助金を利用するメリット・デメリット
メリット
補助金のメリットはやはり返済義務がないという点です。経営の資金調達などで銀行から融資してもらう場合は利息を払う必要がありますし、クラウドファンディングなどもリターンを用意しなければなりません。しかし補助金は返済義務がないのでお金を受け取った後も、利息やリターンを考慮せず事業に集中することができます。
また補助金の種類によっては、専門家が補助金利用に関するサポートを行っているので、有益で重要な情報を得られるかもしれません。
デメリット
補助金は審査が厳しく、受け取るための条件に当てはまっている必要があるため誰でも交付されるものではありません。
給付金の額が大きい補助金を利用する場合、貸し出す側からの信頼を獲得することが大切です。説得力のある事業計画の提出など、補助金受給のためには多くの厳しい条件をクリアする必要があるのです。
また書類作成などの煩雑な手続きが多いため、そのように手間が多くかかるのも補助金のデメリットでしょう。
補助金の種類
具体的にどのような補助金があるのか見ていきましょう。
創業補助金
創業補助金とは起業を支援するための補助金です。具体的には創業時に必要な経費の一部を負担してくれるといった起業家にとってはありがたい制度。起業を促進することで、新たな顧客ニーズや雇用の機会の創出などを目的としており、日本経済の発展に貢献することが期待されます。
対象となるのは初めての起業から、第二創業で新しく事業展開を行う企業などです。
補助率は平成31年現在経費の2/3が補助金の対象になっています。助成限度額は下限が100万円、上限は300万円となります。
ただし、条件としては一定の期間内に決められた金額以上の収益をあげると返済義務が生じる可能性があるので注意が必要です。
また補助金は後払いで、補助対象期間である1年以上2年を経過した後、さらに数ヶ月経って支給されると思われます。
補助金の募集要項は毎年変わるのでチェックすることをおすすめします。
ものづくり補助金
ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」という補助金の名前です。少し難しく長い補助金の名前なので覚えやすいように、「ものづくり補助金」と呼ぶことにします。
ものづくり補助金は、一般的な商業からサービス提供まで幅広く対応している魅力的な補助金です。
・革新的なサービス
・試作品の開発
・生産プロセスの改善
といったものを対象に、設備の購入費や人件費などの費用の1/2~1/3、最大で1000万円という多額の補助金を受けることができます。
また上記の補助金とは別に、複数の中⼩企業等が事業者間で情報を共有し、新たな価値あるサービスの開発や生産性の向上を図るプロジェクトを支援するための補助金も用意されています。複数企業に対する補助金ですが2000万円上限で支給可能という、かなり太っ腹な制度です。
最近では国の補助金に対する予算が平成31年現在1,000億円に増えたため、以前に比較して審査を通過する可能性が上がりました。
実際に応募件数に比例して、補助金の獲得率も上昇しており、応募するなら今が狙い目なのではないでしょうか。
もし補助金として1000万円受け取ることができたら、事業の負担を大きく減らせます。そして浮いたお金でさらに投資して事業拡大なども可能です。
製造業やサービス業などを経営している方がいるならば、是非受給を検討するべき補助金です。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、売上アップや業務効率向上のためにITサービスを導入した際にかかった費用の1/2、平成31年は最大450万円まで負担してもらえます。
IT補助金の特徴としては条件さえ満たしてしまえば、手続きも簡単でスムーズに受け取ることができます。
予算も大幅に引き上げられました。平成30年は上限が50万円だったのに対して平成31年は450万円ですので、これからも需要に伴い予算が増えていくことも期待できます。
また用途に関しても「ITサービス等」と幅広いので、「補助金についてよくわからないけど貰えるなら貰いたい」と考えている方でも受給できる可能性が高いので、ぜひ活用してみてください。
IT導入補助金は今最も旬な補助金です。IT全盛期の現代だからこそ活用すべきではないでしょうか。
軽減税率対策補助金
特に飲食店を経営する方におすすめしたいのが、この軽減税率対策補助金です。
これは消費税引き上げ(10%)に伴う負担を考慮取り組みによるものです。
飲食物には軽減税率が適用されます。軽減税率とは簡単にいうと特別に消費税が安くなる制度のことです。
飲食店の場合、軽減税率に対応した仕入れシステムやレジなどを早急に導入する必要があります。
ですので、2019年9月30日までにそれらの対応を完了することを条件として補助金を受け取ることが可能です。
補助金の金額は最大でかかった費用の2/3を支給してもらえます。
また事後申請でも補助金を受け取ることは可能なので、急な設備の導入や申請忘れなどがあっても安心です。
補助金を受け取るまでの流れ
では実際に補助金を受け取るまでの流れを解説していきたいと思います。
補助金申請をする
受け取りたいと思う補助金を決めたら申請を行いましょう。補助金を希望する事業の内容・費用・効果などを書類にまとめて提出します。
具体的に必要な書類については補助金ごとに異なりますが、以下の4点を揃えましょう。
・応募申請書
・事業計画書
・経費明細書
・事業要請書
その他必要な書類については、補助金を担当している自治体のホームページなどで確認しましょう。
審査を受ける
審査には書面のみで採択される場合と、口頭でプレゼンなどを行う必要がある場合もあります。審査方法を事前に確認して、万全の準備をしておきましょう。
交付決定通知を受け取る
審査に通ると決定通知を受け取ります。
・選定結果通知書
・補助金交付規定
・交付申請書
以上の書類内容を確認して交付の決定内容を確認します。
事業の実施
実際に事業を実施します。補助金が支給されるのは、「事前に書面で記載した事業計画に関する内容のみ」ということを理解しておかなければなりません。
それに加えて、事業内容を変更したい場合は、事前に計画変更申請を提出する必要があります。
また事業の進捗を知るために、中間審査が行われます。証拠書類の提出を求められた時にすぐ対応できるように、日頃から経費の領収書など補助金の対象となる書類は集めておくようにしましょう。
補助金の交付
事業の実施について、その内容や経費などについて報告します。申請通りの内容だったことが確認されると、補助金の金額が確定し、まず確定通知書が届きます。その後問題ないようならば補助金の支払いが行われます。
また補助金を受け取った後も、一定期間は定期的に事業報告の義務がある場合が多いです。
ほとんどの補助金はやはり後払い方式なので、補助金をもらえるのは最後だということを押さえておきましょう。
審査に通るためのポイント
事業のビジョンを明確に提案する
国も慈善活動として補助金の支給を行っているわけではありません。補助金を支給することで、国の経済発展に貢献してもらうことを目的としています。
ですので、補助金を受け取るためにも事業の「成長性・将来性」や、いつ・誰と・どこで・何をやるのか、それに加えて達成すべき目標などの「具体性」を明確にして提案しましょう。
コスト管理を徹底
せっかく国から補助金を受け取ったのに、コスト管理をおざなりにしていると事業は必ず失敗します。国もそういった例をたくさん見てきているため、審査が厳しいのです。
ですので「この事業なら大丈夫」と信頼してもらえるように、「自分はコスト管理を徹底している」ということを相手にアピールしましょう。
消費者が求めるような事業であることをアピール
事業が成功するためには消費者のニーズにマッチしていることが前提です。当たり前の話ですが国や地方公共団体、あなたに事業で成功してほしいから補助金の支給を実施しているということを理解しましょう。
ですので提案する事業が、しっかり消費者に求められ成功する可能性が高いものだと伝えることが非常に大切です。
まとめ
補助金の概要や種類、手続きの流れについて細かく解説してきましたが理解していただけたでしょうか。
補助金をうまく利用することで事業のスムーズな展開が可能になります。
また今回おすすめした補助金は、どれも条件を満たし手順をしっかり踏めば誰でも受け取ることが可能なものです。
金銭的負担を減らして事業に集中するためにも、補助金は是非活用してみてください。