21世紀は「空の世紀」と言われている。その中心で今熱視線を浴びているのが「ドローン(無人飛行機)」である。ドローンは比較的投資コストが安く様々な用途で使用することが可能であり、効率的な仕事をもたらす道具となりえる。日本では法整備が未発達であり使用リスクもあるが、今のうちからどんなことができるか想定しておきたい。
21世紀は空の時代 ドローン革命が起きる
21世紀は「空の世紀」と呼ばれている。
20世紀には企業が自分でコントロールする「空を活用した道具」はなかった。しかし、今世紀に入って空はどんどん身近なもの、ビジネスにおいて重要な場所に変化していくかもしれない。
なぜなら「ドローン(無人飛行機)」がより一般的なものになり始めたからである。
ドローンの開発は1970年頃に無線機の小型化や電子誘導装置の発達して以降、写真偵察などを目的とする軍事用機械としてはじまり、発達してきた。
20世紀末には通信機器、コンピュータの発達により、一般的な使用用途に可能性が開かれて一般化してきた。今では日本国内でも特に映像作成の場面でドローンが使用されるようになった。大型クレーンよりコストも効率もよいからだ。
米国では2025年までにドローンが国内だけで8兆円もの経済効果を産むといい、AmazonやGoogleも既に本格的な開発に乗り出している。日本でもソニーが今年から開発をはじめた。
私達が住む日本では、今後どんな場面でドローンが活躍するだろうか?
ドローンで革新的進化を遂げるであろう産業
1)農業
✔ヤマハ発動機HP http://www.yamaha-motor.co.jp/sky/
農業の世界ではヤマハ発動機がドローンの開発を急ピッチで進めている。※1用途は農薬・肥料散布がメインで1機あたり120万円程度で現在販売されている。作業能力は1日20ヘクタール以上に及び、1haを約6分で散布終了することが可能だ。従来より25%も作業が省力化できるため、大型の農業法人から引き合いが強まっている。就農者の平均年齢が65歳を上回っている農業界において今後目玉となること必須だ。
2)医療
医療の世界では特に「緊急医療」で最初にドローンの活躍が期待されている。上記映像はオランダ・デルフト工科大学の教師であるAlec Momont氏が製作したドローンで、現在はまだ試作品しかないが、5年後には発売する計画となっている。医療は特に現場での対応を如何にはやく行えるかが、命を守る鍵となるため、早期の導入が見込まれる。
3)物流
有名な話だが、Amazonは将来ドローンを使用して自社商品を顧客の手元に届けようとしている。日本は国土が小さく、密集した都市圏に70%の人口が住んでいる。アメリカ以上に物流面ではドローンの活用による流通の効率化が図られるだろう。例えば重要な書類や軽微な荷物は、自社のドローンを利用して迅速に相手に届ける、といったことも行える。出前文化も変わるかもしれない。渋谷にいながら、日本橋の親子丼を出前で取る。そんなサービスも生まれるだろう。ドローン宅急便を起業しようとしている起業家も多い。
法未整備でリスクあるが今から関心を持とう
今すぐドローンをビジネス活用することは現実的に難しい。
なぜならドローンは航空法施行規則が定める「模型飛行機」に類しており、航空路管制圏等以外の場所でも、上空250メートル以上の高さを飛行させることが禁止されているからだ。
250メートル以下を飛んだとしても、他者不動産の上空を飛ぶ場合、民放221条の「所有権」を侵害する可能性があり、他社の不動産上へ墜落したり、器物破損した場合に損害賠償のリスクがある。
難題は山積みであるが、ドローンの可能性は無限大だ。今後航空法の改正によって一気に情勢が変わった時、ドローンが日本のビジネス効率化に大きな影響を与えることは間違えない。