孫正義とバフェットの共通点は数分で大きな決断ができること

企業分析

問題を解決せず持ち越してしまう会議は、時間とコストの大きな無駄です。毎度同じように会議の結果が「持ち越し」になるのであれば、その組織はいずれ崩壊する運命にあると言って過言ではないでしょう。

孫正義とウォーレン・バフェットに共通することは「迅速に決断し実行すること」です。彼らの発言からはアウトプットと共にインプットが決断の速さを支える重要材料となることがわかります。

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日本の会議風景:時間をかけた結果が持ち越し

 
社の重要な方針を決する会議を2時間〜3時間、時には丸1日、あーだこーだと続けて、結果は…「持ち越し」。

これは、よくある日本の会議風景です。

「◯◯さんは懸案事項についてもう少し調べて〜」「△△はコンセプトをもう一回洗い出して〜」となり会議は終了します。

確かに企業は組織であり、人間の集合体である以上、こういう会議も稀にはあるかもしれません。

しかし、毎度同じように会議の結果が「持ち越し」になるのであれば、その組織はいずれ崩壊する運命にあると言って過言ではないでしょう。

なぜなら会議は「ある特定のことに対する解決策を生む場」であったり「実行することを決断する場」だからです。

一定の時間で物事を解決したり、決断しないことが常態化した組織は、考えることや実行することを放棄した組織とも言えます。

ソフトバンク・孫正義とバークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットが共通して持つ「時間と決断」に関する概念に耳を傾けると、そのことがよくわかります。

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孫正義とバフェットが決断にかける時間は短い

 
元ソフトバンク社長室長、孫正義の秘書として長年勤めた経験のある三木雄信氏は、彼の著書『孫正義 「リスク」を「成功」に変える28のルール』の中で、孫正義の興味深い考え方を紹介しています。

「どんなことでも10秒考えればわかる。10秒考えてもわからない問題は、それ以上考えても無駄だ」

孫社長が、アリババ創業者のジャック・マー氏と初めて会った時に、2000万ドル(約24億円)の出資を行ったのは有名な話です。

その後アリババは成功を収め、そのリターンは2000倍に及びました。面談にかかった総時間は6分でした。

一方でウォーレン・バフェットも時間と決断について以下のような考え方を述べています。

「まだ判断のしようのない事柄について、あれこれと考えて時間をムダにすることは避けるようにしています。判断というのは、5分でたやすくできるものです。そんなに複雑なものではありません。」「ウォーレン・バフェット 成功の名語録」

中国の国営石油会社・ペトロチャイナの株式を2002年にバフェットが大量に取得した際、バフェットがペトロチャイナについて調べたのは、二期分の決算書類だけでした。

これについて多くのバークシャー・ハサウェイ株主は異論を述べましたが、バフェットは「これ以上調べることは時間のムダ」と彼らを説き伏せました。

その後、4年半でペトロチャイナの株価は6倍増となり、バフェットは30億ドル(約122億円)の利益を稼ぎ出しました。

このように二者は共通して、重要な物事について、驚くべき速さで決断し、実行することを重視しています。

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迅速な決断を促すのは意欲的なインプット

なぜ孫正義とウォーレン・バフェットは、これほど驚くべき速さで決断し、実行することができるのでしょうか?

バフェットの習慣にそのヒントを得ることが可能です。

バフェットは小さい頃から猛烈な読書家として、地元オマハの図書館にある「金融」と名前の付く本を10歳の時には全て読破し、しかもそれを二回り実行していました。

大学時代には周囲の同級生が雑誌・プレイボーイを読むかのように、企業の財務諸表を読み漁ってきました。

今も彼は最終的に迅速な判断と実行を行いながら、企業に対して好奇心を持ち続け、財務諸表のインプットを続けています。中には50年以上の間、財務諸表を読み続けるだけの企業もあるといいます。

短い時間で迅速な決断を行うには、常に情報を取得する好奇心と意欲的な姿勢が必要です。

アウトプットに至る決断で伸び悩んでいるのであれば、もう一度インプットに対する姿勢を問い直してみる必要があるかもしれません。

画像参照:Flickr

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