こんにちは島倉です。
今回は、先輩経営者がいうアドバイス、いわゆる「すべき論」には気をつけましょう!ということについて紹介します。
先輩経営者のアドバイスは必ずしも正しくないからです。
先輩経営者のアドバイスは必ずしも正しいわけではない
先輩がいつも正しいわけではない
商工会、商工会議所、青年会議所、中小企業同友会に入っている、または異業種交流会に行くなどすると、先輩経営者と知り合うことがあると思います。
先日、私のところに相談に来られた方で、「大きいビジネスにするには、私の場合はこうすべきだ」とおっしゃる方がいました。
あんまりにも凄い含蓄なので、色々と話を聞いてみると、本で学んだ内容ではなくて、先輩経営者がそうなったからと言われるんですね。
私からすると、その聞いた内容はほとんどが間違っていたんですよね。
肩書が良くてもアドバイスが優秀とは限らない
私は以前、経営コンサルタント会社に勤めていた時に、上司にあたる方が独立するということで、2人で会社を辞めて、一緒にやるのではなく、別々に独立しましょうということで意気統合しました。
ある時、その上司だった先輩が、自分の知り合いに銀行出身の優秀なコンサルタントがいるから会ってみないかと言われ、気が乗らなかったのですが、実際会いに行きました。
銀行人というのは、ご存知かもしれませんが、思い込みが激しい人が多いです。
初対面なのに超上から目線で「ビジネスはこうすべきだから、こうしないといけない」というようなことを言われて、非常に嫌な思いをしたわけです。
そのアドバイスは自分には違うのではないかとずっと思っていました。
時代の趨勢が見極められず退場する先輩経営者
その先輩もコンサル会社を辞めたわけですが、5年でこのコンサル業界から去っていきました。集客できずに儲からないということで辞めたわけです。
当時の私には上から目線のアドバイスでしたが、自分はうまくいかなったんですね。
というのも、彼は大企業向けのコンサルを目指しました。対して、私が目指していたのは中小企業または個人向けです。
対象が違うのに、大企業向けの自分たちはこれで成功しているからということで、先輩は「企業向けコンサルタントはこうあるべきだ」と私にアドバイスしていたんですね。
結局、今コンサルタントとして残っているのは私だけです。
なぜかというと大企業向けのコンサルは10数年前に下火になっていました。
その先輩と言われる人たちのアドバイスが本当に正しい方法だったのか?というところには、いささか疑問符が付きます。
2代目3代目社長と創業社長とは同じではない。
あと、創業して何10年という、2代目3代目の社長が、さも自分が全てやってきたかのようにアドバイスしてくる場合も要注意です。
2代目3代目社長ももちろん努力されているとは思いますが、ゼロから1にするという経験はしていません。
彼らは、導入期、成長発展期、衰退期というサイクルの中で、2代目3代目として、第2、第3の創業期に向けて頑張るという経験をしているわけです。
要するに300だというものを1000にするという経験はしていますが、独立する人にとって、ゼロから1を作るということはとても大変なことです。
この経験は全然違います。
ゼロから1を作る人が、第2創業の成功話を聞いたところで大した意味はありません。
第2創業段階では、既にブランドもあるし、人もある状態です。それとまったく何もない状態から始めるのとでは、全然やり方が違うわけです。
大企業と中小企業なら、なおさら違います。
良い先輩経営者を見極める方法
上手くいっている先輩かチェックする
私の場合も、先輩の言うことを真に受けなくてよかったのですが、冒頭でお伝えしたように、先輩経営者が必ずしも優秀とは限りません。
いわゆるメンターとなるか見極めるには、業界のことについて詳しいのか?その業界で結果を出している人か?という点を必ずチェックしておくのがポイントです。
相手の勢いに圧倒されないこと
こういったように、先輩経営者の中からメンターを選ぶ際は、その相手がどういう立場の人なのかを理解しないといけません。
ただ偉そうに話されて、ものすごい勢いで包まれると、何か正しいことを言っているのではないか?と感じられる方もいらっしゃることでしょう。。
まだ独立して間もなく、売り上げがなければ、自信もありません。
そのような時は、つい自信がありそうに喋っている人の意見につい聞き入ってしまいます。
でも、これは絶対にやってはいけません。
ぜひアドバイスを聞くときは本当にアドバイスが正しいのか、アドバイスを聞いていい人なのかを一度確認して吟味をしていただきたいと思います。
もう、起業した時点で、たとえアドバイスをくれる経営者が先輩であったとしても、経営者という同じ土俵に立っているわけですから、冷静に聞けばよいだけです。
以上、先輩経営者のアドバイスは慎重に選んで聞いたほうが良い、というお話でした。