5月30日(土)午後20時過ぎに小笠原諸島西方沖で発生した小笠原沖地震では約1.9万台のエレベーターが緊急停止し、人が閉じ込められたケースも10件以上発生した。エレベーターに乗っている時に地震が起きた際の、エレベーター内における対応方法を覚えておくのは得策だ。日本エレベーター協会が提唱する地震発生時の対応を覚えておこう。
小笠原沖地震でエレベーター閉じ込めが多発
5月30日(土)午後20時過ぎに小笠原諸島西方沖で発生した小笠原沖地震(マグニチュード8.1)は、2011年の東日本大震災(マグニチュード9.0)に次ぐ規模となった。
震源が深さ800km以上の深さであるにも関わらず、首都圏でも震度5弱の強い揺れを観測した、約1.9万台のエレベーターが緊急停止し、人が閉じ込められたケースも10件以上発生した。
日本の都市人口割合は、2010年時点で66.8%程度であるが、2050年には80%までその割合を高めることが予想されている。※1
都市に人口が集まるということは、ビルを利用する人の割合が増えることも意味する。
エレベーターに乗っている時に地震が起きた際の、エレベーター内における対応方法を覚えておくのは得策だ。
地震発生で停止したエレベーター内の対応方法
まず最初に、地震でエレベーターが停止したとしてもパニックを起こす必要はない。
一般社団法人日本エレベーター協会によると、「エレベーターは一定以上の揺れを感知すると安全装置が作動し、最寄りの階で止まることになっており、停止は安全確保のための正常な作動」である。
地震発生時にエレベーターを利用していた場合、日本エレベーター協会が推薦する通り以下のように行動しよう。
1)揺れを感じたら行先階のボタンを全て押す
揺れを感じると最寄階で自動的に停止する安全装置がついたエレベーターもあるが、利用中でも自分自身で “すべての” 行先階ボタンを押し、最初に停止した階で降りよう。
2)万が一閉じ込められたらインターホンで通報する
無理に脱出をしようとすると大変危険な状態に陥る。エレベーターは必ず外部と連絡がとれるような装置(インターホン)がついているため、状況を正確に通報し救助を待とう。
3)停電しても慌てず救助を待つ
エレベーター内では地震とともに停電が発生した場合、ただちに非常用バッテリーが起動して非常用照明が点灯する。カゴ内がまっ暗になることはないため、落ち着いて外部と連絡をとり救出を待とう。
(参照元:一般社団法人日本エレベーター協会「地震発生時の対応」より)
エレベーターに閉じ込められても慌てない
日本のエレベーターは、故障・事故などを未然に防ぐとともに緊急や地震発生時の利用者の安全を守るために、高度な安全機能を備えている。
地震発生によりエレベーター内に閉じ込められたことを要因とする死亡事故は、未だ発生したことがない。
「利用中に、地震が発生してもとにかく落ち着いた行動を心がけることが一番大切だ」と日本エレベーター協会もコメントしている。
※1 国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2012.asp?fname=T09-21.htm&title1=%87%5C%81D%92n%88%E6%88%DA%93%AE%81E%92n%88%E6%95%AA%95z&title2=%95%5C%82X%81%7C21+%8E%E5%97v%8D%91%82%CC%93s%8Es%90l%8C%FB%8A%84%8D%87%81F1950%81%602050%94N