守りに入る若手社員を活用する方法

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 新卒社員の3割以上が、入社して3年以内に会社を去っていく。多くの場合「やりがいのある仕事」より以前に、「健康を損ねることなく長期働き続けられる会社に入社する」ほうが彼らにとっては現実的な選択肢となる。誰かに強制されたりしない「遊び」の中でイノベーションを発見させることが、彼らの開眼していない能力を引き出す鍵となる。

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若手の退職理由は「職場の人間関係」が増加

 いまや大卒社員のうち3割以上が3年以内に会社を去っていく。※1

 産業ごとに離職率の多少はあるものの、「入社しては辞める」「辞めるとさらに人手が足りなくなる」という雇用の悪循環が浮き彫りになっているのが、日本における若者の雇用実態だ。

 そのような中、多くの若者は、よりリスクの低い会社への就職を望むようになる。

 簡単にいうと、(1)すぐには潰れそうにない会社 (2)収入を得るために健康を害すことがなさそうな会社 (3)衰退を感じない会社 (4)必要なときに休める会社、のどれか、またはすべての条件が揃った会社を求め、転職活動を始めるのだ。

 「働きがいのある会社」や「やりがいのある仕事」より以前に、「健康を損ねることなく長期働き続けられる会社に入社する」ほうが現実的であり、その後のキャリアを形成するうえで重要な前提条件なのだ。

 「ボーイズ・ビー・アンビシャス(少年よ大志を抱け)」と言いたいところだが、実際にはこれが多くの若手社員に共通する現実だ。

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SNSに現れる若者の会社への向き合い方

 日本におけるSNSの活用状況は、若者が会社とどう向き合っているかを表す指標の1つだ。

 フェイスブックやラインなどのSNS利用者は着実に増加しており、2013年はインターネットユーザーのうちSNS利用者は5割を越え、2016年末には66.5%に達すると見込まれている。

 しかし上司が、LINEやFacebookを使って部下に「友だち申請」する行為は、若手社員に徹底的に嫌気される。なぜなら彼らにとってビジネスは先述の通り「健康を損ねることなく長期働き続けられる」ツールであるからだ。

 上司からの「友だち申請」を拒否こそしないが、プライベートの時間へビジネスが入り込むことに、心理的な圧迫感を感じる若者は多い。

 セカンドステージ以降の若手社員のプラベイベートに労働時間は含まれていない、と考えたほう賢明だ。

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面白いと感じるように促すことが必要

 これらの若者に経営層やマネジメント層が「自分の想い」をいくら伝えたとしても、それは「上からの押し付け」にしかならない。

 営業や販売の現場においてはなおさらだ。セールスの担当者が「つまらない」と感じていれば、顧客に商品やサービスの良さは伝わらない。

 ではどうすれば割り切る若手社員を活用できるのだろうか?

 人は外部からの圧力や金銭などの報酬だけでは、ヤル気を持続させられない。自分で作った別の動機、楽しめるプロセス、得られる成果や評価のフィードバックがセットになって初めてヤル気が継続する。

 多くのイノベーションは、社員が「楽しい」と感じる仕事から生まれている。そしてイノベーションは誰かに強制されたりしない「遊び」の中での発見なのだ。

 遊ぶかのごとく仕事を行う環境を与えることが、若手社員の活用につながるだろう。

参照元

※1 厚生労働省 新規学卒者の離職状況に関する資料一覧
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/24.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/24-01.pdf

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