お金持ちでなければ議員になるのは至難の業
先だって衆議院が解散し、連日選挙関連のニュースでもちきりです。
衆議院議員は基本的に25歳以上の日本国民であれば、犯罪等を犯し被選挙権を失っていない限り、誰でも立候補することができます。
とはいえ、誰でもといいつつも気軽に立候補できないのは、なんといってもお金がかかるからに他なりません。
事前に納める供託金は衆議院小選挙区で一人当たり300万円、しかも一定上の得票数を集めなければ全額没収されてしまいます。
その他人件費、事務所家賃、交通費、宿泊費、広告費、消耗品費etcetc... 、お金持ちでなければ議員になれないという理由がここにあります。
社長が会社のお金を供託金に充てることは可能か?
国政となるとハードルが高いですが、地方であれば地元企業の社長が無所属で立候補するというパターンをよく見かけます。
お金を持っているから、というのはあるかと思いますが、中には自分の会社のお金で供託金を含めた諸費用を支払ってしまおうと考える人もいるかもしれません。
議員というのは個人の資格でなるもので、会社の業務とは何ら関係ありません。それを会社の経費とすることはもちろんNGです。
もし会社のお金を使うとなれば、それは社長個人に対する貸付金ということになります。利息もきちんともらわなくてはなりません。
また、本来社長への貸付というのは好ましいものではなく、業務と無関係な支出ということで株主から追及を受ける可能性があります。
オーナー企業であればその心配はないのですが、銀行から借入等をしたい或いはしている場合には、銀行からダメ出しを受けることもあるということは認識しておく必要があるでしょう。
選挙への立候補はあくまで「私」の行為である
実際の選挙で落選し供託金を没収されてしまった場合でも、供託金はあくまで個人が支払ったもので、会社は社長にお金を貸しただけですので、社長は会社に返済する義務があります。
もし返せなければその期間ずっと利息が上積みされていくことになります。
一度で返せなければ、自分の役員報酬の一部を返済に充てるなど、何らかの方法を考えなければなりません。
選挙への立候補は「私」の行為であることを踏まえ、もし立候補するなら十分に余裕を持った資金調達の計画が必要です。