「営業やりたくねー!お客様に断られるの嫌だし、本当にこの商品が良い商品かもわからないし…」サラリーマンであろうと、経営者であろうと、多くの営業マンが営業することに対するメンタルブロック(心理的な拒否反応)と戦っています。どうしたらメンタルブロックを外して、営業活動を行えるのでしょうか?
販売を阻害する自らのメンタルブロックとは?
私は30代の頃、化粧品の訪問販売のセールスをやっていましたが、結論から言うと“全く売れないダメセールスマン”でした。
なぜ、私がセールスをやっていたのか?理由は簡単で部署変えがきっかけで、営業をやることになった塩梅です。
化粧品会社に入社して、私は主に企画や教育畑を渡り歩いていました。
ところが入社10年目に販売研修所に入れられて、2年間のセールス実習をやることになったのです。
化粧品の訪問販売ですから、毎日、「ごめんください、〇〇化粧品です」と言って、一般住宅を飛込みセールスです。
なんで俺がこんなことをやらなければならないのか?
そんな不満を持ちならば、セールスをやっていました。
いきなり「ごめんください」と言って訪問すること自体が、相手に対して迷惑ではないか?
しかも、高い化粧品を売りつけるなんてとんでもない!
こんなことばかり考える私に、商品なんて売れるはずがありません。
その当時の私には、“売ること”に対する強烈なメンタルブロック(心理的な拒否反応)が掛かっていたのです。
起業したら販売せずに事業は成り立たない!
苦しい2年間を終え、私は再び企画や教育の仕事に戻り、セールスの仕事をやる必要はなくなりました。
サラリーマンなら、セールスや営業の仕事が嫌なら、他の仕事がいくらもあります。
しかしながら、起業したら自分はセールスや営業はやりたくない、という訳にはいかないのです。
自分の商品やサービスを販売しなければ事業は成り立ちません。
でも、多くの人が起業した後も“売ること”に対してメンタルブロックの障壁にぶつかります。
そこで今回は、メンタルブロックをいかにはずしていくか?について考えてみたいと思います。
メンタルブロック1:「売ること=悪いこと」と考えていること
セールスをやっていた頃の私がそうでしたが、実は多くの起業家も「売ること=悪いこと」という心理を抱いていると言われています。
私の場合だと、この状態から脱却するのに成功したきっかけとして、玄米を原料にしたサプリメントが会社で新発売されたことがありました。
この商品はけっこう売ることができました。
以前から健康食品に興味があり、玄米は身体にとても良いと信じていたので、これを売ることには抵抗がなかったからです。
メンタルブロックが外れた私は打って変わり、お客様にサプリメントを積極的に勧めるようになっていました。
本当に販売する商品のことを理解し「売ること=悪いこと」ではなく、「売ること=人の役にたつこと」に変換することによって、メンタルブロックをはずすことができたのです。
メンタルブロック2:「断られる=人格の否定」と考えていること
毎日訪問販売をやっていて一番苦しかったのは、「断られる=人格の否定」という考えが常にまとわりついていたことです。
私の場合だと、いきなりの飛び込み訪問でしたから、相手に露骨に嫌な顔をされます。
そのため、玄関のチャイムを押して留守だということが分かると、嫌な顔をされなくて済んだと、ホッとしたこともたびたびでした。
でも、留守ならば商品は売れるわけありません。
ホッとしたのは、自分の人格が否定されずに済んだという思いからでした。
しかし、実際のところ、お客様に断られたのは自分ではなく商品なのです。
でも、そんな商品を販売しようとした自分が否定されたと思ってしまうのです。
このメンタルブロックをはずすには、断られたら、人格を否定されたのではなく、「商品や自分について知ってもらう機会を与えられなかっただけ」と考える必要があります。
メンタルブロック3:「お客様=敵」と考えていること
訪問セールスをやっていると、色々な出来事に出くわします。
あるときは、塩をまかれたこともあります。
こんなことをされると、どうしても「お客様=敵」と考えてしまいます。
それでなくても、当時私がいた会社のセールス教育の場では、「相手を落とす」「相手を攻略する」などの言葉が使われていました。
本来的には「お客様=パートナー」にも関わらずです。
ところが、どうしても売らなければ!という気持ちが強くなると、「お客=敵」と考えてしまうのです。
このメンタルブロックをはずすには、「売る=価値を提供する」と考え方をシフトする必要があります。
そのために、こんなワークを提案します。
自分の商品がお客様にどんな価値を提案できるのか、200項目書き出すという作業をやることです。
あらゆる観点から考えないと200項目は出てきません。
一度挑戦してみてはいかがでしょうか。