どんなに相手の考えを理解しようとしても、人間は所詮10人10色。ビジネスを成功させるには、「相手が何を考えているか?」を推察することよりも「相手がどんな気持ちか?」を理解して動くことのほうが重要です。
相手の気持ちを見抜く一つの武器、それは「仕草」です。仕草が意味する心理を理解して円滑なビジネスにつなげましょう。
人の仕草は高い確率で感情を映し出す鏡となる
どんなに長い時間、たとえば数十年一緒に生活してきた夫婦ですら、相手が何を考えているのか理解していないなんてザラですよね。
職場における人間関係ならば、尚更のこと。
「B君は今、こういう状況だから、〜考えているはずだ!」などと、賢そうに推測したとしても、実はそれが不正解だったということはありませんか?
とはいえ円滑な人間関係を築くことは、ビジネスの世界で避けて通れない関門です。
ならば、人間が動物であるという大前提から、「仕草」を元に、高い確率で「相手の感情」を推測してみませんか?
そこで本稿は、気になる社員の「あの仕草」から、相手がどんな感情を抱いているのか紐解くために、幾つかの例をご紹介します。
部下の気持ちをあぶり出す「よくある仕草」4選
口元を手で頻繁に触れる
もしも部下が貴方との会話中に、口元を手で頻繁に触れたり、ベロで唇をナメたりしていたら、それは「緊張」や「不安」を和らげようとする仕草です。
この動作は「接触動作」と呼ばれています。
部下の表情が柔らかく笑っているように見えても、このような時は「話を理解しているか?」「何か不安を感じていないか?」一旦立ち止まって、確認してみるのはいかがでしょうか?
褒めようと前のめりになったら腕組をされた
褒めようと前のめりになったら腕組をされたり、大げさに褒めようとしたら「いえいえ、そんなんじゃないです」と謙遜して拒否するような手の出され方をしたことはありませんか?
このパターンは男性社員に多く表れる「パーソナルスペース」を取ろうとする行為です。
人間も他の動物同様に、「縄張り意識」を持っており、不意を突いて自分の至近距離に入られると、パーソナルスペースを守ろうと、一定距離を保とうとするジェスチャーを行います。
このような時は、伝え方を少し変えてみて、メールで客観的に何が良かったかを伝え、文章を通じて相手を賞賛することが一つの手。
距離の取れたところでの賞賛に相手が安心して、自ら近寄ってくれたら、次の業務はより積極的に振りやすくなります。
ホンマかいな?と思うくらい頷く
「〜だから、〜だよね。要するに〜・・・・」と貴方が話していると、部下の「なるほどですね〜」「はいはい」「うんうん」が段々増えていきます。
しかも、頷くときの笑顔も段々とオーバーリアクションに。
これは既にお察しのとおり、貴方に対して「もうわかったから、そこら辺で話をやめろ」アピールです。
こんな時は…相手に質問を投げかけるか、自分の口を閉じることが賢明でしょう。
会議の時にいつも角の席に座る
これも先述のパーソナルスペースを守ろうとする行為の一種です。
角の席に座れば、片方に他人がいても、もう片方は空席となるため、パーソナルスペースを守れると無意識に人は感じるのです。
合わせて、このようなタイプの人は往々にして、積極的に会議へ参加したくない、もしくは他人事と考えているケースが多いようです。
対策は、相手に質問を投げかけ、自分が会議で主体的に意見を出すように促すことです。
ビジネスは理屈よりも感情で動く場面が多い
いかがだったでしょうか?
ビジネスを成功させるには、「相手が何を考えているか?」を推察することも大事ですが、それよりもっと大事なのは「相手がどんな気持ちか?」を理解して動くことです。
今日は一日、部下の仕草に注目してみませんか?
もしかすると、今まで見えてこなかった「相手の気持」にフォーカスして発言・行動することで、思わぬ仕事の成果が生まれるかもしれませんよ。