こんにちは!
タナカキミアキです。
野鴨の哲学の元ネタはIBMで、講師をさせていただいた時に「私は君たちを飼い馴らすことはしない」という宣言を受けております。
実は、この言葉をIBMが使う前、キルケゴールという哲学者の言葉で「飼い馴らせた鴨は野生には戻せない」というのがあります。
飼いならせたというのは、「人間が”故意に”飼いならした」ということです。
今回は、この「野鴨の哲学」を元に「45歳定年制の危険性と事業計画の重要性」ついてお話していきます。
野鴨の哲学とは
まずは野鴨の哲学とはどういったものかを解説したいと思います。
前述のとおり、野鴨の哲学の元ネタはキルケゴールという哲学者の言葉で、飼い馴らされた野鴨の話になります。
飼い馴らされた野鴨の話
デンマークには森林やきれいな湖があって、そこに野鴨がやってきます。
もともとは野生なので、生まれた頃から何千キロも飛べる資質を持っていたわけです。
しかしあるお年寄りが野生の鴨に餌付けをしてしまいます。
最初は野鴨なので、餌をあげても受け入れなかったのに、その老人が辛抱強く餌付けをして、この野生の鴨たちを全て飼い慣らしてしまいました。
当たり前のことですが、鴨は動かなくなってしまい、太って飛べなくなり、この老人は途中で亡くなってしまうのですが、鴨は馴らされて動かなくなり、結果的には山からの濁流で死んでしまうという悲しい話です。
野鴨の哲学に学ぶ45歳定年制の危険性と事業計画の重要性
飼い馴らされたところで45歳定年制
昔は何千キロも飛ぶ能力があったのに、飼い馴らされて飛ぶこともできなくなり、自分たちで餌を取ることもできなくなってしまったと考えさせられます。
被投(選べない)投企(資質を失う)
哲学的な専門用語では難しいのですが、「被投(ひとう)」というのは、選べない環境と考えたらいいと思ってください。
本当は選べるけど、餌付けされているうちになぜか居心地がよくなってしまいます。
そして投企(資質を失う)というのは、野鴨が何千キロも飛べたという資質を失ったように、人間は生まれながらにしてチャレンジ精神があって新しいものをつくってみたい、こんなことをしてみたいという気持ちが、10年もサラリーマンをやると新しいことに挑戦していこうなんていう思いもなくなり、なんとなく仕事をするようになってしまいます。
投企・企投 経営企画における目先のゴール
中小企業でも経営計画はあります。
私も目標達成は全て数値にして、期日を決めておかないとできないタイプです。
やはり経営計画書における目先のゴールをしっかり作って、それを逆算していくようにしないと、何千キロも飛べた野生の鴨が飛べなくなってしまったように、資質を失ってしまいます。
悪い組織はどうしても事なかれ主義になって、いろんな意味で隠蔽体質になっていき、どんどん自分たちの資質は失われていって、飛べない鴨になっているかもしれないということを考えると、経営計画をつくって努力をすることが大事なのではないかと思います。