国内での資産形成に立ちはだかる壁は「課税」
日本で資産形成をしようとした場合、一番のネックになるのは、キャピタルゲインに対する課税と運用益に対する課税です。
なぜなら、長期間の運用を行う場合には、課税の影響が運用成果に直接結びついてくるからです。
シンガポールでは、原則としてキャピタルゲインと運用益に対する課税がなく、そのことが、世界中から富裕層が集まってくる理由ともなっています。
国内でもタックスヘイブンと同じ投資環境の元で資産形成を行える資産運用方法とは?
最近問題になった「タックスヘイブン」では、富裕層の課税逃れが大きな問題として取り上げられました。
多くの経済著名人がタックスヘイブンを利用していることに対して、批判の声が集まりました。
しかし、実際には、日本でもシンガポールなどの「タックスヘイブン」と同様の投資環境の下で、資産形成を行うことが可能です。
今年5月に法改正がなされた「確定拠出年金制度」では、政府が老後の資金を準備する人たちの後押しをするために、破格の税制優遇制度を整備しています。
60歳までは拠出金を口座から引き出すことが出来ないゆえに、税制優遇措置が認められた形になります。
今の日本で確定拠出年金より効率のよい資産運用方法は存在しない
この確定拠出年金制度ですが、大きく3つの段階での税制優遇を受けることが可能になっています。
まず一つめは、お金を拠出する段階での税制優遇です。
例えば、生命保険料控除では、保険料支払いの対する所得控除の上限が4万円などと定められていますが、確定拠出年金制度では拠出する金額のすべてが所得控除の対象となります。
つまり、仮に所得税率10%、住民税率10%の方が、年間10万円のお金を確定拠出年金に拠出した場合、2万円の節税効果を生む計算になります。
銀行の普通預金の金利が限りなくゼロに近い現在の状況の中で、10万円を拠出して2万円のリターンを得ることと同様の効果を得られる制度は、いまの日本では確定拠出年金制度しかないでしょう。
老後の資金準備として利用しない手はありません。
「確定拠出年金制度」の優遇税制の二つめは「運用時」、三つめは「受取時」です。これらについては、詳しくは次回の記事でご説明します。
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