どうもこんにちは。
あおば会計コンサルティングのタナカキミアキです。
2019年10月から消費税が10%に上がります。
そうすると、「小規模事業者が廃業の嵐になることが目に見えている」ということについて解説したいと思います。
消費税10%で小規模事業者が廃業の嵐になる理由
2019年10月から消費税が10%に上がりますが、ややこしいのは8%の軽減税率という制度も併せて導入されることです。
選挙の票が欲しいために厄介な制度が導入されます。
適格請求書制度の導入
さらに、2023年に適格請求書という制度も導入される予定です。
これまで実は消費税を普及させるために、平成元年から国は小規模事業者の税金の一部を援助するという形を組み込んでいました。
しかし、その制度も30数年やってきたので、小規模事業者にも2023年から普通に消費税を納めてくださいということになります。
消費税を運転資金にしている中小企業は注意
消費税というのは消費者からの預かり金なので、着服してはいけません。
ところが、経営の厳しいと言うか、資金繰りの厳しい中小企業や零細企業は、実はこの消費税を運転資金に使っています。
消費税を滞納している中小企業も注意
そして実は、消費税をかなりの企業が滞納しています。
その消費税の滞納をどうやって回収するか、国としても差し押さえなどもするのですが、税金の徴収で差し押さえすると、その会社はすぐに潰れてしまいます。
そうなると消費税が10%に上がることによって、過去の消費税の徴収もかなり厳しくなります。
そうすると過去に滞納しているところが潰されていくという話です。
10年企業生存率1割の理由を真剣に考えること
消費税を10%に上げたぐらいでどうして会社が潰れるのかと言うと、実はそもそも消費税とはあまり関係なく、企業の10年生存率自体がたったの1割しかないということです。
10人の社長がいたら10年後も生き残っている会社の経営者は1人だけというのが現実なのです。
そのくらい資本金1,000万円くらいまでのスモールビジネスというのは生き残るだけでも大変なのです。
消費税を価格転嫁できない下請け企業
下請けが価格転嫁をできるようにする法律はもちろんあるのですが、実際のところ下請けが消費税分を割り食っている部分がたくさんあります。
あえて赤字にしている中小企業も注意
あえて赤字にしているような会社は1年くらいで潰れていきます。
企業は赤字を出すのは簡単ですから、1,000万円くらいの赤字は小さな会社ではすぐに出てしまいます。
ところがその10分の1のたった100万円の利益を出すのは、凄まじく難しいことです。
赤字にしているということは、儲かっていないわけですから、こういう会社はたった2%の消費税を上げられるだけで簡単に潰れてしまいます。
消費税は消費者(労働者)が負担する制度
わからないようにするのはちょっと頭がいい人たちですから、経営者側がどんなに従業員を裕福にしようと思って給料を上げても、給料を上げた分は税金で持っていかれるという制度なのです。
労働者は騙されていて、自分の給与明細を見て、税金を毎月取られているというのが普通の労働者です。
消費税はお年寄りのサービスに使われている
消費税のお金はどこに行くのかというと、理屈としては、良いことにお金を使いますからと言われるのです。
社会保障4経費と言って、年金、医療、介護、そして子育て支援の4つがあります。
ほとんどを年金と医療が大きく占めていて、介護を含めても、お年寄りが税金でサービスを受けていて、そしてそのお年寄りのサービスにまつわる人たちもこの税金でご飯を食べています。
そこにお金が行くわけです。
子どもたちにはいかない税サービス
つまり老人の方にお金が入って、子どもたちには実際にはいきません。
今の選挙制度においては、どんなに頑張ったとしてもこの制度は崩れませんし、どの政党が政権を取っても、子どもにお金が行くのではなくて、必ずお年寄りの方に行きます。
なぜなら選挙に行くお年寄りの人数の方が圧倒的に多いし、もともと多数決というのは、そういうものです。このままいけば事業者の方もきついし、労働者もどんどん取られていくときに、良いことに使いますという嘘はもうまかり通らないのです。
正社員制度も崩壊する
中小企業においても、本来であれば、パートさんやアルバイトさんたちに行くべき人件費が、1回正社員に入って、そして正社員が税金を払っているわけですから、この制度が長く持つわけはありません。
中小企業は価値の提供のしかたを考えるべき
皆、限界ですから、これからは正社員制度もなくなり、事業者の方も消費税をどうやって対応していくか、どうやって生き残っていくのかということを考えてください。
人と同じような経営をしたら絶対潰れると思うので、どうやって人と違うことで世の中に価値を与えていくかを、中小企業ほど考えていかなければいけないと思っています。