マイナス金利時代の資産防衛は確定拠出年金の活用から始まる

確定拠出年金

 日銀がマイナス金利を導入したことで、民間銀行は日銀からの利息収入を得ることができなくなり、逆に手数料をとられるため痛手を追うことになりました。個人の預金口座にマイナス金利が適用される可能性は極めて低いですが、預金金利が抑えられることは確実で、資産を運用する必要が生じます。そこでお勧めしたい運用手法の一つが、確定拠出年金制度を活用し税還付を受ける方法です。

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マイナス金利政策は銀行に大きな痛手もたらす

 1月29日の日銀金融政策決定会合において、欧州に続き日本でも「マイナス金利」の導入が決定されました。

 日本の民間銀行は、当座預金を中央銀行である日本銀行に預けているわけですが、現在約250兆円が預けられており、年間約2,000億円の利息収入を受け取っています。

 今回の決定で当座預金のすべてに0.1%のマイナス金利が適用されるわけではないものの、銀行にとっては最も安定的な運用先から、逆に手数料を取られてしまうような形になり、大きな痛手になってしまうのは明らかです。

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銀行に預金するなら確定拠出年金制度で運用を

 そもそも大手都市銀行の普通預金の金利は0.020%程度です。

 仮に100万円を1年間預けていても年間200円程度の利息しか受け取ることしかできません。

 しかも、物価上昇率2%を目標とした金融政策を行っている中では、物価上昇率以下の預金金利の時点で実質的にマイナス金利の状態なのです。

 個人の預金口座にマイナス金利が適用される可能性は低いと言われていますが、将来のことを考えると、預金だけでお金を保有しておくことが得策では無いことは誰の目に見ても明らかでしょう。

 それでは今後、どのようにしてお金を運用していけばいいのか。

 現時点で最も有益な選択として考えられるのは「確定拠出年金制度」の活用でしょう。

  確定拠出年金制度は、退職後に備えるための資産形成を目的とした制度であるため、掛金の全額が所得控除を受けられるなど、税制上の大きな優遇措置が取られています。(その代わりに拠出した掛金は、60歳以降にならなければ引き出すことができません)

 例えば、年間12万円を掛金として拠出した場合、所得税率10%の納税者であれば、1万2千円を節税することが可能です。(課税所得に対して一律10%の課税である住民税と合わせると年間2万4千円の節税となる計算です。)

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年間数十円の利息と1.2万円の税還付で大きな差

 このように制度を活用することによっては、同じ12万円の貯蓄であっても、年間数十円の利息か、または1万2千円の税還付が受けられるかで大きく結果が異なってきます。

 これからの時代、確定拠出年金やNISAなどの優遇税制をしっかりと理解し、活用することで、賢くお金を育てる方法を選択していくことが大切です。

 ※確定拠出年金制度は、現時点では公務員や専業主婦などの方は利用することが出来ませんが、来年からそれらの方々も対象とするための法整備が図られているところです。

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永柄 正智

1972年1月 長崎市生まれ。
シンガポール在住。

趣味:海外旅行、街歩き、子育て

性格:物事を常に前向きにとらえる非常にプラス思考な性格

【保有資格】
CFP@(日本FP協会認定:国際資格)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
神戸市アジア進出支援センター・アドバイザー
ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団認定)

地方自治体の職員として20年間勤務し、都市再開発事業や観光振興、空港のオペレーション業務などの仕事を経験してきました。特に公共事業に伴う地元調整や補償交渉等の様々な経験を活かした問題解決型のアドバイスを得意としております。

数年前に妻の仕事の関係で、家族でシンガポールに移住することを決意し、移住の準備を進めてきました。その経験の中で、ライフプランニングにおいて適切な判断を行うためには、社会保障制度や税制、教育等の仕組みや知識を十分に理解する必要性があることを再認識し、FP資格及びロングステイアドバイザーの資格を取得しました。

現在、シンガポールにおいて、現地駐在員や海外移住希望者、教育移住希望者の方々を対象としたファイナンシャルプランナーとして活動しています。

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