営業は正しい戦略を立てれば、あとは営業の「質」と「量」を徹底して向上させることで、結果(数字)を明確に出すことが可能になります。ところが「戦略を立てる」という言葉は非常に漠然としていて、どこか掴みどころがありません。営業社員を納得させて動かすには、具体性があるエリア戦略とシェアアップ戦略を立てる必要があります。営業の質と量を高めるのは戦略を立てた後の話です。
売上・シェアを上げるために必要な戦略とは?
営業は正しい戦略を立てれば、あとは営業の「質」と「量」を徹底して向上させることで、結果(数字)を明確に出すことが可能になります。
ところが「戦略を立てる」という言葉は非常に漠然としていて、どこか掴みどころがありません。それでは実行にも移せません。
論理的でないと人は動かず、実務的でないと行動につながらず、実践的でないと結果すら出ません。
戦略の立て方を具体的に知らないと、上司や経営者の気合が入った言葉は空虚を彷徨い、戦略を立てようとする時間にも何ら意味がなくなってしまいます。
売上・シェアを上げるためには、どんな戦略を立てる必要があるのでしょうか?
営業の全社員で共有すべき2つの戦略を知ろう
戦略を立てる際は、「エリア戦略」と「シェアアップ戦略」をセットで立案・実践可能な範囲まで引き上げる必要があります。
どのように上記2つの戦略を立てるか解説していきたいと思います。
1)エリア戦略
エリア戦略とは、自社の盤石な営業エリアを確立するために必要とされる戦略です。
私達は、これまで自社が進出した領域(地域)毎にシェアの統計(数字)を活用し、どのエリアで自社が強く、どのエリアで自社が弱いのかを可視化する必要があります。
なぜなら企業の資源は有限であり、ヒト・モノ・カネにはいずれも限りがあるからです。企業は持ちうる資源を最大効率で活用しなければ、ムダを生む集団に変わってしまいます。
他社を寄せ付けない圧倒的に強いエリアを見定めるためには、エリアの地域性や地理的構造などの定性情報、人口の増加率、自社および競合のシェア等、定量情報を客観的に分析し、どのエリアを自社が攻略するのか決定する必要があります。
2)シェアアップ戦略
毎年2・3月辺りになると、来年度の方針発表会などで「来年度は3%のシェアアップを目指します」といった営業計画を、私達は社員の口から耳にします。
では、どのようにして3%ものシェアをアップさせるのかと尋ねると「気合を入れます」「ハッパを掛けます」こういった言葉以外の返答が聞かれることはまずありません。
これではシェアが上がることなどありません。しかし彼らを頭ごなしに叱ってはなりません。なぜなら彼らはシェアを上げるための具体的手法を知らないからです。
シェアアップ戦略を立てる際は必ず「1W3H」に基づく、戦略作りが求められます。
つまり、
- どのお客様をターゲットにして(Who?)
- どのような活動をして(How?)
- どのような状態にすれば(How Many?)
- どれくらいシェアが上がるかHow Much?
という方程式の元に、論理的で、実務的かつ実践的なシェアアップ戦略を立てる必要があるのです。
2つの戦略をクロスすれば社員に共有しやすい
今回お伝えしたエリア戦略とシェアアップ戦略をクロスさせると、営業活動には即効性が生じます。
どのエリアを攻略すれば盤石な市場が形成できるかという特定のエリアを選出し、そのエリアの中でどの顧客を攻略するかという顧客ターゲットを明確にして活動することを、営業社員が「簡単明瞭」に理解し共有できるからです。
あとは「質」を高め「量」をこなすだけです。
これらの戦略理論は、基本理論をきちんと学べば誰でも理解でき、応用が可能です。
次回は、営業の「量」はどうすれば増やせるか?についてお伝えしたいと思います。