「サラリーマンのお小遣い調査:2015年版」が発表され、男性会社員のお小遣い額は月額37,642 円と前年比1,930 円減少する結果となりました。また過去30年の調査では日経平均株価の上昇にお小遣いも上昇連動していたにも関わらず、今回は株価への連動も見られません。実質的にサラリーマンの賃金は減少し、家計も圧迫されていることがわかります。
サラリーマンのお小遣いは30年で2番目に安い
新生銀行が毎年発表している「サラリーマンのお小遣い調査:2015年版」が発表されました。
2015年の調査では、男性会社員のお小遣い額が月額37,642 円と前年比1,930 円減少しました。
この数字は1979 年の調査開始以来、過去2 番目に低い金額(最低額は 1982 年の 34,100 円)となっています。
ちなみにリーマン・ショックを引き金にした世界的な不況時の2008年ですら、日本のサラリーマンが45,825円のお小遣いを手にしていました。
また男性会社員の昼食代は 601 円で前年比60 円増という結果でしたが、これは物価の上昇と消費税の増税の影響を受けて出費が増えただけで、決してサラリーマンの生活水準が向上していることを意味していません。
消費税の負担を感じる人が、男性会社員で78.2%と過去最高値をたたき出していることがその証拠です。
株価上昇にお小遣いが連動しなくなっている
話しは変わり、サラリーマンのお小遣いには面白い特徴があります。
株価の上下変動に合わせて、お小遣い額も正の相関関係で連動して動くという特徴です。
例えば、1989年に38,916円を日経平均株価が記録した翌年(1990年)に、サラリーマンのお小遣いは月額77,725円と連動して一気に増えました。
小泉劇場が生み出した株高によって日経平均株価が17,226円を計測した2005年の翌年(2006年)には、39,000円台まで落ち込んだお小遣いが49,736円まで上昇しました。
しかし今回の調査では、30年間見られた株価とお小遣いの連動が見受けられません。
日経平均株価が3年連続で上昇し、倍以上の株価を付けているにも関わらず、お小遣いは株価に連動せず過去2番目の安さとなったのです。
収入がアップしても実質的に賃金はダウンした
経済環境や企業業績の好転により一定の収入アップは果たせたものの、実質的にサラリーマンの賃金は減少し、家計も圧迫されているのが現実です。
安倍政権が掲げるアベノミクスによって景気は回復しつつあるとされているにも関わらず、恩恵を受けているサラリーマンはごく一部の階層にしかすぎません。
労働基準法改正案によって残業代なども将来削られるため、将来的に更なるサラリーマンの所得減少が起こることも加味すれば、日本全体の財布の紐は更に固くなると考えてよいでしょう。
節約を意識するサラリーマンがどんどん増えていきます。