節分といえば豆まきのはずが、豆をまく人が少なくなっている
おにはそと ふくはうち パラッ パラッ パラッ パラッ まめのおと おにはこっそりにげていく
ということで明日、2月3日は節分の日。
古くは平安時代からのイベントである節分、豆まきは室町時代頃から庶民の習慣になったと言われている。
ところが近年、豆まきの習慣が若者を中心に衰退しているようだ。
ホットリンクの調べによると、「節分」に関するツイート数は2年連続で減少傾向。
特に、20歳未満の若い世代では、60.7%から50.0%と10ポイント以上も減少している。
なぜ、節分名物のはずの豆まきが衰退しているのだろうか?
節分用のお財布の内訳で考える豆まきと入れ替わった習慣
節分の市場規模はAERA※によると2015年の時点で550億円程度、バレンタイン市場規模が1,200〜1,300億円程度であるから、その半分程度と推測されている。
だいたい日本の世帯数5,043万※2で割ると、1世帯あたり節分に1,000円ほどのコストをかけている。
しかし、そのお財布の中身、つまり550億円の内訳を見ると、その半分を占めるのは豆ではなく、恵方巻き(寿司)であることがわかる。
平成26年2月の日本における、一世帯あたりの寿司への支出金額は 1,186円。このうち2月3日、つまり節分の日だけは一世帯平均で419円を寿司に支出している。
これを先ほどと同じように、日本の世帯数5,043万※2に乗じると、ちょうど223億円強となるのだ。
ちなみに恵方巻きに対する支出額は、2月の平均支出額の1/3以上、平日の支出額の10倍以上となる。
元来は恵方巻きを食べる習慣のない、沖縄や北海道などの地域でも2月の寿司への支出額が増えていることからも、恵方巻きを食べる習慣が豆まきの習慣に取って代わっていることが理解できる。
恵方巻きをステマと批判する前に考えたいこと
このような習慣の入れ替わりに対して、「恵方巻きの習慣浸透は、コンビニエンスストアのステルスマーケティングだ。」という批判的な意見もなかにはある。
ただ、筆者自身は、このように恵方巻きの習慣が浸透することを批判するよりは、習慣の多様化に重きを置き、節分市場自体が更に大きくなるよう議論を進めるほうが、建設的ではないかと思う。
というのも、バレンタインもクリスマスも、そしてハロウィンや端午の節句も、元はと言えば他国の習慣に由来するものだが、節分は日本オリジナルの習慣であり、ビジネスコンテンツとしてはまだ未開の分野だからだ。
豆まきも、恵方巻きも、節分お化け(扮装をして社寺へお参りに行く節分の習慣)も、日本で生まれたオリジナルの習慣であり、これを上手くミックスすれば世界から集客可能なイベントも作れるのではないだろうか。
豆まきも、恵方巻きも、節分お化けも、そのイベント自体にエンタテインメント性があるからだ。
もし節分イベントのビジネス活用が進めば、市場全体の底上げにより、これに携わる者の多くが恩恵を受けられる可能性が生まれるはずだ。
※参考リンク
「本まぐろ」に「インバウンド」「五郎丸」? “何でもアリ”恵方巻き商戦のスゴイ中身
※2参考リンク
厚生労働省