自分の才能のある・無しを客観的に見つめるのは難しい
今日は才能がないと「思った時」というテーマでお話しようと思います。
私達は自分に合っていない仕事とかをやっちゃうと「自分には才能がないんだ…」なんて思ってしまいがちですよね。
実は、実務上で才能があるか・ないかは、まぁぶっちゃけ自分に合ったことをやっていることをやっているかってだけの話だったりします。
合っていないことをやっちゃうと、「自分は才能ないんじゃないか…」ってね、どうしても心の状態も落ち込んでしまうことがあります。
ところが、自分が本来持っている才能っていうのは、自分自身ではあんまり気が付かないっていうことが多いんですね。
私も人前に出ると緊張で足がガタガタ震える田舎もんだったんですが、こうやって普通に喋れるようになって、食っていけるようになったのは、とにかくお金が無くてしょうがなく教室の講師になって、人に物事を教えて行かなければ、お金が稼げなかったんですね。
そういう苦労からやり始めたわけですけれど、色んな方から、「タナカさんはくっちゃべりの方で才能があるから、そっちの方で生きて行ったら?」と、かなり言われたんですね。
私自身は全くそれに気がついていなかったし、もちろん足がガタガタ緊張で震えて何にもできなくなるくらいのアガリ症でしたから、チャンスが無ければ、誰からも自分の持っている才能みたいなものに気づいてもらえなかったはずです。
つまり、才能って自分でもなかなか気付きにくいものだから、人に気づいてもらうのが一番なんじゃないかなって思います。
起業時は自分の得意分野を把握していないことが多い
それで、自分が持っている「得意」「不得意」を見るために、起業開業しようと思っている方には、創業塾のテキスト『創業の基礎知識とビジネスプランの立て方〜あなたの夢を具体的な計画にしてみましょう〜』というものをお渡ししています。
参考リンク:『創業の基礎知識とビジネスプランの立て方』
このテキストの後ろの部分には、”夢のワークシート”というものがあります。
夢のワークシートで大事なのは、生まれてから〜学校時代〜社会人時代と、どのように過ごして来て、そして自分のことをこれが得意だとか、これが不得意だと感じているのか。
それから自分の人生を誰が決めて来たのか。
自分で何歳のときにこれをやりたいと決めたのか、
それとも親の言いなりだったのかと。私はそういう部分を見ていくわけです。
自分自身では得意な部分とか不得意な部分とか分かっているつもりなんですけれど、私みたいに全くもって分かっていなかった、自分も、それから他人も分かっていなかったということだってあるわけですね。
不得意なことは得意な人にやってもらえばOK
起業開業の面白いところは、起業家の多くは自分の得意なところって実はあんまり分かっていなくって、自分の得意を生かす、それから自分の才能を生かすみたいなことって、あんまりやらないんですよ。
どうしても自分が勤めていた勝手知ったる、会社でやっていた作業の延長線上でやるので、業種も同じような形で会社を起こすことをするんですけれど、それって結果としては、傍(はた)から見ていると、不得意なことで始めてしまったんではないのかなぁ、って思うことの方が多いんです。
私の妻も税理士なんて商売をやっていますけれど、彼女も、向いているか・向いていないかで言うと、向いてないです。
ところが、自分が難関試験を通って、そして税理士というものをやってみて、たまたまです!
たまたま良かったのは、税理士の腕の見せ場っていうのは実は書類仕事だけではなくてですね、税務調査というものがありまして、そういうところには非常に向いていたんですね。
税務署が顧問先の会社さんに調査に入った時に、その会社の代理人として、税理士として税務署の実際には主査という人達が決めるんですけれども、その人達と要するに相手の顔を潰さないようにして、その落とし所を探していくっていうのがね、腕の見せどころなんですよ。
元々始めた頃には向いていなかったんですけれども、始めてしまって、そして税務調査の立会をすることになって、今も15年間ずっと税務調査の立会を本人がやっていますけれど、たまたまそういうむいている仕事があったったのはラッキーでした。
ところが不得意な所もたくさんありますからね(笑)。
やっぱり経営者の頭になってくると、不得意なことは得意な人にやってもらえばよろしって、こっちに大体みんな変わっていきます。
他から見たらすごい才能で与える喜びをお金に変える
確かに開業当初は何でも自分でやらなきゃいけないし、特に受験なんかも苦手科目をどう引き上げて行くかなんてね、そういう教育をされるわけですけれども、実際に社会に出たらですね、苦手なことはもう放っておいて、得意な人にやってもらうのが1番です。
自分の得意な部分を活かしていくという考えに変わっていくと、経営も上手くいきます。
私はコーチの仕事をやっているんですけれど、本人が気づいているか・いないかは関係ないんですよ。
その人が持っている「才能」や「得意」を私が見つけて、この人…こっちの方が合っているんだけれどなぁっていう感じで、そういうのを見つけて伸ばすようなことをやっています。
すると、かなりの割合で商売変えみたいなことが起こってきて(笑)、「私、なんか…いつの間にか人前で話していることが多くなりましたっ」とか、そういうこともあるんです。
そういう人は人前で話すことに才能があるんじゃないかと、あんまり本人も気づいていなかったと。
自分はこれができることが当たり前で、会社でもこういうことをやっていました〜っていうことでも、でもそれは傍から見ればすごい才能!っていうことがあるんですよ。
ですから、自分では出来て当たり前のことかもしれませんけれども、他から見たらすごい才能で、その才能が傍から見てどうやって本人がその才能に気づいて喜んでいくかというと、「才能」や「得意」を生かせる作戦の中で、「才能」「得意」を生かすって何かというと、結局「お金に変わってかえってくる」ということです。
つまり、お金の話になっちゃうんですね。
傍から見て、この人はこういう才能があり、こういう得意な分野がある、それをどう生かして、どうお金に変えて、お金になってかえってくる作戦を組むかっていうのが非常に大事であって、ここの作戦で間違えると自分が得意だと思っても、お金にならないまま結局長続きしないっていう実務の問題もあります。
イケてなくてもイケてないなりの才能がある
あとは今の商売というのは、少ない人数で個々を生かしていくっていうのがあります。
これができるだけで、その人が持っている才能というのは非常に生かせる機会も多いし、なおかつお金になるんですよ。
そしてこの”少ない人数”の考え方というのは、学校のクラスの中で幾つかのグループがあるのって…普通ですよね??
今もあると思うんですよね。例えばイケてるグループとか、それとは対極的にイケてないグループとか(笑)。
そういう形で中小零細企業なんかまさに、イケてるグループとイケてないグループに分かれるぐらいには、会社のメンバーだけじゃ構成されないのが普通なんですよ。
ですからその少ない人数の中で、例えばイケてない方だったなら、うちイケてないグループなんだけれど、じゃあイケてないグループの個々を生かして、じゃあお客様はどういう人達をお客様にしようかと思ったら、イケてないグループのお客様がイケてる人達っていうのは、多分あり得ないと思うんですね。
だけれども、「俺らはイケてない人達の気持ちがよぉく分かるから、イケてない向けのサービスだったら絶対自信ある!俺達はそっちの方でやって行きたい!」とかね。
「俺達もイケてなかったから、もっとイケてない奴の気持ちになって、あいつらももっと楽しい人生送らせてやろうぜ!!」みたいなサービスだったら、やっぱりできるわけですよ。
ですから、自分の才能や得意なことっていうのは、我々も夢のワークシートには書いては頂くんですけれど、実際に実務に走ってみると、色んな所で違う才能が見つかることがたくさんあります。
人間1個くらいは才能を持っていますからね、まずは小さなグループでもまとめてみる。
それだけでも大した才能なので、こういう所から商売を見つめ直しても良いと思います。