企業の不祥事や悪評を元にした、ネットでの告発が相次いでいる。2014年末のペヤングやマクドナルドの、食品異物混入問題を筆頭として、インターネットを通じた企業や個人のダイレクト批判が止むことはない。企業も告発対策を行っているが、消費者は興味本位で情報拡散を行うため、一番大事なのはクレーム分析と真摯な対応となるであろう。
ネットによる企業告発はますます多くなる
企業の不祥事や悪評を元にした、ネットでの告発が相次いでいる。
代表例として、2014年末のペヤングやマクドナルドの、食品異物混入問題があげられる。ユニクロやワタミも、ここ2〜3年でブラック企業として悪インターネット上で叩かれている企業と言えよう。
いずれも、”ネタ”の発信元は個人ユーザで、Twitterなどを通じて企業や個人をダイレクトに批判することで、企業の不祥事などが明らかになっている。
インターネットを味方にするか、敵にするかで、企業の風当たりは大きく変わる。情報発信は重要だが、自社サイトをいくら美しく作りあげても、個人が発信するサイトで酷評されると、企業にとってはひとたまりもない。
どうすればネット告発を防げるだろうか。
消費者の情報拡散は興味本位で行われる
株式会社宣伝会議はTwitterユーザに対し、ネット告発に関連する項目を調査した。
アンケートの結果、「ネット上で企業や商品に対するネガティブな投稿を見たことがある」というユーザは4割、実際に投稿・リツイートしたことがある人が2割にも及ぶことが判明した。
一方、企業側は、「企業や商品が炎上したことがある」とした企業は1割超、「炎上に備えた対策マニュアルがある」という企業は3割。そして、5割以上が「自社に関するネット上の声を監視している」と回答している。
企業側が対策マニュアルを用意しているという割合の意外な多さが、近年のネット告発の激しさを物語っている。これからさらにネット告発に対して、対策マニュアルを用意する企業は増えるだろう。
「ネット告発なんてやめてほしい」という企業の切実な願いに対して、ユーザーはTwitterで目新しい投稿を見つけるとどうしてもリツイートしたくなるのが正直なところ。
現にアンケート結果でも、なぜネガティブ投稿をしたりそれにリツイートしたか、に対する回答結果は、「興味を引くような内容だったから」6割超、「話題になっていたから」4割超となっている一方で、「投稿者に共感したから」はわずか3割弱。
個人のTwitterはたえずネタ不足を起こしていることが常であり、目新しいもの、面白そうなものがあると野次馬感覚で気軽に投稿されている実態が浮き彫りとなった。
炎上対策はリアルの対応と変わらない
「炎上」は言い換えれば、「クレームを機におこるヤジの嵐」だ。クレームにうまく対処することで、逆にイメージが好転するケースもある。
宣伝会議は調査の締めくくりとして、東京大学大学院工学研究科の鳥海不二夫准教授による以下の言葉を引用している。
「SNSで企業のネガティブ投稿で大注目されたとしても、ただの話題とされている可能性が多い。炎上を怖がらず、誰がいかに話題にしているか分析、調査することで対策につなげるとよい」
我々がネットワーク社会の情報拡散から逃れることは不可能だ。
折しもインターネットのない時代に、松下幸之助が「苦情を受けたときは縁がむすばれる好機」と言ったように、炎上した際は、周囲を客観的に注視し次につなげる努力を行う必要がある。
ネットもリアルも、そして今も昔も、コミュニケーションを積極的に取り、顧客に対して真摯な対応が求められている点は、さほど変わりがない。
参照元
PRTIMES「株式会社宣伝会議リリースアンケート」
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000002888.html