これまでの常識で考えると、「なぜその情報を、そのコンテンツをタダで提供するのか?」と戸惑うような、情報発信の仕方をする人や会社が増えています。このような傾向は更に強まっていき、情報自体はどんどん価値がなくなっていくため、情報を惜しみなく発信し、情報+αのサービスを提供する人や会社が台頭することになります。
言葉や文章で言い表すことが出来る情報には全く価値がない
本日は、「無料の情報発信」というキーワードでお話してみたいと思います。
ちょうど半年前くらいでしょうか、芸人でもあり絵本作家でもある西野亮廣さんが、著書「えんとつ町のプペル」をウェブ限定で無料公開したことに対して、多くの人が「クリエイターの作った商品の価値を下げる行為」だと批判し、ちょっとした騒動となりました。
ウェブ上で情報発信している私自身の情報に対する考え方は、「言葉や文章で言い表すことが出来る情報には全く価値がない」というものです。
更に今後、このような傾向は更に強まっていき、情報自体はどんどん価値がなくなっていくと、そう考えています。
ただ情報が欲しいだけの人はお金を出さなくなる
わかりやすい具体例でなぜそうなるのか考えてみましょう。
あるリゾート地に「ウミガメと一緒に泳ぎましょう」というシュノーケリングツアーがあったとします。
ガイドさんが着くと1人あたり1万円くらい取られるのですが、この時にお客さんは2種類の人に分かれます。
それは、
- ウミガメのいる場所や口で表せる場所が知りたいだけの人→情報が欲しいだけの人
- 場所はもちろん、海で起きる危険から守って欲しい人→情報+αが欲しい人
です。
今まではこの二種類のお客さんがいたのですが、これからの時代では「情報が欲しいだけの人」はお金を払わないようになります。
なぜかというと、ウミガメがいる場所は検索エンジンやインスタグラムなどのSNSを調べれば、情報をある程度入手できるからです。
インスタグラムで「#ウミガメ」「#Sea Turtle」とタグ検索を検索すると、具体的に「どこのビーチでウミガメと泳げる」というような情報が出てきます。
実際に上記のような形で、私は趣味の釣りが出来るポイントをインターネット検索でいつも見つけています。
ですから、情報が欲しいだけの人はインターネット検索をかけて自分で動くので、ガイドさんにお金を出さなくなります。
ガイドさんにお金を支払う人は「情報+αが欲しい人」だけになるのは悪い話に聞こえるかもしれませんが、この人にとっての+αはサービスであったり、ガイドさんのパーソナリティとなるため、+αがしっかりしていれば価格競争から抜け出すことも可能になります。
情報弱者の弱みにつけこむボッタクリサービスは消える
インターネット業界で考えてみても、ホームページなんてどんな素人でも、簡単かつ無料で作れるようになりました。
独自のドメインとレンタルサーバーを借りても、年間で数千円あれば足りるようになりました。
情報発信のコストはこれからもどんどん下がっていきますから、インターネット上では情報がどんどん増えていくことになります。
ということは、ホームページ作成会社は自分達の持っている知識を出し惜しみなく提供し、更にその人や会社が抱える特有の問題も、個別に解決するための提案をしながら、ホームページを作るというような営業を行う必要があります。
これは別にインターネット業界に限らず、不動産業界であろうと、レジャー業界であろうと、どんな業界でも同じようになっていきます。
全く知らない人、情報を持っていない人の弱みにつけこんだ、ボッタクリ商売は遅かれ早かれ衰退していくのです。
情報を持っているだけの営業マンは稼げなくなる
こんなふうに情報の価値が無くなる時代には、情報を持っているだけの営業マンは稼げなくなり、情報をお客様のためにどう活用できるかを提案できる営業マンしか生き残れません。
情報化社会では、「情報」を持っているだけでは生き残れず、「情報+α」でビジネスを形作らねば顧客が先細ることになります。
言葉として、文章として、必ず誰かが自分達の業界関係者しか持っていない情報を、いずれ必ずインターネットでオープンにします。
だから、インターネットでお客様にとって価値のある情報を公開して、ファンを獲得できるかどうかも早い者勝ちです。
こんな時代が来てるんだってことを知っておくと、今自分達がどんなふうにお客さんと接すれば良いかも自ずと理解できると思います。