本稿は、宇田さんによる「インスタグラムは集客出来る?(中編)」をお送りします。フェイスブックに取って代わり、人々の間で受け入れられつつあるインスタグラム。なぜ、インスタグラムが受け入れられているのか?フェイスブックの短所と対比させながら、その3つの長所をご紹介していきます。
フェイスブックに代わって人気を集めるインスタグラム
「インスタグラムは集客出来る?」と題してお送りしておりますが、今回は中編になります。
前編では、「インスタグラムは集客出来る?(前編)まずFacebookの歴史を振り返ろう」というテーマでお話しました。
フェイスブックは起業の集客にとても有効な媒体だったわけですが、現状をみると、
①全く知らない人と友達に成らざるを得ない状況があり、友達が増えすぎてしまって、言いたいことも言えないアカウントが増えている。
②本当は友だちになりたくない、投稿を見られたくない人の申請も断りきれず、ストレスフルな状況となっている。
このような状況になっているのが現実ですよね。
少なくとも私の周りでは、フェイスブックに積極的に投稿する人がどんどん減っていますし、アカウントを削除する人も出始めています。
私自身も、ほとんどアクセスしなくなりましたし、仕事の連絡をメッセンジャーでやりとりするくらいで、プライベートでフェイスブックにアクセスすることはまず無くなりました。
というのは、友人数百人のうち、本当に友人と言える人は4分の1くらいしかいなくて、あとは一度会っただけ、あまり関わりたくない人も含まれているわけです。
そんな“知らない人”の、たとえば、おっさんのランチ写真投稿、子供が寝返りをうつ写真投稿ばっかりが流れるようになったんです。
つまり、今のフェイスブックはユーザーにとって全く面白くないSNSになってしまったんです。
それで、私もこの2年近くインスタグラムを活用するようになったのですが、これがめちゃくちゃ面白いんです。
フェイスブックと対比させながら、インスタグラムの何が良いのか、使ったことがない人にも理解していただけるようにご紹介していきますね。
ニックネームでOK。しかもフォロー制になっている
インスタグラムの面白いところの一つ目は、登録はニックネームでOK、しかもフォロー制になっていることです。
ビジネス目的でSNSを活用する人にとっては、実名登録、実名投稿がたしかにメリットのあることかもしれません。
しかし、一般のユーザー、何も考えずに使っているユーザーにとって、実名をさらして投稿することってリスクしかないんですよね。
フェイスブックを使ったユーザーは、そのことを嫌というほど理解しているんです。
また、フェイスブックは、「友達になる=相互フォローする」という関係でネットワークが作られてきました。
これは無茶苦茶な心理的障壁を私達に生み出しました。フェイスブックもそれを知ってか、フォローを外して自分の投稿を見れないようにする仕組みを後で追加しました。
でも、遊びで使う一般ユーザーはそんなこと知らないですし、そういう仕組が出来たことをネットで調べるのは仕事でフェイスブックを使う人くらいです。
対して、インスタグラムは、相手がフォローしてきても、自分がフォローし返す必要は無い、という図式のネットワークになっているので、とても気楽なんですね。
ツイッターも、フォローだけで良いですけれど、フォロー返しという独特な文化が嫌気されているので、インスタグラムに比べて一般ユーザーにとっての壁は高いです。
要は、「自分の好きな投稿だけ見て、自分も好き勝手な投稿をして、見たい人だけにフォローしてもらったら?」というのが、インスタグラムのスタンスなんです。
写真がメイン。不思議なポエムを入力する必要はない。
これも大きな特徴ですが、インスタグラムは写真がメインのSNSです。
フェイスブックの場合は、今から投稿しようと思った時に、まず文章から投稿しなければなりません。
文章を入力した後に、「写真を貼りますか?」「動画を貼りますか?」「友達にタグ付けしますか?」「位置情報入れますか?」というオプションを選択する形になっているはずです。
フェイスブックでは、よく、己の主義主張ばかりを流す「ポエマー(ポエット)」と呼ばれる人がいますけれど、あれも仕組が生み出した現象じゃないかと思います。
対して、インスタグラムに投稿しようと思ったら、「写真を撮ってください。」って依頼されるんですね。もしくは、ライブラリから写真を選択するように依頼されるんです。
その後で、「文章を入力しますか?」という流れなんですね。だから、余計な文章なんか必要ないので、見る側もスッキリです。
インスタグラムで写真無し、文章のみの投稿は出来ないことになっています。
また、ちょっとした文章を入力することはできるのですが、文章欄にURLを入力すると、URL自体を表示することはできるのですが、リンクを貼って、そこから外部サイトに飛ばすことが出来ない設定となっているんです。
なぜ、このような設計になっているかというと、写真はリンクをクリックさせるうえで、強烈なアイキャッチ画像となります。
悪いことを考える人は、美人のエロ写真を掲載して文章欄に出会い系サイトのURLを貼るでしょう。
インスタグラムは、そういうことを防ぐ設計になっています。
タグの設計が非常に秀逸でユーザーが回流する仕組みが出来ている
これがインスタグラムを使う上で、ユーザーにとって一番の長所と言えるかもしれません。
インスタグラムは、タグの設計が非常に秀逸で、ユーザーがストレス無く回流する仕組みがあります。
ツイッターやフェイスブックでもタグの設定はできるのですが、インスタグラムほどきれいにタグが整理されて、見やすいSNSは今のところありません。
タグを知らない方のために一言説明すると、#(シャープ)から始まるキーワードで、他人が使ったものを使うこともできますし、自分でタグを作ることも可能です。
たとえば、私は釣りが趣味で、釣りに関わるビジネスもやっているのですが、たとえばタグで「#釣り」という言葉を調べたとしましょう。
そうすると、「#釣り」というタグがついた写真が一斉にタイムラインにきれいに表示されるんです。
私は釣りが大好きですから、写真を見て「うわー!この魚凄いな!」と思ったら、この魚獲った人誰よ?とクリックします。
これがインスタグラムの凄いところで、タグを付けることによって、フォローしてくれている人が今は0人でも、自分が付けたタグによって誰かに自分のアカウントを見てもらえる可能性があるのです。
もっと言えば、興味のある分野のタグで自分のアカウントにたどり着いた人は、共通の趣味や思考を持っている可能性が高く、そういう人とネットワーク上で知り合いになれるのです。
だから、写真を投稿する時に、タグの数を増やせば、それだけそれらのキーワードで自分のアカウントに興味を持ってくれる人が増えていきます。
こんな感じで、現時点のインスタグラムは商売のかぐわしさや、人間関係の煩雑さが極めて少なく、ストレスレスな投稿がしやすい環境にあるわけです。
それで、かなり引っ張りましたが(笑)、じゃあインスタグラムは本当に主客媒体となるのか?どんな企業と相性が良いのか?ということを、最後の後編でご紹介しようと思います。
また、写真のアイキャッチが強力であることは前述のとおりですが、これを使った「超小手先テクニック」で、お小遣い稼ぎをする人も出てくるであろうという話も次回のお楽しみです。