インターネットの台頭により、訪問販売や対面販売が時代遅れのように見る人も一部いますが、実際のところは業績を伸ばせるところは、これらによって売上を伸ばしています。自分の話を聞いて欲しい、相談に乗って欲しい、問題解決にとことん一緒に取組んで欲しい、このような気持ちに応えることで訪問販売、対面販売には、まだまだ大きな成長余地が残されているのではないでしょうか?
訪問販売イケてね〜…私もそう思ってました。
訪問販売と聞くと、みなさんはどんなイメージを抱かれていますか?
きっと、時代遅れなビジネスモデルと感じている方が多いことでしょう。
私自身、今から30数年前の話ですが、化粧品の訪問販売を1年半経験し、その当時は全く売れないダメなセールスマンでした。
何軒訪問しても「けっこうです!」「間に合っています!」「来ないでください!」、こんな断り文句の雨あられにさらされ、毎日が重い気分でした。
玄関に、「セールスお断り」という貼り紙のお宅も当時から多くありました。
訪問販売の売上は依然としてテレビ通販の3倍
こんな自分の体験も相まって、訪問販売自体が時代に合わないもので、やっている会社があったとしても、細々と残っている程度くらいの印象を最近まで持っていました。
ところがどっこい、日本訪問販売協会の推計では、2015年度の訪問販売売上は1兆7123億円でテレビ通販の3倍、カタログ通販よりやや大きい規模とされています。
さすがに、20年くらい前のピーク時と比べると売上は半減しているそうですが、それにしても、未だにこんなに大きな売上規模を誇る業界なのですね。
なぜ、訪問販売は根強い人気があるのか、その背景には高齢化が存在します
販売員と会話しながら買物ができることを楽しみにしているシニア客が多く、このコミュニケーションが便利なネット通販にない魅力として、シニアには映っているようです。
ネット販売の台頭するBtoBビジネスでも対面にこだわり業績を伸ばす企業はある
機械工具の業界にも、ネット販売の波が押し寄せてきています。
この業界のネット販売では、モノタロウをはじめとした、新興企業が毎年業績を伸ばしています。
しかし、機械工具商社の熊本市の「マスナガ」社長は、こんな信念で事業を行っています。
「ネット販売とまともにやり合っても勝てません。うちの会社は真逆のフェイス・トゥ・フェイスに力を入れて、人間関係を強化することにしたんです」
ネット販売は便利で安いですが、現場に足を運び一緒に問題を解決する力はありません。
対して、人による接客は、お客様の悩みに寄り添うことができ、問題解決に向けてとことん取り組むことができることが強みです。
この会社では、「お客様の困りごとにNOを言わない」が合言葉になっており、従業員はお客様からの難しい問題に対して、積極的に取組み続けているそうです。
「ネット販売の安売り合戦に巻き込まれなかったおかげで、私が会社を継いでから利益率は6%に増えました」
これは、3代目の現社長の言葉です。
どんなに時代が進んでも、商売でお金をもらえるのは機械ではなく人です。
自分の話を聞いて欲しい、相談に乗って欲しい、問題解決にとことん一緒に取組んで欲しい、このような気持ちに応えることで訪問販売、対面販売には、まだまだ大きな成長余地が残されているのではないでしょうか?