地方ではどんどん人口が縮小していき、それに伴ってマーケットも衰退し始めています。このような場合、衰退するマーケットよりも拡大するマーケットへ打って出るというのが常套手段ですが、地方に地盤がある場合、これも守る必要があります。この時、生き残りを図るには、シェア取りを展開しないと基本的には勝つことができません。どのようにこれを実行すれば良いのでしょうか?
縮小市場で勝ち残りたいなら最終的にはシェア取りをするしかない
今回は、特に地方で顕著なんですけれど、どんどんマーケットが衰退していく産業をやっているときに、どうやって勝ち残っていけば良いのか?ということについて、お話してみたいと思います。
人口がどんどん減っていって、お金の流れもどんどん中央に流れていく、こういう状態でどうやって立ち回ったら良いのか?と悩まれる方は多いのではないでしょうか。
まずは、衰退するマーケットよりも拡大するマーケットへ打って出るというのが常套手段ですけれども、もともと地方に地盤がある場合、これを守りながら拡大マーケットへ打って出る必要があります。
足元を崩されたのじゃ話になりませんからね。
この場合、結論からいうと、残存顧客を取り込む戦略、つまり、その地方内の業界においてシェア取りを展開しないと、基本的には勝つことができません。
縮小市場において一気にシェアを取る方法は2つだけ
シェア取りには2つのやり方があって、1つは企業買収、もう1つは低価格で市場のシェアを取りに行く、というやり方です。
1つ目の企業買収ですけれど、別に上場企業だけの話ではなく、最近では地方でもかなり容易に行えるようになってきました。
そのつなぎ役は地方銀行や信組です。
彼らがビジネスマッチングイベントやセミナーをやっているところで、形式上は、買収されるのは嫌だから、最初は「マッチング」で繋がるんだけれど、最後には買収するという形で、シェア取りをされている経営者さんも増えています。
中には、金融機関とタッグを組んで、買収するためのお金を資金調達し、マッチングの場所をセッティングしてもらい、積極的にシェア取りをされている方もいます。
この時に大事なのは、以下に相手の情報を事前に仕入れて、マッチング後の買収までスピードを早めていけるかというところにあります。
地方で50%とか市場シェアを取れれば、あとは資本力の差があれば、いずれは残りの企業も一緒にくっつく、もしくは自滅する、という状態になりますからね。
もう1つは低価格で行くやり方で、これでうまくいっている方達もいます。
極端な話ですけれど、ライバルが1万円で商品を販売したら、こちらは5,000円で同じ商品を販売すると、それくらいあからさまに低価格を設定します。
ただ、このやり方には欠点が1つあります。それは、低価格を設定しても売れないものだと、この戦略が取りにくいということです。
たとえば、中古車販売なんかがその1つですね。売れている地域もあるのかもしれませんが、コンサルさせていただいている中古車販売会社さんを見ていると、基本的には今より安くても2倍売れるということはありません。
単価が高い商品、長い期間をかけて消費する商品を販売する場合は、低価格戦略を取りにくいというところはあります。
同業者の馴れ合い同士でも最終的には雌雄を決しなければならない
地盤が地方にあると、どうしても同業者間でも馴れ合いのような関係が生じて、今回のような「勝つか負けるか」という話に拒否反応を示し、圧倒的な勝ちを取りに行きたがらない方が結構いらっしゃいます。
しかし、どんなに同業馴れ合いの仲間内で仲良くやっていたとしても、会社を経営している以上は、皆が1匹の狼、狼の群れのボスのようなものです。
いずれ仲間内で雌雄を決するときが来ますし、それに躊躇していれば仲間の中から、もしくは外部から突然、貴方が参入している市場のシェアを奪う者(ディスラプター)が現れます。
その時に気付いたのではもう遅いのです。
縮小する市場では最後に必ずプレイヤーが少なくなりますから、どこかでシェアを取りに行かなければならない、そのためには買収、低価格による残存顧客の獲得が必要だ、ということを覚えておいていただければと思います。