お笑いタレントの「ガリガリガリクソン」さんが、酒気帯び運転容疑で逮捕されたと報じられています。同じように、車を主要な移動手段とする地域では、未だに飲酒運転をする人が多々存在しており、これを看過する人、同乗する人もいます。果たして、逮捕された飲酒運転者と一緒にお酒の席に同席していた人には、飲酒運転者に対する保護責任が生じるのでしょうか?
ガリガリガリクソンさんが酒気帯び運転で逮捕
先週から、お笑いタレントの「ガリガリガリクソン」さんが、酒気帯び運転容疑で逮捕されたことが大きく報じられています。
車を主要な移動手段とする地域では、未だにビジネス上の飲み会でもバレないと思っているのか、飲酒運転をする人がいます。
この際に、飲酒運転者を看過する人、同乗する同席者すら存在するのが現実です。
飲酒運転者が捕まった場合、これら周囲にいる人々はどうみなされるのでしょうか?
同席者には飲酒運転者の保護責任が生じるか?
ガリガリガリクソンさんの場合は、飲酒の際にグラビアアイドル・門楼(もんろう)まりりんさんが飲酒の席に同席していたことから、彼女も批判視されています。
門楼さんの話によると、2人は12日の午前2時半ごろに合流し、男女合わせて10人弱で午前6時ごろまで呑んでいました。
その際、彼は1人で立っていられないほど酔っていたため店でタクシーを呼び、到着したタクシーに乗せようとしたところで、 “初めて” 彼は「車で来ている」と明かしたようです。
飲酒運転をする恐れのある者に酒を提供した者には刑事罰、事故を起こせば飲酒運転をやめさせる義務を怠った者にも民事上の責任が問われます。
そして、「車で寝て帰る」と話したので女性タレントが駐車場まで送り、「絶対に車を運転してはだめ」と釘を刺してから別れたとのこと。
その後、彼は「運転したことも覚えていない」状態で車を運転してしまいました。
ここで、まず、門楼まりりんさんの行為が『保護責任者遺棄(罪)』に当たらないのか問題となります?
ガリガリガリクソンさんが泥酔していたとして、彼を保護すべき責任があったかどうかに関しては、以下の判例が参考になります。
責任は 単に法令に基くもののみならず
契約に因ると 事務管理に因ると はた又社会一般通念に因るとを問わざるものと解すべきである
彼女と合流した時点で彼はすでに呑んでいたでしょうし、彼女だけが積極的にお酒を勧めたのでもなければ、彼女を「(病者を)保護すべき責任ある者」とまで言うことは難しいでしょう。
飲酒運転者の保護責任者が訴えられる場合は?
次に、門楼さんがガリガリガリクソンさんを、駐車場まで送って行ったことが問題となります。
泥酔した彼を(頼まれたか積極的にか)引き受けたのは彼女自身のようです。
扶助を要すべき泥酔者を保護する責任を承諾した、とも言える立場になるわけです。(そもそも、一人で歩けないほど酔っていたなら、あの体重を女性が支えられたのか?別の介添人がいたのではないかとも考えられるが。)
酩酊・泥酔者は意識のない状態で運転してしまう危険性があるため、「大丈夫、酔いが醒めるまで車で寝るわ。」と言って、保護したうえで車を運転しないようにすることまで必要なのでしょうか?
刑事的判断としては、保護責任者の適用範囲が限定されるものの、運転していた車のタイヤがパンクしていたことからも分かるように、(大丈夫だろうとして放置した酩酊・泥酔者が)人身事故など重大事故を起こした際には、被害者が酒席を共にした者や車まで送った者に対して、共同被告とする損害賠償請求を求める可能性があります。
ただし、酩酊・泥酔している者に、運転した結果生じた罪・責任を、保護責任者にまで問えるのかという問題もあると言えばありますし、簡単ではない問題を提起する事件になったかも知れません。
一時の気の迷いが、一生の後悔を生む。飲酒運転は絶対に駄目。
ただ、濃い目とはいえ、ハイボールの5〜6杯で記憶を失くすという状態は…
その程度の弱さなら、明け方まで粋ガリなさんな、お家で静かに呑んでなさい。と言いたくなるのが本音です。
そして、女性タレントの「門楼まりりん」さん…「モンロー」に気付くまで、ふた呼吸くらいかかりました。
また、何人目かの便乗になられるのでしょうかね?
どんな理由があるにせよ、飲酒運転は絶対的な愚行であり、ビジネス上の飲み会などでこのような事態に至った時は、懲戒免職となることもやむを得ないでしょう。
一時の気の迷いが、一生の後悔を生むことを忘れてはなりません。