駆け出し事業者の選んでもらえない厳しい現実
今日は開業2〜3年目くらいの駆け出し事業者さん向けに「選ばれる人になる」というテーマでお話します。
開業したてですと、やっぱりなかなか選んでもらえないんですよね。
前の会社の看板なんてクソも役に立たないですし、そもそも、あなたのことなんて誰も知らないわけですから。
その選んでもらえない状態が長く続くときもありますので、その時の打開策をおさらいしてみましょう。
打開策1:「志」をとにかく外部へ伝え続ける
「しごと」という文字には4つの使い道があるんですね。
- 仕事
- 私事
- 死事
- 志事
これをご存知だという社長さんは、かなりご年配の方なんじゃないかなって思いますが、社長さん方ってこういう当て字が好きなんですよね〜。
何でもモジって言うんです(笑)
仕事をモジって「おまえのしごとは仕える事なんだ!」とか、「おまえのしごとは私事なのか?」とかね。
これは例えば従業員さんが「今月ちょっとお金足りないから、テキトーに残業をやって、残業代をせしめてやろう…」とかそういうことが実際にあるわけですよね。
それこそ自分の都合、私事なんですよね。
あとは死事。
「おまえは、もう死んだ事、やりたくないこと、やりたくないことをやり続けていくのか?」なんてね。
さて、この4つの中で社長さんが1番好きな「しごと」が、「おまえのしごとは、ちゃんと志をもった事か〜!?」というヤツです。
「世の中を良くしていこうとか、人を幸せにしていこうとか、人の困った事を助けていこうって、そういう志をお前は持っているのかぁ?」って聞いてくるんですよ。
特に、事業者としてレベルの高い人は、「志」というのがその人にあるのか?というのを、物凄く見ているんですよね。
事業者にも色んな人がいますけれど、レベルの高い人はしっかりと4つの「しごと」の中でも、付き合う人に「志事」があるのかを見ています。
というわけで、駆け出し事業者の場合は、自分の仕事ひとつひとつを取っても、きちんと「志を」伝えていかなくてはいけない、ということを意識しなければなりません。
なぜなら、「志」って本当に伝わらないものなんですよね。日本人ていうのは、みんな伝えるのがなかなか下手ですから。
取引先さんにもそうですし、銀行さんにもそうですし、色んなところに、自分の「志」がなかなか伝わらないんです。
だから、どうにかずっと伝え続けていく。それを駆け出し事業者はやっていかざるを得ないんですね。
打開策2:自社の強みを明確にして表明する
それから開業するときに「どこが売りなのか」っていうことも、駆け出し事業者は明確にアウトプットする必要があります。
技術力・営業力・変化力などですね。
「うちはとにかく技術力が高くて、最新の技術を創り出しています!」
とか、
「うちは営業力がイケてます!お客様のところに足繁く通って「どこらへんが困っていますか?!」って御用聞きの営業が出来ます!」
という感じで、明確に「どこが売りなのか」を伝えなければなりません。
それから、これはなかなか無いんですが、変化力っていうのも一つのウリ文句になるんですよ。
技術力も大したこと無いし、営業力も大したこと無いんだけれど、常に世の中やお客様に合わせながら会社を変えていける。
それだけでも続けていけるんです。つまり、お客様に選ばれているんですね。
もう1回言うと、選ばれる3つのポイントは、
- 技術なのか?
- 営業なのか?
- 変化なのか?
って話なんです。
変化し続けていく力も、技術力や営業力と同じように1つの力としてお客様に選ばれる要素、お客様をつなぎとめておける有望な力だということを、ぜひ覚えておいてください。
打開策3:器用貧乏を止め自分軸で動くべし
これもよくある話なんですが、駆け出し事業者として1番困るのは「器用貧乏」なことです。
事業者はそこそこ優秀ですから、そこそこ何でも自分で出来ちゃうわけです。
それでハッと「ウチも器用貧乏に陥ってないか…?」っていうことに、駆け出し社長さん方はよく気がつかれると思います。
この器用貧乏っていうのは、従業員さんだったら意外と良いんです。
なんでもそこそこ出来る従業員さんって、便利じゃないですか?
従業員さんレベルでしたら、何の問題も無いんですけれども、自分が選ばれる、それから自社が選ばれるときに、「あいつ器用貧乏だよな」っていうことを相手に悟られたら、なかなか選んでもらえません。
何が必要かというと、自分としても、それから会社としても「軸」を持っていなくてはいけません。
「器用貧乏」は本当に捨てるべきものです。
自分がやらなくても良いことは他人に任せて、自分のやるべきことを自分軸でやっていくことを意識しましょう。
打開策4:とにかく目立ちまくり顧客を増やせ
それから、これは下請けからの脱却を図る時も同じなのですが、とにかく選んでもらう大前提として、
- ・露出力
- ・目立ち力
- ・注目力
これらの力を高める必要があります。
みんなに注目されていることを、とにかく意識してください。簡単な話をすれば、目立つ所に看板があれば良いんです(笑)
でも、下請けをやっていると、こういうことを一切考えなくなってくるんです。
だって、下請けですから、表に出る必要が無くてラクなんですよね!
景気が良い時は営業しなくても、上からどんどん何億の仕事がもらえるから良いんです。
ところが、やっぱり上が全てを握ってますから、上から仕事がもらえなくなったら、下請けは潰れていくしかない。
これが下請けの現実です。
だから、駆け出し事業者も下請けを脱却する時と同じように、露出を高めて、目立って、みんなから注目を集めていないと選んでもらえません。
目立って、色んな方に選んでもらって、一種の分散投資に近い意味で、沢山の取引先を作っていくということを意識しましょう。
これをやっていかないと、本当の意味で「小さくても強い会社」は作れません。
打開策5:如何に顧客をファンにするか考えよ
それからコンベ負けする方がいたら、意識してほしいことがあります。
「今回3社参加してやったんだけれど、またうちは今回も選ばれなかった(泣)」なんて、そういう状況に陥っている方ですよ!
そういう方は、おそらく技術で負けた、価格で負けた、そっちの原因と思われていませんか?
だとしたら、全然違います。
そもそも、相手をファンにしようと思って提案をしているかどうか、自分に問いかけてみてください。
実は、提案力がある人たちっていうのは、相手を自分のファンにしてやろう!!って思うぐらいの提案をしてくるんですよ。
自分がもし選ばれたかったら、なるべく勝つ確率の高い、「相手をファンにしてやろう!」っていう提案を続けてください。
それでも選ばれなかったら、しようがないです!それは、「縁が無かっただけ」です。
ですが、相手をファンにしよう!という提案は勝つ確率が高いわけですから、これをずーーーっと続けていけば、自分が選ばれる確率は高まるということです。
これは知らない方が、結構いらっしゃるので、ぜひ参考にして下さいね。