商売を始める時にいちばん大事な要素は、「業種」と「場所」について、しっかりと狙いを定めることです。ところが、この2つをしっかり見定められたとて、いざ商売を始めてみれば、週イチ改善でどんどんサービスをブラッシュアップする必要があります。そこで本稿は、週イチ改善を見定める2つの指標と、改善後に見られる2つの特徴をご紹介いたします。
起業は選んだ「業種」と「場所」でほぼ決まる
商売は、やっぱり始めた時が1番大事です。
まずはどの場所で、どんな商売を始めるのか?ということが1番大事で、私は実務上、この考えを詰めていくには、半年くらいかけて良いんじゃないかなと思います。
商売を始める場合、ほとんどの方が勤め人(サラリーマン)を辞めて始める、そういう人が圧倒的に多いんです。
そうすると、サラリーマンの思考から商売人の思考に変わるまで、半年くらいは時間がかかるんです。
時間がかかるが故に、”どの場所でどの商売を始めるのか?”っていうところを、半年くらいはトコトン考える時間に充てるのが良いと思うんですよ。
良い業種・場所を選んでも失敗は当たり前。週イチ改善を徹底せよ!
さて、我々は会計屋さんですので、色々な業種の経理を見ていまして、どの業種が儲かりやすいかを実は知っています。
「この業種はリスクがあんまり無くて、比較的儲けやすい。ところが大儲けは出来ない」とかですね、知っているわけです。
ですから”どの場所でどの商売を始めるのか?”でほぼ決まってしまうので、リスクばかりが大きくてポシャる可能性が高いものを選ばないように、じっくり考えて良いと思います。
それから始めたばかりのころ。
始めたばかりのころは、本当に作戦が上手くいかないんですよ。
ですから、「自分の作戦は常に間違う」と思ったほうがよいです。しっかりと(笑)
となると、「作戦間違えます⇒修正します」これの繰り返しです。
これを週イチ改善する。週に1回の改善が出来るのが、実はオープン当初、開業当初だけなんです。
開業当初は常に作戦が当たりませんし、「なんで売り上げ伸びないんだろう」「なんで誰も相手にしてくれないんだろう」ってね、分っかんないんですよ。ホントに。
無料のキャンペーンとかやったのに全く当たんないとか、そんなのが日常茶飯事なわけです。
「なんで無料なのに、みんな体験してくれないんだろう」「無料サンプルなのに、なんでもらってもくれないんだろう」とかね、色々 悩むわけです。
そんなこんなで、常に自分の作戦は間違うって思っていれば、起業当初は週イチ改善が1番出来る時期です。
起業してしばらく経つと週イチ改善って、なかなか出来なくなっていきますからね。
悪く言うと臆病になっちゃうんですね。
やっぱり失敗ばかりしていると、だんだん臆病になってしまって、チャレンジしなくなる。
そうしているうちに年に1回の改善もしなくなって、そして潰れていく…という会社さんが非常に多うございます。
週イチ改善の成功指標1:お客様は喜んでいるか?
じゃあ、週イチ改善をやっていく中で、何を以て「成功」の指標とすれば良いのかというと、非常に簡単でして2つございます。
1つめは、「お客様が喜んでいるかどうか?」です。
というのも、お客様が喜んでさえいれば、取引先の数は自然に増えます。
あるいはお店を構えているのであれば、お客様の数ですね、それがどんどん増える。
これはハッキリと分かります。
ですから私は月に1回、お客様の数がどういう感じで増えているのかを必ず聞きます。
実は会計やと言っても、帳簿で売り上げの数字とかはほとんど見ないんですよ。
週イチ改善の成功指標2:サービスの質は高まっているか?
それからもう1つ必ず見ることがあります。
それは、「自分たちのサービスの質が高まっているか?」という指標です。
サービスの質が上がっていれば、お客様の層が変わります。
つまり、客層が上がるんですよ。
会計屋さんが見るのは、所詮は数字なんですよ。
売り上げの数字がどうのこうの言ってもね、あんなの見たって、実は商売なんて、それほど劇的に改善出来るもんでは無いです。
だからお客様の数を聞きます。
新規の数はどうですか?減った数はどうですか?って。
もしお客様の数が前に比べてどんどん増えていたら、それは喜んで、お客様の層については「実はあそこと取引できるようになったよ」っていうのがあったりすると、それはサービスの質が高まっているに違いないわけです。
そうすると自分たちのランクが上がるので、付き合う相手のランクも上がるんだよね。
そういうことが見えてくるわけです。
週イチ改善成功の兆し1:始めた頃と付き合う相手が一巡している
こうやって週イチ改善をしばらく繰り返していくと、どんなことが起こり始めるのでしょうか?
まず一つ目ですが、週イチ改善を成功させていくと、商売始めた頃とお付き合いする取引先が、だいたいガラッと変わって一巡します。
昔の取引先がずいぶんと減ったよな〜って。実感するはずです。
私共も開業して15年。16年目に入りましたけれど、やはり昔から付き合っている会社さんって、社長さんの数で言うともう20人いないですね。
今110社くらいの顧問先有りますけれど、もう一巡してしまって、昔からの人は20人くらいしかいない感じです。
「ずいぶんと変わったな〜」と感じます。
週イチ改善成功の兆し2:危機感を持って新商品・新サービスにどんどん挑み失敗を重ねる
2つめに、週イチ改善に成功し、黒字企業、黒字の社長さんとなった人に共通することがあります。
彼らには、常に危機感があるんですよ。
ですから「常に 新商品・新サービスを提供していかないといけない!」って、今まで以上にチャレンジします。
「新しい取引先をどうやって開拓していくか?」「広告も変えないとダメかな?」とか。
「採用はどうしよう?」「良い人材を採用するにはどうすれば良いか?」とか、常にチャレンジしています。
みんな最初は、「ウチみたいな会社にはロクな人間が来てくれない。」と思っているわけですよ。
ところが、ちょっと無理しても良い人材を採用して、その人材を教育していかないといけない。
こんな感じで、常にチャレンジしているのが黒字企業の社長の特徴です。
常にチャレンジしていますから、失敗も沢山するんですよ。
チャレンジして失敗することは、全然格好悪いことでは無くて、むしろ黒字企業の社長ほど、色んな失敗をしています。
こうやって、起業当初から軌道に乗るまでの過程で起きる変化を、起業する前に知っておくのはとても良いことだと思います。
これから起業する方は、小さな失敗・大きな失敗をやっても、チャレンジさえ続けていけば、最後は上手くいくということを覚えておいてくださいね。