起業したいと考える学生さんの多くは、起業して社長になるなら「意識が高くなくてはならない」と考えているようです。しかし現実を見ると、先輩起業家の多くは、意識が高いから起業したのではなく、会社を辞めざるを得ず起業したというケースが殆どです。起業に必要なのは「意識の高さ」より「行動力」です。
経営者と労働者の違いは意思決定のプロセス
「起業する際は一旦就職して、数年働いてから事業を始めたほうが良いのか?」と悩んでいる学生さんって多いですよね。
皆さんがこの問題で悩む気持ちがわかるな〜と思うのは、うちのお客様で創業者の方は、まずはどこかの会社へ勤めて労働者を経験して、それから事業者になったという方がほぼ100%に近いからです。
ちなみに経営者の良いところっていうのは、毎朝自分のやることを決められる事です。
逆に言うと、自分でやることを決めなければいけないので、これが労働者の時とは違う点ですね。
いくら労働者としてリーダーを任されていたとしても、結局は会社の方針に従ったことをやらなければいけませんからね。
でも事業者になれば本当に自分の好きなことをやれる。これが1番労働者と違うところで、喜びなんじゃないかなと思っています。
起業家の多くが意識高くないのに起業した現実
さて、独立開業する人たちっていうのは、学生さんたち的には何ていうのかな…「意識の高い人」みたいな部類に分けられているらしいです。
全然そんなこと思いませんけれどね。
ちなみに私の周りだと、学校を卒業後にとりあえず数年働いて、1番多いのが30歳くらいを境目に「独立開業したいなぁ〜」と漠然と思って、会社を飛び出した人が多いです。
でも、色んな経営者さんとお会いして話をしていると、若い頃から計画を立てて「30歳で独立…!」とか、そんな先のことを考えてた事業者なんて絶対にいない!(笑)
成功した経営者のインタビューなんか見ると、「世界を変えようと思ってました。」とか行ってるんだけれど、あれは過去の記憶ロンダリングで、実際のところは、意外と会社で居心地が悪くなったとか、今の会社は体制が腐っている!(怒)とか、そんなきっかけで起業した人ばっかりです。
会社が大きくなったら、世の中的にはうまく見せなきゃいけないですからね。でも真相は大体そんな感じですよ。
そりゃあ社会に出れば色々あるんですよ。その会社で本当に満足していたら、辞めないですからね。
ですから、起業するタイミングって、勤めた会社を辞めざるを得なくなって、悶々として会社を飛び出しちゃったっていうパターンが1番多いです。
学生さんの時から「30歳を目処に独立開業!」なんて、考えてもムダって思った方が良いんじゃあないかと思います。
それから卒業する時に、大手企業に入った方が良いのか、中小企業に入った方が、どっちが独立開業に良いのかってね、そんなのハッキリ言ってどっちも変わりません。
ただし現実問題として、新卒カードは1回しか切れないので、転職のし易さから言うと、大手企業から中小企業への転職は出来ても、中小企業に入ってしまうと、もう大手企業には就職出来ないですよ。
だから、「いつか起業したいけれど今は何がしたいかわからない」という状態で、新卒カード1枚切れるんだったら、大手企業でイイんじゃないの?とは思います。
起業家に求められるのは「意識の高さ」よりバカ正直な「素直さと行動力」
というのも仕事の内容が専門性があるとか、中小企業に行けば全部やらないといけないとかありますけれど、独立開業したら全く関係無いんです。
独立開業したい!と考える夢見る夢子ちゃんが100人いたら、実際に行動する人は10人もいません。
そして実際に始めてみても10年経って生き残っているのは10分の1の1人。こんな感じでやっていくわけです。
自分達が独立開業したいと思っていて「自分たちは意識が高い集団である!」とか、もし思っているんだったら、実際に企業を開業したら一応そりゃあ認められますよ?
でも、この図を見て分かる通り、夢見る夢子ちゃんの状態の人って沢山いるんです。
ですから傍から見ると、それが意識の高い学生である必要なんか全くないんですよね。
実際に独立開業をしたい!と今は言っていても、結局は就活でどこの会社の労働者になるかで競い合って、自分はあそこの労働者になれた!勝ち組だーーー!ってそんな風に思っちゃうわけですから。
ですから夢を見ているだけだったら、中小企業庁が出している「夢を実現する創業」っていう小冊子があるんですけれど、夢を見るだけだったらみんな見ている。
夢を実現する創業:ダウンロードページ
実際に行動するおバカっていうのも大抵は、会社で居心地が悪くなってそれで飛び出した、もしくは辞めさせられて起業しちゃう消極的な起業のパターンも多いわけです。
それでも10年叩かれて生き残るのは、10人に1人少ないわけですからね。
そういうことを考えると学生さんのうちはホント遊んでおいてね、それで良いんじゃないかと思います。